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【保存版】不動産賃貸業の税金まとめ|取得・保有・売却の全税金を税理士が解説

2026 6/05
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不動産の税金
2017年2月28日2026年6月5日
不動産の取得・保有・売却の税金

「不動産を取得して半年後、突然届いた不動産取得税の納付書に青ざめた」「結局どんな税金を、いつ払えばいいのか全体像がつかめない」――不動産オーナーから本当によくいただく声です。

不動産賃貸業の税金は種類が多く、納税のタイミングもバラバラです。

リフォーム費用を支払った直後に高額な納税通知が届き、資金繰りに窮するケースも少なくありません。

本記事では、不動産業を専門とする税理士の立場から、不動産賃貸業(不動産投資を含む)に関わる税金を、個人事業主・法人別に「いつ・何を払うのか」がひと目でわかるように整理します。

目次

不動産賃貸業の税金は、いつ・どんな種類が発生する?

不動産賃貸業の場合、税金が発生するタイミングは大きく3つのフェーズに分かれます。

PHASE1:賃貸用不動産を取得したとき

最初に賃貸用不動産を取得したときに1回だけ発生する税金です。

特に不動産取得税だけは、取得から3か月~6か月後に納税通知書と納付書が届くので注意が必要です。

PHASE2:賃貸用不動産を保有している間

毎年納税が必要な税金と利益があれば納税が必要な税金の2種類に分けられます。

PHASE3:賃貸用不動産を売却したとき

売却したときに利益が発生するならば、納付する税金です。

個人事業主の場合の税金の種類

まずは、不動産賃貸業を個人事業主として営む場合の税金の種類を見ていきましょう(法人として営む場合は、次の項まで読み飛ばしてください)。

賃貸用不動産を取得したときの税金

印紙税

不動産売買契約書に貼り付け、消印(印紙と契約書にまたがるように印鑑などを押すこと)で支払う税金です。

契約金額が大きくなるほど税額も上がります。

実は、不動産売買契約書には軽減税率が適用され、本則の約半額に減額されます。

実務でよく登場する金額帯の早見表は次のとおりです。

契約金額本則税額軽減税額(2027年3月31日まで)
100万円超〜500万円以下2,000円1,000円
500万円超〜1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円超〜1億円以下60,000円30,000円
1億円超〜5億円以下100,000円60,000円
5億円超〜10億円以下200,000円160,000円

さらに「契約書を1通だけ作って原本を売主・買主で共有する」と、貼り付ける印紙が1枚で済み、印紙税を実質半額に抑えられるテクニックもあります。

登録免許税

土地・建物の所有権移転登記や抵当権設定登記を行う場合に支払う税金です。

司法書士に登記を依頼する場合、その報酬と一緒に支払うのが一般的です。

税率は登記の種類によって異なります。

登記の種類本則税率軽減税率
土地の所有権移転2.0%1.5%(2029年3月末まで)
建物(中古)の所有権移転2.0%―
抵当権設定借入額の0.4%―

たとえば土地1,500万円・建物1,500万円の中古マンションを購入すると、土地分22.5万円+建物分30万円で合計約52.5万円もの登録免許税がかかります。意外と見落としがちなコストです。

不動産取得税

不動産を取得した時に1回だけ支払う税金で、税率は土地・住宅は3%、店舗や事務所など住宅以外の建物は4%です。

たとえば5,000万円の賃貸住宅を取得すると、計算上は150万円もの納税が発生します。

なお、住宅用不動産には課税標準の軽減措置(建物の評価額から1,200万円控除など)があり、賃貸住宅にも使えます(共同住宅は1戸40㎡以上240㎡以下が条件)。

新築の賃貸マンションなら実質ゼロになるケースもあります。

不動産取得税のタイミングに要注意!
不動産取得税の納税通知書が届くのは、不動産売買契約締結日の3か月~6か月後です。中古物件を取得した場合など、リフォーム費用を支払った直後に高額な通知が届き、青ざめる方が後を絶ちません。取得時には、必ず不動産取得税分の資金を別途プールしておきましょう。

賃貸用不動産を保有している間の税金

固定資産税(毎年納税)

毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して、市町村が課税する税金です。

一括納税か年4回の分割納税かを選択でき、納税通知書は毎年4月~6月頃に届きます。

税率は標準で固定資産税1.4%+都市計画税0.3%(合計1.7%)。

たとえば固定資産税評価額3,000万円の不動産なら、年間約51万円が毎年かかる計算です。

ただし、住宅用地には大きな特例があり、200㎡以下の小規模住宅用地は課税標準が1/6に圧縮されます。

賃貸アパート・マンションの敷地もこの特例の対象で、節税効果は絶大です。

所得税・住民税・個人事業税(利益があれば)

