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防犯カメラの勘定科目は?原則6年の耐用年数と仕訳、40万円特例まで税理士が解説

2026 6/11
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不動産の税金
2017年5月21日2026年6月11日
防犯カメラ(監視カメラ)の設置・交換に係る勘定科目と耐用年数について

事務所や賃貸マンションに防犯カメラを設置したとき、勘定科目を何にすればよいか迷っていませんか?

防犯カメラの経理処理は、金額と設置の単位で決まります。

判定を誤ると、本来その年に落とせた費用を数年に分けて償却することになり、税金を多く払いすぎることもあります。

この記事では、防犯カメラ(監視カメラ)の勘定科目の選び方から、原則6年の耐用年数、金額別の仕訳例、40万円未満の特例までを不動産業専門の税理士がわかりやすく解説します。

目次

防犯カメラの勘定科目は金額で決まる【判定は2ステップ】

防犯カメラの勘定科目は、取得価額10万円を境に「消耗品費」か「工具器具備品」かが決まります。

取得価額(=本体価格に設置工事費などを加えた、使い始めるまでにかかった費用の合計)で、まず次の2つに分かれます。

取得価額勘定科目処理方法
10万円未満消耗品費全額をその年の経費にできる
10万円以上工具器具備品資産計上して減価償却で経費にする

10万円以上の資産は、取得価額を耐用年数(=税法で決められた使用年数)に分けて、少しずつ経費にしていきます。これを減価償却と呼びます。

ただし経費にするペースは1通りではありません。金額と申告の条件に応じて、次の3つの方法から選べます。

経費化の方法使える条件内容
通常の減価償却すべての事業者耐用年数の間で毎年少しずつ経費にする
3年均等償却
(一括償却資産)
取得価額20万円未満耐用年数に関係なく3年で経費にできる
少額減価償却資産の特例取得価額40万円未満かつ青色申告全額をその年の経費にできる
(年300万円まで・詳細は後述)

3年均等償却を選んだ資産は、勘定科目を工具器具備品ではなく、管理しやすいように「一括償却資産」とすることもあります。

青色申告(=事前に税務署へ届け出て帳簿をつける申告方法。税金面の特典が多い)でない白色申告の方は、少額減価償却資産の特例は使えませんが、3年均等償却は使えます。

ただし、この金額判定は1台ごとに行うとは限りません。次の章で、カメラとレコーダーを「一体」とみるか「単独」とみるかの判定を確認します。

取得価額の判定単位|カメラ・レコーダーは一体か単独か

取得価額は「通常1単位として取引される単位」ごとに判定します(法人税基本通達7-1-11)。

カメラ・モニター・レコーダーが配線でつながり、ひとつのシステムとして機能する防犯カメラは、セット全体をひとつの資産として金額を判定します。

一方、本体だけで録画まで完結するタイプ(SDカード式やクラウド型のネットワークカメラなど)は、1台ごとに判定できます。

ケース判定単位処理
カメラ4台+レコーダー+モニターの一式60万円セット全体で1つ工具器具備品60万円として資産計上
単独で録画まで完結するネットワークカメラ1台8万円1台ごと消耗品費で経費処理

「カメラ本体は9万円だから消耗品費」という処理は誤りです。設置工事費や配線費用も取得価額に含めて判定します。

ここまでで資産計上するかどうかが決まりました。次は、資産計上した場合に使う耐用年数を確認します。

防犯カメラの耐用年数は原則6年【国税庁の取扱い】

資産計上した防犯カメラシステムの耐用年数は、原則6年です。

根拠は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表第一です。区分は次のとおりです。

取得の形態別表第一の区分(器具及び備品)耐用年数
カメラ・モニター・レコーダーが一体のシステム事務機器及び通信機器「インターホーン及び放送用設備」6年
録画設備とつながないカメラ単体光学機器及び写真製作機器「カメラ」5年

国税庁の質疑応答事例でも、カメラやモニター等が一体で機能する装置について、同じ区分の6年を適用すると示されています(出典:国税庁「ドア自動管理装置の耐用年数」)。

