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土地建物の購入にかかる消費税区分|会計ソフト入力の注意点を税理士が解説

2026 6/09
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経理実務編(経理担当者向け)
2019年2月26日2026年6月9日
会計ソフトで土地・建物の購入に係る消費税を入力する時の注意点!

土地と建物を購入したとき、消費税の仕訳で手が止まった経験はありませんか?

「土地は非課税、建物は課税」というのは、何となく知っている方が多いでしょう。

しかし実際には、不動産取得税や登録免許税、仲介手数料、固定資産税の清算金まで、費用を一つずつ課税・非課税・不課税に分けなければなりません。これは意外と難しい作業です。

区分を間違えると、消費税の納税額がずれ、あとから修正申告が必要になることもあります。

この記事では、不動産業を専門とする税理士が、土地・建物の購入にかかる消費税区分を費用ごとに整理します。

あわせて、会計ソフト入力でつまずきやすい注意点まで、初心者の経理担当者にもわかるように解説します。

目次

土地・建物の購入時の消費税は「課税・非課税・不課税」の3つに分かれる

土地・建物の購入費用は、消費税の世界では「課税」「非課税」「不課税」の3つに分かれます。

まずは、この3区分の意味を押さえましょう。

課税

消費税がかかる取引です(建物の購入、仲介手数料など)。払った消費税は仕入税額控除(=預かった消費税から差し引く処理)の対象になります。

非課税

本来は課税の対象ですが、政策的に消費税をかけない取引です(土地、保険料など)。

不課税(対象外)

そもそも消費税の対象にならないものです(税金、給与など、モノやサービスの対価ではないお金)。

この3つを取り違えると、会計ソフトの消費税集計が狂い、納税額がずれます。

消費税のしくみ全体は、消費税の仕組みを初心者向けに解説した記事もあわせてご覧ください。

土地は非課税・建物は課税になる理由

土地の購入は非課税、建物の購入は課税です。実は、事業者が資産を売買するときは原則すべて課税で、そのなかで土地だけが例外的に非課税とされています。

理由は、土地が「消費されてなくなる」ものではなく、その売買が消費というより資本(財産)の移転に近いためです(消費税法 別表第二)。

建物は、この例外にあたらないため原則どおり課税されます。

土地・建物それぞれの扱いを表にまとめると、次のとおりです。

資産性質消費税区分
土地使っても価値が減らない(消費されない)非課税
建物時間とともに価値が減る(消費される)課税10%

土地と建物をまとめて買ったときは、代金を土地分と建物分に按分します。

按分とは、固定資産税評価額などの合理的な割合で代金を分けることです。消費税が含まれるのは建物分だけなので、按分を誤ると消費税額もずれます。

【早見表】土地・建物の購入時の費用別・消費税区分の一覧

土地・建物の購入時にかかる主な費用の消費税区分は、次の早見表のとおりです。

会計ソフトに入力する税コードも、あわせて確認しましょう。

費用消費税区分会計ソフトの税コード
土地の購入代金非課税非課税仕入
建物の購入代金課税10%課税仕入10%
仲介手数料課税10%課税仕入10%
司法書士報酬課税10%課税仕入10%
登録免許税不課税対象外
不動産取得税不課税対象外
印紙税(収入印紙)不課税対象外
固定資産税・都市計画税の清算金建物分は課税・土地分は非課税区分して入力
火災保険料・地震保険料非課税非課税仕入

税金(登録免許税・不動産取得税・印紙税)は不課税、保険料は非課税になる点が、特に間違えやすいところです。

不動産取得税・登録免許税・印紙税は「不課税(対象外)」

不動産取得税・登録免許税・印紙税は、消費税の不課税(対象外)です。勘定科目は租税公課を使います。

これらは国や自治体に納める税金です。モノやサービスの対価ではないため、消費税の対象になりません。会計ソフトでは税区分に「対象外」を選びます。

ただし、これらの税金は会計ソフトへの入力でつまずきやすいポイントがあります。特に間違えやすい3つを、次にまとめました。

  • 登録免許税を課税仕入で入力してしまう:税金は不課税です。租税公課+対象外が正解。
  • 司法書士の請求書にある登録免許税まで課税にしてしまう:司法書士の請求書には、司法書士が代わりに納めた(立て替えた)登録免許税と、司法書士自身の報酬がまとめて記載されます。このうち立替えた登録免許税は対象外(不課税)で、課税仕入になるのは司法書士報酬だけです。
  • 金券ショップで買った収入印紙を非課税のままにする:収入印紙が非課税になるのは、郵便局や法務局など決められた場所で買った場合だけです(消費税法 別表第二)。金券ショップはこの「決められた場所」に当たらないため、そこでの印紙の売買は普通の商品の売買と同じ扱いになり、課税仕入(消費税10%の対象)になります。