利益(不動産所得=家賃収入-必要経費)に対して課税される税金です。

所得税の確定申告書を提出すれば、住民税と個人事業税の計算はそのデータをもとに自動的に行われますので、別途申告書を作成する必要はありません。

それぞれの税率の特徴は次のとおりです。

税目税率備考
所得税5%〜45%(累進課税)課税所得が高いほど税率アップ
住民税一律10%―
個人事業税5%不動産貸付業/事業主控除290万円あり

たとえば不動産所得600万円なら、所得税・住民税合算で実効税率は約30%。

高所得層では所得税・住民税合計で最大約55%にまで達するため、青色申告特別控除(最大65万円)や法人化が有効な節税策になります。

賃貸用不動産を売却して利益があるときに支払う税金

所得税・住民税(譲渡所得)

売却益(譲渡所得=売却額-取得費-譲渡費用)に対して課税される税金です。

給与所得や不動産所得とは分離して計算されます(分離課税)。

税率は保有期間で大きく変わります。

保有期間区分合計税率内訳
5年以下短期譲渡39.63%所得税30%+復興税0.63%+住民税9%
5年超長期譲渡20.315%所得税15%+復興税0.315%+住民税5%

たとえば3,000万円で買った物件を5,000万円で売却すると譲渡益は2,000万円。

短期譲渡なら約790万円、長期譲渡なら約410万円の所得税・住民税になり、この2つで大きな納税差が生まれます。

なお、マイホーム売却で適用される3,000万円特別控除は、賃貸用不動産には適用されません。

また、取得費が不明な場合は売却額の5%で計算するルール(概算取得費)になり、税負担が大きくなる点にも注意です。

保有期間5年が大きな分岐点です。短期譲渡と長期譲渡で税率がほぼ2倍違うため、売却タイミングは5年超を意識するのが基本戦略になります。

なお、保有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定するため、年末の売却は特に要注意です。たとえば2021年7月に取得した物件を2026年12月に売却した場合、実日数では5年経過していますが、判定基準日「2026年1月1日」時点では4年半しか経過しておらず短期譲渡扱いになります。長期譲渡(20.315%)を狙うなら、翌2027年1月以降の売却が必要です。

会社(法人)の場合の税金の種類

次に、会社(法人)として不動産賃貸業を営む場合の税金の種類を見ていきます。

賃貸用不動産を取得したときの税金

印紙税

不動産売買契約書に貼り付け、消印(印紙と契約書にまたがるように印鑑などを押すこと)で支払う税金です。

個人事業主と同じ取扱いで、契約金額が大きくなるほど税額も上がります。

なお、不動産売買契約書には軽減税率が適用され、本則の約半額に減額されます。

法人で登場頻度の高い契約金額帯の早見表は次のとおりです。

契約金額本則税額軽減税額(2027年3月31日まで)
100万円超〜500万円以下2,000円1,000円
500万円超〜1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円超〜1億円以下60,000円30,000円
1億円超〜5億円以下100,000円60,000円
5億円超〜10億円以下200,000円160,000円

登録免許税

土地・建物の所有権移転登記や抵当権設定登記を行う場合に支払う税金で、税率は個人事業主と同じです。

登記の種類本則税率軽減税率
土地の所有権移転2.0%1.5%(2029年3月末まで)
建物(中古)の所有権移転2.0%―
抵当権設定借入額の0.4%―

不動産取得税

不動産を取得した時に支払われる税金で、税率は土地・住宅は3%、住宅以外の建物(事務所・店舗など)は4%です。

納税通知書が送られてくるのが、不動産売買契約締結日の3か月~6か月後と遅いので注意が必要です。

法人でも住宅用不動産の軽減措置(建物の評価額から1,200万円控除など)は適用可能です。

ただし、適用には取得後60日以内の申告が必要なので忘れないようにしましょう。

賃貸用不動産を保有している間の税金

固定資産税(毎年納税)

毎年1月1日時点の不動産の所有会社に対して、市町村が課税する税金です。

一括納税か年4回の分割納税かを選択でき、税率は固定資産税1.4%+都市計画税0.3%です。

法人でも住宅用地の課税標準1/6の特例は同じく適用されます。

賃貸アパート・マンションの敷地はこの特例で大幅な節税が可能なので、土地と建物のバランスを意識した投資戦略が重要です。

法人税・法人住民税・法人事業税(利益があれば)

基本的には、利益(所得金額)に対して課税される税金で、合算した実効税率はおおむね21%〜34%(所得規模・自治体により変動。所得800万円以下なら約21〜23%、800万円超は約33〜34%)です。

注意点は法人住民税の均等割。これは損失(赤字)の場合でも最低7万円程度の納税が必要な税金で、「赤字なら税金ゼロ」が通用しません。

一方、中小企業(資本金1億円以下)には大きなメリットがあり、法人税は所得金額によって2段階の税率が適用されます。

所得金額法人税率
年800万円以下の部分15%(軽減税率)
年800万円超の部分23.2%

たとえば利益1,000万円なら、800万円×15%+200万円×23.2%=約166万円の法人税で済み、個人の最高税率45%を考えると有利になる場面が多いです。

賃貸用不動産を売却して利益があるときに支払う税金

法人税・法人住民税・法人事業税(売却益)

