弥生会計などの会計ソフトの進化により、近年では、現金仕訳の入力方法が多彩になっています

例えば、PDFや写真の画像から現金仕訳を作成してくれる方法や、エクセルに入力した現金仕訳をそのまま会計ソフトに取り込める方法などがあります。

ただ、中小企業(個人事業主を含む)では「どうやって新しい現金仕訳の入力方法を取り入れていくか?」の議論はなかなか進んでおらず、従来通り、取引の発生の都度、会計ソフトに人の手で現金仕訳を入力していくことが主流です。

そこで、今回は中小企業(個人事業主を含む)で行える最も効率的な現金仕訳の入力方法について考えていきたいと思います。

ちょっとの差で、あなたの会社(個人事業主の場合は事業)の現金仕訳の入力作業を一気に減らせるかも知れません。




この記事のポイント
  1. 作業効率が上がるかもしれない仕訳作成機能は会計ソフト(弥生会計など)に標準装備されている
  2. 現金の仕訳の入力方法には、①従来通り直接手で仕訳を入力する方法、②PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法、③エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法の3つがある。
  3. 仕訳入力担当者が経理初心者の場合、PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法を採用し、仕訳入力担当者が経理経験者の場合、エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法を採用すると効率的。

現金仕訳の入力効率化の鍵は会計ソフト内にある!

中小企業(個人事業主を含む)が1年間に行う仕訳は期中の①現金に関する仕訳と②預金に関する仕訳が大部分を占めています。

もし、現金に関する仕訳入力を効率化できれば、煩雑な現金取引入力作業が減り、経理担当者は早く家に帰れるようになりますし、経営者はかなりのコストをカットすることができます。

そして、現金の仕訳の入力を効率化することは会計ソフト会社が提供している標準機能を使用すればそれほど難しくありません

例えば、弥生会計の場合、「スマート取引取込」という機能を利用すれば、PDFや写真の画像から現金仕訳を作成することができますし、インポート機能を利用して、エクセルで作成した仕訳を簡単に取り込むことができます。

現金仕訳の入力方法(3つ)

現金仕訳の会計ソフトへの入力方法を確認しておきましょう。

仕訳の入力方法は以下の3つになります。

会計ソフトへの現金仕訳の入力方法
  1. 会計ソフトに人の手で仕訳を入力していく方法
  2. PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法
  3. エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法

会計ソフトに人の手で仕訳を入力していく方法

多くの中小企業で現行行われている従来通りの方法です。

領収書などの束を元に一つずつ会計ソフトに仕訳を入力していく方法です。

メリット
  1. 経理経験者ならば誰でも慣れている方法である。
デメリット
  1. 仕訳入力に時間がかかる
  2. 仕訳修正が生じた際に時間がかかる


会計ソフトに人の手で仕訳を入力する方法はまだまだ現役ですが、ひと昔前の仕訳入力方法になりつつあります。

作業の効率性を考えるならば、可能な限り、「PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法」又は「エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法」に切り替えていく方が良いでしょう。

PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法

スキャナーを利用して、領収書などをPDFや画像にし、それを会計ソフトに取り込む方法です。

PDFや画像を会計ソフトに取り込むと自動的に仕訳が出来上がります

メリット
  1. 会計ソフトに取り込んだ領収書等は、仕訳とともに確認できるので、入力後の仕訳の確認をする税理士、経理責任者には非常に便利
  2. PDFで取り込めば、紙の領収書等を保存する義務がなくなる場合がある
  3. 経理初心者の場合、会計ソフトが仕訳の推測をしてくれるので便利な場合がある。
デメリット
  1. 領収書等のPDFや画像を取り込むのに時間がかかる
  2. 自動的に仕訳が出来上がるが、仕訳の精度がそこまで高くない(個人的には60%~70%ぐらい)なので、取込み後の仕訳の修正が必要


一見、非常に便利そうですが、現状、日付・勘定科目・金額・摘要欄などあらゆるところで取込みミスが発生します

会計ソフト会社の研修で聞く限り、PDFや画像のデータを文字情報に変換するのは、かなり難しい技術みたいです。

PDFや画像を取り込む際には、一つずつ仕訳をチェックする時間が必要なり、結果的に入力担当者の作業時間は従来の方法と同じくらいになります

ただし、会計ソフトの仕訳入力欄に、取り込んだPDFや画像のデータが表示されますので、仕訳の確認作業をする税理士や経理責任者のチェック作業の時短に繋がり、仕訳の精度も向上します

エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法

最初に会計ソフトに整合するようなエクセルのフォーマットを作成し、そのエクセルの中に仕訳を入力していく方法です。

メリット
  1. 仕訳の入力がとにかく早くできる
  2. 仕訳の修正も非常に簡単である。
  3. 会計ソフトを使ったことがなくても仕訳の入力作業ができる(エクセル画面で仕訳を入力できるため)。
デメリット
  1. 様式を満たすエクセルファイルの作成が難しい


簡単に言うと、会計ソフト内で仕訳を入力するのは、非常に煩雑だから、エクセルで仕訳を入力してしまおうという方法です。

エクセルならば、経理初心者でも扱えますし、元々入力作業を速く・正確にするために開発されたソフトなので、非常に効率が良いです。

さらに、近年の会計ソフトのクラウド化により、直接会計手で会計ソフトに仕訳を入力する場合、仕訳入力時間とは別にクラウド上での仕訳判別時間がかかってしまい、効率が悪いです

もし、仕訳入力担当者の作業効率化を目指すならば、エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法は非常に便利です。

現金仕訳入力方法の採用基準

会計ソフトに人の手で仕訳を入力していく方法を採用している場合はすぐにでも変更を検討すべきでしょう。

仮に、変更する場合、「PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法」又は「エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法」のどちらの方法を採用すれば良いかは仕訳入力担当者の経理知識と実務経験により異なってきます。

仕訳入力担当者が経理初心者の場合

仕訳入力担当者が経理初心者の場合は、税理士・経理責任者が仕訳をすぐに確認できる状態を作らなければなりません

この場合は、PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法を採用します。

PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法ならば、税理士・経理責任者の仕訳確認の際に、仕訳入力担当が行った仕訳とともに領収書のPDFや写真が「会計ソフトに」表示されます

そのため、どの資料を元に仕訳入力されて、どこが間違っているか税理士・経理責任者は確認しやすくなりますので、仕訳の精度が格段に上がります。

また、PDFや写真の画像を会計ソフトに取り込む際に勘定科目の自動推定機能もあるので、経理初心者が仕訳入力担当をする際には、多少安心できます。

仕訳入力担当者が経理実務経験者の場合

仕訳入力担当者が勘定科目を判断できるぐらいの経理知識・実務経験がある場合、エクセルに入力した仕訳をそのまま会計ソフトに取り込む方法を採用します。

エクセルを利用することで、仕訳の入力時間を削減し、余った時間で入力後の仕訳の再チェック(以下、自己チェックといいます)を行わせた方が効率的ですし、細かいミスも防止できます。

私の会計事務所でもエクセルを利用した仕訳入力作業を実施していますが、仕訳入力担当者の自己チェックを含めても、PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法の3分の2程度の時間で作業が完了します。

ただし、元資料を税理士・経理責任者が会計システム上直接確認できないので、PDFや写真の画像から仕訳を作成する方法より多少仕訳の精度が落ちる可能性もあります