この記事の対象者
  1. 研修費、セミナー参加費の経費計上の可否について知りたい人
  2. 資格取得費用の経費計上の可否について知りたい人
  3. 会社で報奨金規程を作成して節税をしたい人




研修費、セミナー参加費、資格取得費の勘定科目と消費税

研修費、セミナー参加費、資格取得費は教育研修費、教育訓練費、採用教育費などの経費の勘定科目で処理されます

勘定科目については、会計ソフト(弥生会計やFreeeなど)に最初から登録されているものを利用すれば問題ありません

ただし、もし勘定科目にこだわりがないのであれば、教育訓練費の科目名で仕訳をすることをお勧めします

社員教育は社会全体の競争力維持のためにも大事なので、税法上も、一定の社員教育にかかった費用(講師謝金、施設使用料、研修委託費、外部研修参加費等)について税額控除の対象として認めています(要は税金が安くなります!)。

税法上採用されている名前が「教育訓練費」のため、その名前に合わせておけば、経理所員・税理士等の複数の人の認識を合わせやすいです。

次に、研修費、セミナー参加費、資格取得費の消費税ですが、基本的に課税取引に該当し、仕入税額控除の対象になります

消費税の設定は、会計ソフトに勘定科目と紐付けで最初から登録されているので問題になることはないでしょう

ただし、学校等の教育機関が行う研修などは、一部消費税が非課税の場合がありますので、該当する案件がありそうな場合は、領収書の消費税欄をきちんと確認して、会計ソフトの消費税区分を変更してください

経費計上の可否の判定について

研修費、セミナー参加費、資格取得費を実際に経費計上できるかどうかは事業関連性があるかどうかで判断することになります。

事業に関係のないセミナー等にいくら参加しても経費に計上することはできません。

仮に所得税(個人事業主の場合)や法人税(会社の場合)の経費として研修費、セミナー参加費、資格取得費を申請していても、税務調査で事業に関係がない経費だと分かれば、否認されることになります。

経費計上の可否の一問一答

研修費、セミナー参加費、資格取得費で経費計上できるものできないものを事例で確認することにより、税務署から否認されない判断の指針ができるようしましょう。

自己啓発セミナーや営業スキルアップ研修などの参加費は経費になりますか?
自己啓発セミナーの参加費は経費になりません

営業スキルアップ研修の参加費が経費になるかは、ケースバイケースだと考えられます。

そもそも、事業関連性があるかどうかは外部からでは非常に分かりにくいです。

その意味では、事業関連性がある合理的な理由を説明できるのなら、個人事業主でも会社でもセミナーや研修費用を経費計上していても問題ないと考えられます。

ただし、それでも、自己啓発セミナー参加費と本業の事業関連性は著しく薄く経費に計上できないと考えられます。

また、個人事業主よりも、会社の方が事業関連性の合理的な説明はしやすいです。

個人事業主の場合、セミナーや研修の参加決定の主体が個人事業主「本人」なのに対し、会社の場合、セミナーや研修の参加決定の主体は「会社(第三者)」です。

つまり、会社の場合は、第三者がそのセミナーや研修に行くことが事業との関連性があり合理的と判断している訳です。

税理士や税務調査官からすれば、本人に事業関連性を評価してもらうより、第三者が事業関連性を評価している方が説得力は高くなると考えらます。

確定申告をスムーズにするための研修や税金対策のためのセミナーは経費になりますか?
事業との関連が強いので当然に経費になると考えられます。
新規事業を立ち上げるためにいろいろなセミナーに参加する場合の費用は経費になりますか?
事業関連性は立ち上げの段階により異なるので、経費計上はケースバイケースになります。

なにをするかまだ未定でとりあえずいろいろなセミナーに参加して情報収集しているだけだと、まだ本業ではないセミナーに参加しているだけなので、事業関連性が乏しいと判断され、経費計上が否認される可能性は高いです。

日商簿記3級や日商簿記2級など経理に関係のある資格を取るための予備校の受講料は経費になりますか?
個人事業主の場合、資格取得費を経費にするのは難しいと考えられます。

日商簿記3級や日商簿記2級などの予備校の受講料はあくまで個人スキルを高める資格を取るための経費であり、事業関連性は薄いからです。

ただし、会社の場合の資格取得費の経費計上の判断はケースバイケースだと考えられます。

例えば、日商簿記3級や日商簿記2級を持っている人員の数は上場企業の内部統制では重要な指標の一つとなっています。

それに合わせて、会社が日商簿記3級の取得のための費用を補填すると言えば、もはや個人スキルを高めるために資格を取るのではなく、事業に関係があるから資格を取得することになり、事業関連性は十分にあると考えられます。

極端な例でしたが、会社の場合は会社が従業員に資格を取って欲しいから資格取得費を負担するのであり、その費用が経費にならないというのは、なかなか難しいようにも考えられます(ここは私見です)。

会社の報奨金規定を利用した節税対策について

資格取得費は会社の場合、経費になるかケースバイケースだとお話ししました。

ところで、例えば、不動産会社ならば、当然に、宅地建物取引士を持っている人が多い方が良い訳で、会社側で、「合格者に報奨金を出します!」という規程を作っているところも多いはずです。

この報奨金規程ですが、全従業員を対象にしていれば報奨金を経費に算入できることになります。

しかも、もらった側(従業員)も税金は課税されません

これだけでも色々メリットがありますが、さらに言うと、「もしあなたが家族で会社を経営しているのならば、報奨金規程を作って、全従業員を対象にすれば、仮に奥さんやお子さんでも、報奨金を支払うことができることになりちょっとした節税になりますよ!」ということになります。

ちなみに、報奨金規程を作成せずに、報奨金を出すと、会社側では報奨金を経費に計上できないばかりか、従業員側では給与課税されるという2重苦になるので気を付けてください。