売却益(所得金額)に対して課税される税金で、税金の種類は、賃貸用不動産を保有している間の法人税・法人住民税・法人事業税と同じです。

会社の場合、賃貸用不動産を保有していた間のその年の利益金額と、賃貸用不動産を売却した時の利益金額を合算して、法人税・法人住民税・法人事業税の納税額を算定することになります(個人の譲渡所得のように分離課税にはなりません)。

これは大きなメリットでもあります。

たとえば、その年の事業赤字が500万円、不動産売却益が2,000万円なら、合算で課税所得は1,500万円になります。

赤字の年に不動産を売却すれば損益通算で税負担を圧縮できる――これが法人ならではの強みです。

個人と法人の大きな違い
個人の場合、不動産の売却益は「譲渡所得」として給与所得や不動産所得とは分離して課税されますが、法人の場合は売却益も含めてすべて合算課税されます。そのため、赤字の年に売却すれば損益通算で税負担を抑えられるのが法人の強みです。

不動産賃貸業の税金でよくある間違い・注意点

  • 不動産取得税の納付書を「身に覚えがない」と無視してしまう
    取得から半年も経ってから届くため、ご自身でも忘れがちです。放置すると延滞金が発生するので、必ず期限内に納付しましょう。
  • 法人で赤字でも法人住民税の均等割は発生する
    「赤字なら税金ゼロ」というのは個人の話。法人は最低でも年7万円程度の均等割を納める必要があります。
  • 個人の譲渡所得は5年超かどうかで税率が約2倍違う
    「売却した年の1月1日」時点で5年を超えているかで判定します。実日数で5年を超えていてもダメな場合があるので要注意です。

まとめ:不動産賃貸業の税金は「いつ」「いくら」を事前に把握する

本記事のポイント整理

  • 不動産賃貸業の税金は「取得時」「保有中」「売却時」の3フェーズで発生する
  • 取得時の不動産取得税は3〜6か月遅れで届くため、資金を別途プールしておく
  • 高所得になると法人化が有利(個人は実効最大約55%、法人は中小で最大約34%)
  • 個人の譲渡所得は保有期間5年超で税率が約半分になる(39.63%→20.315%)
  • 法人は赤字でも均等割(最低7万円程度)が必ずかかる

不動産賃貸業は、税金の種類とタイミングを事前に把握しておくことが、安定した経営の第一歩です。

「いつ・いくらの税金が来るのか」が頭に入っていれば、納税資金の準備も、節税策の検討も、余裕をもって進められます。

個別のシミュレーションや、個人と法人どちらで不動産賃貸業を始めるべきかといった判断は、保有予定の不動産規模や他の所得との兼ね合いによって変わります。

判断に迷う場合は、不動産業を専門とする税理士にご相談されることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

不動産取得税はいつ頃届きますか?

不動産売買契約締結日(または引渡日)から、おおむね3か月~6か月後に都道府県(東京都の場合は都税事務所)から納税通知書が届きます。

納付期限を過ぎると延滞金が発生するため、取得時に資金を別途プールしておきましょう。

個人と法人、どちらで不動産賃貸業を始めるのが税金面で有利ですか?

一概には言えませんが、利益が年500万円を超えてくる規模であれば法人の軽減税率の恩恵が大きく、有利になることが多いです。

一方、規模が小さく副業的に運営するならば、個人事業主のほうがシンプルで税負担も軽くなる傾向があります。

不動産を売却した場合、いつ税金を払いますか?

個人の場合は、売却した年の翌年2月16日〜3月15日の確定申告で所得税を、6月以降に住民税を納めます。

法人の場合は、決算月の翌々月末までに法人税・法人住民税・法人事業税を合わせて納付します。

法人が赤字でも納める税金はありますか?

はい、あります。

法人住民税の均等割は、たとえ赤字(欠損)であっても最低7万円程度の納税が必要です。

資本金や従業員数によって金額は変わりますが、「赤字なら一切税金が発生しない」というのは個人の場合のみと覚えておきましょう。

短期譲渡と長期譲渡の判定基準を教えてください

個人が不動産を売却した場合の譲渡所得は、「売却した年の1月1日時点」で保有期間が5年を超えているかで判定します。

実日数で5年を経過していても、1月1日時点で5年以下であれば短期譲渡所得(税率39.63%)になります。

売却タイミングは慎重に検討しましょう。

参考:公的機関の関連情報

  • 国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
  • 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表」
  • 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
  • 東京都主税局「不動産取得税」
  • 総務省「固定資産税」
不動産の税金
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