資産計上した防犯カメラを減価償却するときの計算方法(償却方法)は2つあります。

定額法(=毎年同じ金額ずつ経費にする方法)と、定率法(=最初の年ほど多く経費にする方法)です。

原則として、個人事業主は定額法、法人は定率法を使います(税務署への届出により変更できます)。

もっとも、中小企業なら6年かけて償却せず、購入した年に全額を経費へ落とせる特例があります。

法定耐用年数(=税法で決められた使用年数)と、実際に使える寿命は別物です。実際は10年使えるとしても、経費にする計算は6年に分けて行います。

40万円未満なら全額経費にできる【令和8年度税制改正で拡充】

青色申告をしている中小企業・個人事業主であれば、取得価額40万円未満の防犯カメラは全額その年の経費にできます(少額減価償却資産の特例)。

令和8年度税制改正で、対象が「30万円未満」から「40万円未満」に拡充されました。

令和8年4月1日以後に取得した資産から適用され、適用期限は令和11年3月31日まで3年延長されています。

特例を使うための主な要件は次のとおりです。

  • 青色申告書を提出する中小企業者等であること(法人は常時使用する従業員400人以下などの要件あり)
  • 年間の合計が300万円に達するまでの取得価額が対象
  • 確定申告で明細を示すこと(法人=別表16(7)を申告書に添付/個人=青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に取得価額の合計額と「措法28の2」と記載)
  • 貸付け(主要な事業として行うものを除く)の用に供した資産は対象外

出典:国税庁タックスアンサーNo.5408/財務省「令和8年度税制改正の大綱」

制度を確認したところで、実際の仕訳を3つのパターンで見てみましょう。

防犯カメラの仕訳例【金額別3パターン】

防犯カメラの仕訳は、金額に応じた3パターンを押さえれば実務に対応できます。

  1. 消耗品費で、その年の経費にする
  2. 資産計上したうえで、少額減価償却資産の特例で全額をその年の経費にする
  3. 資産計上して、耐用年数6年で減価償却する

①8万円の単独型ネットワークカメラを現金で購入した場合

借方金額貸方金額
消耗品費8万円現金8万円

取得価額が10万円未満なので、全額をその年の経費にできます。

②35万円の防犯カメラ一式を購入した場合(中小企業・青色申告)

【取得時】

借方金額貸方金額
工具器具備品35万円普通預金35万円

【決算時】

借方金額貸方金額
減価償却費35万円工具器具備品35万円

令和8年4月1日以後の取得なら40万円未満に収まるため、少額減価償却資産の特例で全額をその年の経費(損金)にできます。

③60万円の防犯カメラシステムを購入した場合(定額法・期首取得)

【取得時】

借方金額貸方金額
工具器具備品60万円普通預金60万円

【決算時】

借方金額貸方金額
減価償却費10万200円工具器具備品10万200円

計算式は、60万円×定額法償却率0.167(耐用年数6年)=10万200円です。これを6年間かけて経費にします(期中取得の場合は月割計算)。

新規設置の仕訳は以上です。次は、設置後に発生する交換・修理費用の処理を確認します。

交換・修理の費用は修繕費?資本的支出?

設置後にかかる費用は、まず「修理」か「交換」かで分けて考えます。

修理の費用は、修繕費(=元の状態に戻すための費用)として経費にできます。

一体計上したシステムの増設やグレードアップは、1回の支出が20万円以上だと資本的支出として資産計上が必要になります。20万円未満であれば修繕費として経費にできます(出典:国税庁タックスアンサーNo.5402)。

交換の費用は、新しいカメラを買うことになるため、原則として新しい資産の取得として扱います。

支出の内容区分処理方法
故障箇所の修理・破損部品の取替え(現状維持)修繕費その年の経費
一体計上したシステムの増設・グレードアップ工事(1回20万円以上)資本的支出資産計上して減価償却
同じ工事でも1回20万円未満修繕費少額のため経費にできる
壊れたカメラを新品に交換新しい資産の取得金額に応じて消耗品費または資産計上(10万円基準)

性能を高める工事は、1回の支出が20万円以上だと資本的支出として資産計上が必要になります。20万円未満であれば修繕費として経費にできます(出典:国税庁タックスアンサーNo.5402)。

