不動産を所有していると、近隣関係者から補償金を貰えることがあります。
例えば、隣に高層マンションが建設されて、日照妨害が起きれば隣の高層マンションの所有者から補償金を貰える可能性があります。
今回は、機能復旧補償金を貰って固定資産を取得をした時の税務上の処理方法を説明していきます。
機能復旧補償金を貰って固定資産を取得した場合の仕訳
まずは、機能復旧補償金を貰って固定資産を取得した場合の仕訳を事例で確認してみましょう。
機能復旧のために支出した費用が修繕費になる根拠について
法人が、その有する固定資産について電波障害、日照妨害、風害、騒音等による機能の低下があったことによりその原因者からその機能を復旧するための補償金の交付を受けた場合において、当該補償金をもってその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をしたときは、その取得又は改良に充てた補償金の額のうちその機能復旧のために支出したと認められる部分の金額に相当する金額は、修繕費等として損金の額に算入することができる。
引用:法人税基本通達7-8-7 機能復旧保証金による固定資産の取得又は改良
法人税基本通達7-8-7を根拠として、上記で説明した事例では、隣に高層マンションが建ってしまった故の電波障害にあたり、賃貸用マンションに機能低下があったことになるため、補償金額のうち、受信アンテナの設置という機能復旧のために支出した金額200万円は修繕費として経費に計上して良いことになります。
補償金を受けた年度に固定資産の取得が出来なかった場合の仕訳
原因者から補償金の交付を受けた事業年度終了の時までに、機能復旧のための固定資産の取得をすることができなかった時でも、翌事業年度に速やかに固定資産を取得することが確実な場合は、補償金額のうち、固定資産の取得に充てることが確実な金額は、固定資産を取得をする時まで「仮受金」として経理することができます(法人税基本通達7-8-7)。
補償金を受領して、翌期に機能復旧のための受信アンテナを設置した時の仕訳は以下のようになります。
【施工主からもらった機能復旧補償金】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 200万円 | 仮受金 | 200万円 |
【翌期の受信アンテナ設置時】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
修繕費 構築物 | 200万円 100万円 | 現金預金 | 300万円 |
【アンテナ設置時に行う仮受金の振替】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仮受金 | 200万円 | 雑収入 | 200万円 |
大切なのは、補償金の受入れによる「雑収入」と補償金を充当したことにより発生した「修繕費」を必ず同じ事業年度に処理して利益も損失も出ないようにすることです。
経費補償をするために交付された補償金がある場合の注意点
機能復旧補償金は、厳密に言うと、①固定資産の取得のために交付された補償金と②経費補償をするために交付された補償金の2つに区分されます。
そして、法人税法基本通達7-8-7で規定されている修繕費として計上できる補償金は、固定資産の取得のために交付された補償金の部分だけです。
仕訳で確認した方が分かりやすいので、以下の事例をご覧ください。
施工主からもらった機能復旧補償金300万円は、雑収入で計上されますが、固定資産の取得のために交付された補償金200万円しか修繕費に計上することはできません。
経費補償をするために交付された補償金100万円は、賃貸用マンションを所有している人が使途を自由に決められるお金になります。
よって、当期の経費として使用すれば、経費になりますが、翌期の経費として使用することもできますし、全く使用せずに蓄えることもできます。
経費補償をするために交付された補償金がある場合は、雑収入=修繕費にならないので注意しましょう。
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