この記事の対象者
  1. 節税対策を考えている個人事業主や法人経営者
  2. 期末間際で利益が出過ぎてしまった個人事業主や法人経営者
  3. 小規模企業共済が節税対策になることを知らない人




小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、従業員が一定以下の個人事業主又は会社の役員のみしか入ることができない、国が設立した経営者のための退職金制度です。

なお、経営者のための退職金制度なので、小規模企業共済は兼業で事業を行っているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)は加入することができません

例えば、不動産賃貸業をサラリーマンと兼業で営んでいる人は加入することが出来ません。

ただし、その場合でも法人を設立して役員となれば、小規模企業共済に加入出来る可能性が残ります

小規模企業共済に加入するメリット

小規模企業共済に加入する最も大きなメリットは、節税対策になるということです。

小規模企業共済に加入することは、類似の商品である民間の個人年金保険に加入することと比較にならない程の節税効果があります。

小規模企業共済がどのような時に節税対策になるのかについては以下の2つが挙げられます。

  • 掛金を積み立てたときに節税対策になる
  • 積み立てた掛金を受け取ったときに節税対策になる

掛金を積み立てたときに節税対策になる

小規模企業共済の掛金は月額1千円~7万円の範囲で選ぶことができます。

年額に換算すると1万2千円~84万円の範囲で掛金を支払うことになるのですが、小規模企業共済等掛金控除として、全額所得から控除できます。

つまり、掛金として支払った金額全額を経費に計上できるのとほぼ同じ効果を得ることができます。

仮に、小規模企業共済の掛金を年額84万円を支払い、税率が30%だったとしたら、それだけで25万円程(84万円×30%)の節税対策になる(=納税額が減る)ということになります。

また、掛金は自分の財政状態に合わせて自由に増減させられるので、自己資金の状況を判断して掛金を簡単に調整でき、非常にお手軽な節税対策になっています。

しかも、掛金は退職金に充てられるために積み立てられ、廃業した時や65歳になったときに退職金として利息込み(1%複利程度)で受け取ることができます

さらに、掛金を年払いで支払うと、加入した月以降の1年分の掛金を前払いしたことになりますが、その場合、前払いした掛金全額が、「払い込んだ年」の所得控除の対象となります。

つまり、期末間際であなたが、「今年は利益が多すぎるぞ」と思った時に掛金を前払いすれば、払った金額分だけ所得控除の対象になる(=経費を増やすことができる)訳です。

積み立てた掛金を受け取ったときに節税対策になる

積み立てた掛金は廃業したときや、65歳になったときに退職金として一括で受け取ることができます。

退職金で一括で受け取るということは、所得税の軽減措置を受けることができます。

よって、所得税の退職所得控除額(20年目までは40万/年、21年目以降は70万/年)を考慮して、毎年小規模企業共済の掛金を決めておけば、1円も税金を払わずに済みます。

万が一、退職所得控除額を超える掛金額を設定していても、所得税の退職所得の計算の最後で所得を2分の1にする仕組みがあるので、他の所得(給与所得や不動産所得)に比べて納税額は格段に下がります

小規模企業共済には貸付け制度もある

小規模の事業者の場合、不景気時には事業上の資金繰りが苦しい時もあります。

仮に、小規模企業共済に加入している事業者の資金繰りが悪化した場合は、すでに支払っている掛金の累積金額の範囲内で貸付けを受けられる制度があります

小規模企業共済に対する掛金として自らが事前に貯めていたお金を借り受けることで、事業の資金繰りを改善できるオプションを残せるため、この意味でも小規模企業共済に加入しておくメリットはあるでしょう。