一体計上したシステムの一部を取り替えて新たに資産計上した場合は、取り外した古い部分の未償却残高(=まだ経費にしていない残り)を固定資産除却損として経費にできます。修繕費で処理した場合は、この振り替えは不要です。

壊れたカメラを新品に交換した場合も考え方は同じです。古いカメラを資産計上していたときは、廃棄した時点で未償却残高を固定資産除却損として経費にできます。消耗品費で処理済みのカメラなら、この処理は不要です。

ここまでの判定は、法人にも個人にも共通です。次は、個人事業主・大家さんだけに出てくる注意点を確認します。

個人事業主・大家さんが防犯カメラを経費にするときの注意点

個人事業主・大家さんの場合は、「事業用か家事用(=プライベート用)か」の区分が防犯カメラ特有の論点です。

法人と違い、個人の支出には事業用と家事用が混在しやすいためです。設置場所と目的で次のように分かれます。

設置場所・目的経費の扱い
賃貸アパート・マンションの共用部(入居者の安全対策)不動産所得の必要経費になる
自宅兼事務所・賃貸併用住宅事業で使う割合だけ按分(=仕事用と私用の割合で分ける)して経費
自宅専用(家族の防犯目的)経費にならない(家事費)

自宅に設置したカメラを全額経費にする処理は指摘されやすいポイントです。撮影している範囲や設置の目的から、事業との関係を説明できるようにしておきましょう。

最後に、税務調査でも指摘されやすい間違いをまとめて確認します。

防犯カメラの経理処理でよくある間違い

誤りの多くは「判定単位」と「工事費の扱い」に集中しています。

次の5つは特に間違いやすいポイントです。

  • 設置工事費を含めずに「10万円未満」と判定してしまう
  • 一体で機能するシステムを1台ずつに分けて判定してしまう
  • 白色申告なのに40万円未満の特例を使ってしまう(特例は青色申告限定)
  • 特例の明細の添付・記載を忘れる(法人=別表16(7)の添付/個人=青色申告決算書への記載)
  • 償却資産税(固定資産税)の申告を忘れる。特例で経費処理した資産も申告対象。ただし、3年均等償却(一括償却資産)を選んだ資産は申告対象外。資産の合計が免税点150万円未満(令和9年度からは180万円)なら課税はされないが、申告自体は必要。

それでは、本記事の要点を整理します。

まとめ|防犯カメラの勘定科目は金額と単位で判断する

防犯カメラの勘定科目・耐用年数のポイントは次の4つです。

  • 10万円未満は消耗品費、10万円以上は工具器具備品が基本
  • 金額はカメラ・レコーダー・工事費を含めた1単位ごとに判定する
  • 耐用年数は原則6年(カメラ単体は5年)
  • 青色申告(中小企業・個人事業主)なら40万円未満は全額経費(令和8年度改正で拡充)

防犯カメラの経理処理でよくある質問

最後に、防犯カメラの勘定科目や耐用年数についてお客様からよくいただく質問にお答えします。

防犯カメラの勘定科目は何ですか?

取得価額10万円未満なら消耗品費、10万円以上なら工具器具備品が基本です。青色申告をしている中小企業や個人事業主なら、40万円未満まで全額経費にできる特例があります。

防犯カメラの耐用年数は何年ですか?

カメラ・モニター・レコーダーが一体で機能するシステムは原則6年です(インターホーン及び放送用設備)。録画設備とつながないカメラ単体は「カメラ」として5年です。

設置工事費や配線費用も取得価額に含めますか?

含めます。使い始めるまでにかかった費用は取得価額に算入し、その合計額で10万円・40万円の判定を行います。

レンタルやリースで導入した場合の勘定科目は?

月額制のレンタルやクラウド型サービスは、賃借料(リース料)として毎月経費に計上します。例外は、契約終了後にカメラの所有権がもらえるタイプの契約で、この場合は購入と同じ扱い(資産計上)になります。ただし防犯カメラでは極めてまれなケースなので、通常の月額契約なら毎月の経費処理で問題ありません。

不動産の税金
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