固定資産税・都市計画税の清算金は建物分だけ課税

固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に、1年分がまとめて課されます。

そのため、年の途中で不動産を売っても、納税義務は1月1日に所有していた売主に残ります。買主には、その年の固定資産税を納める義務はありません。

そこで、引き渡し日を境に1年分を日割りし、引き渡し後の期間に対応する分を買主が売主に支払って調整します。このお金が固定資産税・都市計画税の清算金です。

固定資産税・都市計画税の清算金は、売主が課税事業者なら建物分だけが課税、土地分は非課税です。

固定資産税・都市計画税の清算金は税金の立替ではなく、売買代金の一部として扱われます。そのため建物分は課税、土地分は非課税になります(国税庁質疑応答「未経過固定資産税等の取扱い」)。

仲介手数料・司法書士報酬とインボイス(適格請求書)

仲介手数料と司法書士報酬は課税仕入です。仕入税額控除を受けるには、適格請求書(インボイス)の保存が必要です。

適格請求書とは、登録番号などが記載された正式な請求書のことです。

2023年10月のインボイス制度開始後、仕入税額控除(=払った消費税を差し引く処理)には、原則これが必要になりました。不動産会社や司法書士の登録番号を必ず確認しましょう。

会計ソフトで税区分を正しく入力する手順

会計ソフト(弥生会計・freee・マネーフォワードなど)は、勘定科目を選ぶと税区分が自動で入ります。ふだんの取引は、これでほぼ正しく処理できます。

ただし、この自動設定は「その勘定科目でいちばん多い税区分」を当てているだけです。

土地・建物の購入のように、ひとつの取引のなかに課税・非課税・不課税が混ざる場合は、自動のままだと区分を間違えます。

そこで土地・建物の購入では、自動で入った税区分を鵜呑みにせず、手動で確認・上書きします。具体的には、次の4つのステップで税区分を確認・修正しましょう。

STEP
土地と建物に按分する

不動産売買契約書の建物の消費税金額の記載や固定資産税評価額をもとに、代金を土地分と建物分に分けます。

STEP
各科目の税区分を確認する

それぞれの費用が課税・非課税・不課税のどれに当たるかを、一つずつ確認します(上の早見表が目安になります)。

STEP
自動設定を上書きする

ソフトが付けた税区分が違う場合は、手動で正しい区分に直します。

STEP
消費税区分を再確認する

最後に、各行に正しい税区分(課税仕入・非課税・対象外)が付いているかをもう一度見直します。

土地・建物購入の仕訳例(具体的な数字)

具体的な数字で、土地・建物購入の仕訳を見てみましょう。

前提として、法人が事業用に次の不動産を現金で購入したケースを考えます(不動産取得税は後日納付)。

  • 土地:5,000万円(非課税)
  • 建物:2,200万円(うち消費税200万円)
  • 仲介手数料:237.6万円(うち消費税21.6万円)
  • 登録免許税:30万円(不課税)
借方金額貸方金額
土地5,000万円現金預金7,467.6万円
建物2,000万円
支払手数料216万円
租税公課30万円
仮払消費税221.6万円

土地5,000万円と登録免許税30万円には、消費税が含まれません。そのため仮払消費税は、建物分200万円+仲介分21.6万円=221.6万円だけになります。

借方の合計(5,000+2,000+216+30+221.6=7,467.6万円)と、貸方の現金預金が一致します。

なお、登録免許税や仲介手数料を建物の取得価額に含めるか経費にするかは、消費税区分とは別の論点です。詳しくは不動産取得時の付随費用の勘定科目を解説した記事を、購入時にかかる税金や費用の全体像は不動産購入の税金・諸費用ガイドをご覧ください。

まとめ:消費税区分を正しく分けて納税額を守る

土地・建物購入の消費税は、費用ごとに課税・非課税・不課税を分けることが何より大切です。最後にポイントを整理します。

  • 土地・保険料・税金は消費税がかからない(非課税または不課税)。
  • 課税仕入になるのは建物・仲介手数料・司法書士報酬。ただし司法書士の請求書にある立替えの登録免許税は消費税対象外。
  • 固定資産税・都市計画税の清算金は、建物部分だけ課税。
  • 会計ソフトの自動税区分は必ず手動で確認・上書きする。

不動産の税務は、判断に迷う場面が多いものです。不動産業を専門とする税理士に相談すれば、消費税区分の誤りや申告漏れを防げます。

よくある質問(土地・建物購入の消費税)

最後に、土地・建物の購入にかかる消費税について、経理担当者からよく寄せられる質問をまとめました。

土地の購入に消費税はかかりますか?

土地の購入は非課税で、消費税はかかりません。土地は消費されない資産のため、消費税法で非課税とされています。

登録免許税や不動産取得税の消費税区分は?

どちらも不課税(対象外)です。税金は対価ではないため、消費税の対象になりません。勘定科目は租税公課を使います。

固定資産税の清算金に消費税はかかりますか?

清算金は売買代金の一部なので、建物分にはかかり、土地分にはかかりません。買主は「土地か建物か」の区分で判断します。

会計ソフトの税区分は自動でつくのに、なぜ確認が必要ですか?

ソフトは勘定科目ごとに標準の税区分を自動設定しますが、土地・建物の購入は例外が多く、自動設定のままだと間違うことがあるためです。

経理実務編(経理担当者向け)
リライト済み2026-06 経理実務編(経理担当者向け)
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