この記事の対象者
  1. 所得税の確定申告を間違ったしまった場合の事後処理方法と影響額を知りたい個人事業主
  2. 法定納期限までに申告書の作成が終わらない場合の最善策を知りたい個人事業主




所得税の確定申告を間違った時の加算税について

個人事業主は、2月16日~3月15日までの間に所得税の確定申告を税務署に提出しなければなりません

ただし、所得税の確定申告書を3月15日までに税務署に提出しても、残念ながら確定申告が完全に終わっていない場合があります

書式がきちんと整った所得税の確定申告書ならば、税務署は基本的にどんな確定申告書でも受け取ってくれます。

しかし、申告納税方式を採用しているため、確定申告の内容については税務署の受付では全く確認されていません

所得税の確定申告とは1年間の個人事業主の業績を確定させる業務なので、ちょっと間違ったからすぐ修正するということは非常に難しいものです。

勿論、修正申告という制度があり、決算を間違ってしまったから確定申告書を直したいということ自体は可能です。

どんなに注意していても、間違い自体は発生してしまいますし、当然税務署もそんなことにいちいち目くじらを立てたりしません。

間違ったら直せば良いだけです。

ただし、所得税の確定申告を間違ってしまったために、申告期限後に確定申告書を修正する場合は、申告期限までに正しい確定申告書を提出した人との関係で加算税を受けることになります

今回は確定申告を間違ってしまった時の加算税について見ていきましょう。

申告期限までに納税した金額が正しい納税額より多い場合

申告期限までに納税した金額が正しい納税額より多かった場合、それほど大きな問題はありません。

確定申告の内容に間違いがあり、申告期限までに納税した金額が正しい納税額より多かった場合は、更生の請求という手続きができ、納税し過ぎた分の税金を税務署から返還してもらえます。

更生の請求ができる期間は、法定申告期限から5年以内です。

なお、仮に個人事業主が更生の請求をして、税務署から払い過ぎた税金分を返還してもらえたとしても、返還してもらえる金額は税金を払い過ぎた部分だけです。

個人事業主が誤って税金を納め過ぎているだけなので、税務署から還付加算金を付けてもらえません。

結果として、誤って払い過ぎた税金部分については、更生の請求をして税務署から返してもらうまでの間、事業資金として使用できないので、個人事業主としては、多少の不利益を被る結果になるでしょう。

正しい納税額が申告期限までに納税した金額より多い場合

所得税の申告漏れが発生している状態なので、気づいたら一刻も早く修正申告をする必要があります。

ペナルティーとしては過少申告加算税を受ける可能性があります。

過少申告加算税は基本的に増加した税金分の10%相当額です。

ただし、原則として、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

また、税務署の調査の事前通知を受けてしまった後、調査を受ける前に修正申告をした場合の過少申告加算税は5%になります。

ちなみに、意図的に帳簿書類の隠匿、虚偽記載等を行い納税額を減らしている場合、重加算税という加算税の対象になります。

重加算税の税額は35%です。

さらに、所得税の申告漏れが発生している場合は、法定納期限の翌日(3月16日)から修正申告分の納付日までの間の延滞税を支払うことになります。

延滞税の税率は、修正申告書を提出した日の翌日以降2か月経過する日までは約3%、それ以降は約9%で計算されます。

もし法定納期限までに確定申告が間に合わない場合

あまり考えたくありませんが、法定納期限(3月15日)までに確定申告が間に合わない場合もあるかもしれません。

その場合の最善の策は、本来の納税見込額より税務署に支払う金額が多くなるように概算の確定申告書を作成して、納税まで行い、後日確定版の確定申告書ができた時点で更生の請求をかけることでしょう。

より良い方法を順番にあげていくと、更生の請求(本来の納税額より実際の納税額の方が多い状態)>修正申告(実際の納税額より本来の納税額の方が多い状態)>無申告(申告書を提出しない)です。

特に確定申告の法定期限(3月15日)までに確定申告書を提出しない無申告の場合は、青色申告の取消しという非常に重い処罰を受ける可能性があります。

どうしても、3月15日までに確定申告書が作成できなくても、できる限りの努力をすることが、経営上のリスクを減らすことになるでしょう。