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カーテン・ブラインドの勘定科目と耐用年数|消耗品費か資産か税理士が解説

2026 6/14
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不動産の税金
2017年5月19日2026年6月14日
カーテンやブラインドの取得は消耗品費(経費)になる?

事務所や賃貸物件にカーテン・ブラインドを取り付けたとき、「消耗品費でいいの?それとも固定資産?」と迷う方は多いはずです。

事業者が判断を誤ると、その年に経費にできたはずの金額を何年も繰り延べたり、資産計上もれを税務調査で指摘されたりします。

この記事では、金額ごとの勘定科目、カーテンとブラインドで異なる耐用年数、仕訳例までを順に整理します。

目次

カーテン・ブラインドの勘定科目は1部屋あたりの取得価額で決まる

事業者がカーテンやブラインドを購入したときに使う勘定科目は、その取得価額に応じて「消耗品費」か「工具器具備品」に分かれます。

ここでいう取得価額は、カーテン1枚ごとではなく、1部屋に取り付ける一式(1組)の合計で判定します。

つまり事業者は、本体価格に取付工事費を加えた合計額が10万円未満かどうかで、費用(消耗品費)にするか資産(工具器具備品)にするかを判断します。

カーテンは1枚だけでは窓をおおえず機能しないため、税務上は1部屋分をまとめて1つの資産とみなすからです。

【判定例】1枚3万円のカーテンを4枚(12万円)取り付け、取付工事に2万円かかった場合
→ 合計14万円なので、1枚ごとでは10万円未満でも1部屋14万円=工具器具備品(固定資産)として扱います。

まずは費用(消耗品費)になるか資産(工具器具備品)になるかの分かれ目を、早見表で確認しましょう。

取得価額(1部屋あたり)勘定科目経費の入れ方
10万円未満消耗品費その年に全額を経費にできる
10万円以上工具器具備品いったん資産に計上(経費化の方法は20万円未満・40万円未満で変わる。次章で比較)

1部屋10万円未満のカーテン・ブラインドは消耗品費で全額を経費にできる

1部屋あたりの取得価額が10万円未満のカーテン・ブラインドなら、事業者はその全額を消耗品費として購入した年に経費にできます。

仕訳例を確認しましょう。

事業者が事務所のカーテン一式を現金8万8,000円で購入した場合は、次のとおりです。

借方金額貸方金額
消耗品費8万8,000円現金8万8,000円

10万円以上のカーテン・ブラインドは工具器具備品|経費化の3つの方法を比較

1部屋あたり10万円以上のカーテン・ブラインドは、事業者がいったん工具器具備品(固定資産)に計上したうえで、金額に応じて3つの経費化方法から選びます。

違いを比較表で整理します。

経費化の方法対象金額経費の入れ方特徴
通常の減価償却10万円以上法定耐用年数で按分償却資産税の対象
一括償却資産10万円以上20万円未満3年で均等償却償却資産税の対象外・月割不要
少額減価償却資産の特例10万円以上40万円未満(中小・青色)その年に全額年300万円が上限・償却資産税の対象

一括償却資産は、20万円未満の資産を耐用年数に関係なく3年で均等償却できる制度で、償却資産税がかからないのがメリットです。

ここまで何度か出てきた「償却資産税」について、税務初心者の方向けに簡単に補足します。

【用語メモ】償却資産税とは?
償却資産税は、土地・建物以外の事業用資産(工具器具備品など)にかかる固定資産税です。毎年1月1日時点で持っている資産を市区町村に申告し、評価額のおおむね1.4%がかかります。ただし、同じ市区町村にある償却資産の合計額が150万円未満なら課税されません。上の表で「対象外」とした一括償却資産(3年均等償却)は、この税金がかからない点がメリットです。

【2026年改正】少額減価償却資産の特例が40万円未満に拡大

中小企業や個人事業主が使える少額減価償却資産の特例は、令和8年度税制改正で、対象になる取得価額の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。

対象は令和8年4月1日以後に取得して事業に使った資産で、適用期限は令和11年3月31日までです。

中小企業者等(青色申告・資本金1億円以下など・常時使用する従業員400人以下)が対象で、1年間に適用できる取得価額の合計は300万円が上限です。

注意:令和8年3月31日以前に取得したものは、改正前の30万円未満が上限です。
また、この特例で全額を経費にしても、工具器具備品はその後も償却資産税(固定資産税)の申告対象になります。

出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁タックスアンサーNo.5408(タックスアンサーは改正前の30万円表記が残っている場合があります)。

経費化の3つの方法のうち通常の減価償却では、資産を法定耐用年数にわたって少しずつ経費にしていきます(一括償却資産や少額減価償却資産の特例は法定耐用年数を使いません)。

そこで次に、カーテンとブラインドの法定耐用年数が何年になるのかを確認します。

そこで次に、カーテンとブラインドの耐用年数が何年になるのかを確認します。

カーテンの耐用年数は3年|ブラインドは種類で変わる

カーテンの法定耐用年数は3年ですが、ブラインドは、一律3年とは限りません。

まず用語を整理します。

カーテンの耐用年数

国税庁の別表第一で「カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに類する繊維製品」の法定耐用年数は3年と定められています。

ブラインドの耐用年数

ブラインドは、材質によって法定耐用年数が変わります。布製のものは、カーテンと同じ繊維製品に類するとして3年とする見解があります。

一方、金属製・樹脂製のものは繊維製品にあたらず、明文の細目がありません。器具備品なら金属製15年・その他8年、建物附属設備なら18年とされ、実態に応じた個別判断になります。

