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おさる先生の授業 3分 詳しい説明 5分 |

おさる先生、個人で事業を営んでいる場合でも、会社のときと同じように事業税がかかるって聞いたんだけどホント?

個人事業税のことだね。
個人事業主として行っている業種にもよるけど、利益が290万円以上あればほぼ間違いなく課税されるよ。

そうなの?
個人事業主の場合は、所得税と住民税だけ払えば良いと思っていたよ。

免税点が290万円と高額なだけに意外と知られていないんだよ。
ざっくり計算するとしたら(利益の金額―290万円)✕5%の税額だから覚えておくといいよ。

おさる先生、ありがとう。
個人事業税とはなにか
個人事業税とは、個人事業主が営む事業にかかる税金です。
個人事業税の課税対象になるかならないかについて、本業か副業かの区別はありません。
ほぼすべての事業が個人事業税の対象になっており、個人事業主で290万円以上の利益が出ている場合、大抵は個人事業税の対象になります。
ただし、東京都で不動産賃貸業を営んでいる場合、アパート・マンションの部屋数が10室未満などのときは個人事業税の課税対象になりません(都道府県で多少の違いあり)。
詳しい課税対象は「個人事業税 〇〇県(都道府県名)」でYahoo検索してみて下さい。
都道府県のホームページに課税対象となる事業が掲載されています。
申告・納税時期と方法
- 個人事業税の申告
- 毎年3月15日までに前年の事業の所得などを、都道府県税事務所に申告します。
ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした人は個人事業税の申告をする必要はありません。
この場合には、所得税や住民税の申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入してください。
- 個人事業税の納税時期と納税方法
- 8月と11月の年2回納税しなければなりません。
8月に納税通知書が届きますので、個人事業主はなにもしなくて大丈夫です。
初めて個人事業税を納める場合は、都道府県の事務処理が遅れる場合があります。
ただし、その場合は、納税通知書に記載されている納期も遅くなりますので安心してください。
納税方法は、都道府県税事務所の窓口、口座振替、コンビニエンスストア、クレジットカード、金融機関のATMなどが選べます。
税率
一般的な業種では5%です。
計算方法
- 事業所得又は不動産所得=収入―経費
- 課税標準額=事業所得又は不動産所得+65万円(青色申告特別控除の戻し分)―290万円(事業主控除額といいます)
- 個人事業税=課税標準額✕5%(税率)
個人事業税の計算例
- 7月31日に開業した個人事業主の本年度の事業収入は500万円、事業経費は100万円、青色申告特別控除65万円、専従者なしだった場合の個人事業税の納税額を求めなさい。
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【解答】
個人事業税は12.7万円である。【解説】
事業所得=500万円-100万円-65万円=335万円課税標準額=335万円+65万円-(290万円×6か月÷12か月)※=255万円
個人事業税=255万円×5%=12.7万円(百円未満端数切捨て)
※事業主控除の290万円は1年分の控除額。7月開業なので、6か月分しか控除できない。なお、月末開業の場合でもその月から月数は数えられるため今回は6か月。
個人事業税の仕訳
所得税・住民税は経費にできないのに対して、個人事業税は経費に算入できます。
個人事業税は全額を「租税公課」という勘定科目で処理するといいでしょう。
なお、消費税の納税義務者で仕訳で区分を聞かれる場合は「不課税」として処理してください。
税金(個人事業税)を払って消費税が課税されることはありえません。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
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租税公課
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127,000円
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現金または預金
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127,000円
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