- 印紙税がどのようなものか知りたい人
- 印紙税のちょっとした節税方法を知りたい人
- これから不動産投資をするために、印紙税の納税義務・納税金額に興味がある人
おさる先生!
こないだ投資用不動産を購入したとき、契約書に切手みたいなの貼ってたよね?
あれはなんだったの?
たぶん、収入印紙のことかな?
うん、たぶんそれだね。
不動産投資の場合、以下の2つの場合に、印紙税という税金を払わなくちゃいけないんだ。
- 不動産の購入や売却時
- 銀行と金銭消費貸借契約書を締結する時
そして、印紙税の払い方は少し変わっていて、収入印紙という切手みたいなものを契約書に貼ればOKなんだ。
ふーん。
切手みたいなのに、3万円とか印字されていたから、びっくりしちゃったよ。
海外の僻地に契約書を郵送するんだと思っちゃった。
はは、想像力豊かだね。
印紙税は不動産の金額や銀行融資の金額によって納税額が変わるんだ。
不動産投資の場合、土地・建物の取引金額や銀行融資の金額は大きくなるから、印紙税も高くなるんだよ。
そうなんだね。
不動産投資には収入印紙(印紙税を支払うこと)が必要になる
不動産投資をする時には必ず次の2つ場面で印紙税の問題が出てきます。
- 不動産の購入や売却時
- 銀行と金銭消費貸借契約書を締結する時
不動産購入や売却時
不動産を購入や売却する時に、売主と買主が締結する不動産売買契約書には収入印紙を貼る必要があります。
売主と買主の双方とも、自身が保管する契約書に収入印紙を貼り付けることで印紙税が支払われたことになります。
なお、共有名義の時は共有している人が連帯して印紙税を支払います。
銀行と金銭消費貸借契約書を締結する時
投資用不動産を購入するときには銀行融資を受けることが多いです。
手持ち資金だけで購入できればいいのですが、まとまった手持ち資金を用意するのは困難ですし、仮に用意できても、銀行融資を受けて投資用不動産を購入した方がレバレッジがかかって良い場合もあります。
銀行融資を受ける場合に結ばれる契約書を金銭消費貸借契約書といいます。
この金銭消費貸借契約書にも印紙を貼って、印紙税を納める必要があります。
印紙税の納税方法と税額は?
印紙税は郵便局や法務局で購入した収入印紙を契約書に貼り付けることで納税したことになります。
肝心の契約書に貼る収入印紙の金額(印紙税の納税額)ですが、以下の通りになります。
契約金額
|
納税額
|
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万超50万円以下 | 400円 |
50万超100万円以下 | 1千円 |
100万円超500万円以下 | 2千円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億以下 | 10万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 |
記載のないもの | 200円 |
ただし、不動産売買契約書に関しては、取引金額が10万円を超える場合、本来の納税額が2分の1になる軽減税率が適用されます(詳細金額は以下を参照)。
契約金額
|
納税額
|
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上50万円以下 | 200円 |
50万超100万円以下 | 500円 |
100万超500万円以下 | 1千円 |
500万円超1,000万円以下 | 5千円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 6万円 |
5億円超10億以下 | 16万円 |
10億円超50億円以下 | 32万円 |
記載のないもの | 200円 |
なお、それぞれの契約書に収入印紙を貼った後は、契約書の紙の部分と収入印紙にまたがるように捺印をしてください。
これを消印といいます。
印鑑は認印でもなんでも構いません。
印紙税の節税方法
契約書は通常2通作成し、契約の当事者がそれぞれ保管することになります。
契約書を2通作成するということは、印紙税も2通分支払うことになります。
ただし、あなたがもらう契約書が原本のコピーでいいのなら、コピーの契約書については、印紙税を支払う必要はありません。
例えば、投資用不動産を売却する時は不動産契約書の原本ではなく、コピーで良い場合があります。
その場合は、不動産売買契約書のコピーをもらえば、あなたは印紙税を払わなくてもよくなり節税になります。
印紙税は意外に高いので、ちょっとした節税対策でも、利用できるなら利用したいですね。
印紙税のQ&A
- 収入印紙を契約書に貼り付けなかったらどうなるの?
- 必ず税務調査の前までには収入印紙を契約書に貼ってください。
投資用不動産の売買契約をする時は、契約締結までに精力を使い果たしてしまって、契約締結後に収入印紙を貼り忘れたなんてことがよくあります。
収入印紙を貼っていないと税務調査でもちろん指摘されます。
すぐに気づいて、自主的に収入印紙を貼ればそんなに問題にはなりません。
しかし、悪質であったり、自主的に収入印紙を貼らなかった場合は、通常の印紙税の金額の3倍の税額を税務署から課せられます。
- 消印をしてしまった印紙が不要になったらどうしますか?
- 次の場合には、税務署で還付を受けられます。
- 印紙税の課税文書に貼り付けた収入印紙が過大となっているもの
- 課税文書に該当しない文書を印紙税の課税文書と誤認して収入印紙を貼り付けてしまったもの
- 印紙税の課税文書の用紙に収入印紙を貼り付けたものの、使用する見込みのなくなったもの
印紙税過誤納確認申請書に必要事項を記載して還付を受けてください。
印紙税過誤納確認申請書は税務署にも備え付けられていますが、YahooやGoogle検索で「印紙税過誤納確認申請書」と検索すればすぐにPDFが見つかります。
税務署に行く前に、あらかじめ書いていくと手続きが楽になります。
- もし間違って収入印紙を貼ってしまったらどうなりますか?
- 収入印紙をはがして再利用することはできません。
もし間違って貼ってしまったら、郵便局に手数料の5円を支払い、新品の収入印紙と交換することができます。
ただし、郵便局で交換できるのは、消印される「前」までです。
消印された「後」は一つ前のQ&Aの通り、印紙税過誤納確認申請書を税務署に提出してください。
- 契約解除があった場合、印紙税は還付されるの?
- 還付されません。
契約解除があった場合でも契約書を交わした事実がなくなるわけではないため、印紙税は還付されません。
そのため、実務では契約日に収入印紙の貼付け・押印をすることが多いです。
- 消印の仕方に細かい決まりはあるの?
- 細かい決まりはないです。
極端な話、収入印紙がなんらかの形で汚れていればそれで消印になります。
認印ぐらいは最低押しておきたいところですが、収入印紙の上から×印をするだけでも消印になります。