主な区分を表にまとめます。

品目区分法定耐用年数
カーテン(繊維製品)器具備品3年
布製ロールスクリーン等器具備品3年
金属・樹脂製ブラインド器具備品/建物附属設備8〜18年(個別判断)

カーテンの法定耐用年数3年は国税庁の明文がある断定できる扱いですが、ブラインドの法定耐用年数は明文の取扱いがなく、個別の判断が必要です。迷う場合は税理士にご確認ください。

工具器具備品に計上したカーテンの減価償却の仕訳例(3年・定額法)

工具器具備品に計上したカーテンを、事業者は法定耐用年数3年・定額法で毎期減価償却します。

取得価額50万円のカーテンを例にすると、法定耐用年数3年に対応する定額法の償却率は0.334なので、1年の減価償却費は50万円×0.334=16万7,000円です。

購入時の仕訳

借方金額貸方金額
工具器具備品50万円現金50万円

決算時の仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費16万7,000円工具器具備品16万7,000円

減価償却には、毎年同じ額を経費にする定額法と、初めの年ほど多く経費にする定率法があります。

器具備品では、個人事業主は定額法、法人は定率法が原則です。どちらも、あらかじめ税務署に届け出れば、もう一方の方法を選べます。

大家が賃貸物件にカーテン・ブラインドを設置するときの注意点

大家が賃貸物件に設備として備え付け、賃借人に貸し出しているカーテン・ブラインドは、大家自身の事業用資産として、これまでの金額区分(10万円・20万円・40万円)で処理します。

そのうえで、賃貸物件に備え付ける場合は次の3点に注意しましょう。

  • 建物に造作のように固定する大型のブラインド・ロールスクリーンは、器具備品ではなく建物附属設備になります。その結果、耐用年数が長くなり、経費にするのに年数がかかる場合があります。
  • 工具器具備品に計上したカーテン等は償却資産税(固定資産税)の申告対象になります。申告の手間を避けたいなら、大家が備え付けるより入居者に自分で用意してもらうのも一つの方法です(同じ市区町村内の償却資産の合計が150万円未満なら課税はされません)。
  • 入居者の入れ替えなどで傷んだカーテン・ブラインドの一部を同等品に交換する費用は、原状回復のための修繕費として、その年の経費にできます。

借主が賃借物件にカーテン・ブラインドを設置するときの注意点

借主が賃借した事務所や店舗に取り付けたカーテン・ブラインドも、取り外せるものは借主自身の器具備品として、これまでの金額区分(10万円・20万円・40万円)で処理します。

ただし、借主が賃借物件にカーテン・ブラインドを取り付ける場合は、次の4点に注意が必要です。

  • 建物に固定されて取り外せないカーテン・ブラインドは、借主の器具備品ではなく内部造作(建物附属設備)として扱います。耐用年数は、賃貸借契約の残り期間などをもとにした合理的な年数で償却します(くわしくは内部造作の耐用年数をご覧ください)。
  • 借主が退去時にカーテン・ブラインドを取り外して処分するときは、まだ償却が終わっていない金額(未償却残高)を除却損として経費にできます。
  • 資産に計上したカーテン・ブラインドの償却資産税は、大家ではなく借主側で申告します。
  • 借主が自宅の一部を事務所として使っている場合は、カーテン・ブラインド代のうち事業に使う割合だけを経費に計上します(家事按分)。

まとめ:カーテン・ブラインドの勘定科目と耐用年数

カーテン・ブラインドの経理処理は、取得価額の金額と種類(材質)で変わり、とくにブラインドの法定耐用年数は判断が分かれます。最後に要点を整理します。

  • 勘定科目は1部屋あたりの金額で判定(10万円未満=消耗品費/10万円以上=工具器具備品)。
  • 判定は1枚ではなく1部屋分(1組)の合計。取付工事費も含める。
  • 取得価額が20万円未満は一括償却資産で3年均等償却ができます。また、取得価額が40万円未満は中小企業の少額特例で全額をその年の経費にできます。なお、取得価額が10万円以上20万円未満の場合は、一括償却資産と少額特例のどちらかを選べます。
  • カーテンの法定耐用年数は3年。ブラインドの法定耐用年数は材質で変わり、布製は同じ3年、金属製・樹脂製は8〜18年で個別判断になります。

よくある質問(FAQ)

カーテンの勘定科目は何ですか?

事業者は、1部屋あたり10万円未満なら消耗品費、10万円以上なら工具器具備品で処理します。20万円未満は一括償却資産として3年均等償却ができます。また、40万円未満は中小企業の少額特例で全額経費にもできます。

10万円・20万円・40万円の判定は税込みと税抜きのどちらで行いますか?

採用している消費税の経理方式によります。税込経理なら消費税込みの金額、税抜経理なら消費税抜きの金額で判定します。免税事業者は税込経理になるため、税込みの金額で判定します。

取付工事費は金額に含めますか?

含めます。本体価格に取付工事費を加えた合計額で10万円・20万円・40万円の判定を行い、資産に計上します。

賃貸物件のカーテンも経費になりますか?

はい、大家が賃貸物件に備え付けたカーテン・ブラインドは、大家の事業用資産として経費(減価償却)にできます。入居者が自分で用意したものは入居者の資産になります。

出典・参考

  • 国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(器具・備品)(その1)」
  • e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第一
  • 国税庁タックスアンサー No.2100「減価償却のあらまし」
  • 国税庁タックスアンサー No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
  • 国税庁タックスアンサー No.5402「修繕費とならないものの判定」
  • 国税庁タックスアンサー No.2106「定額法と定率法による減価償却」
  • 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」(償却資産税・免税点150万円)
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