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休眠会社の法人住民税・均等割は免除できる?手続き3ステップを税理士が解説

2026 6/12
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会社の税金
2017年2月2日2026年6月12日
赤字の会社の住民税

「会社を休眠させたのに、法人住民税の均等割・年7万円の納付書が届いた…」と驚いていませんか?

均等割は赤字でも休眠中でも原則かかる税金ですが、休業の届出をすれば課税されなくなる可能性があります。

この記事では、休眠会社の均等割が免除される条件と手続き、申告をやめてしまうリスクまで、税理士が初心者向けにわかりやすく解説します。

目次

休眠会社でも法人住民税の均等割は原則かかる

休眠会社にも、法人住民税の均等割は原則としてかかります。

会社が登記上存続している限り、税金のルール上は「会社が存在する」ものとして扱われるためです。

法人住民税とは、会社が都道府県や市区町村に納める地方税です。

中身は2階建てになっており、利益に応じてかかる「法人税割」と、利益がゼロでも会社の存在そのものにかかる「均等割」に分かれます。

休眠会社

休眠会社とは、解散の手続きをせずに事業活動を止めて眠らせている会社のことです。登記上は存続しています。

法人税割

法人税割とは、法人税の額に応じてかかる住民税です。赤字で法人税がゼロなら、法人税割もゼロになります。

均等割

均等割とは、資本金や従業者数に応じた固定額の住民税です。赤字でも休眠中でも原則かかります。

金額は自治体と会社の規模で決まります。

東京都主税局によると、東京23区内に本店があり資本金等1千万円以下・従業者50人以下の会社の場合、均等割は年7万円(都の分2万円+特別区の分5万円)です。

均等割は「会社という器を持っていることへの会費」のような税金です。事業をしていなくても、器が残っている限り請求され続けます。

ここまでが原則です。次は、この均等割が例外的に課されなくなる「免除の条件」を見ていきます。

均等割が免除される条件は「事業活動が一切ないこと」

均等割の免除は、事業活動とお金の動きが一切ないことが大前提です。

均等割は「都道府県や市区町村に事務所や事業所がある法人」に課される税金です。

そのため、事業の実態がまったくなければ課税の前提を欠く、と判断される余地があるのです。

  • 売上がまったくない(取引を完全に停止している)
  • 経費の支払いがない(家賃・給与・外注費などがゼロ)
  • 会社名義の預金の動きがない(入出金ゼロ)
  • 従業員を雇っていない

ただし、免除されるかどうかの最終判断は自治体(都税事務所・市区町村)が行い、取り扱いも自治体ごとに異なります。

「届出を出せば必ず免除される」とは言い切れないため、必ず事前に窓口へ確認してください。

預金利息がわずかに入金されるだけでも「お金の動きあり」とされる場合があります。休眠前に、口座の扱いも含めて自治体に確認しておくと安心です。

条件を満たせそうなら、次の3か所への届出に進みましょう。

均等割免除の手続き3ステップ【休業届の出し方】

手続きは、税務署・都道府県税事務所・市区町村役場の3か所に「休業」の届出をするだけです。届出自体に費用はかかりません。

STEP
税務署に届け出る

「異動届出書」を提出し、休業する旨と休業日を記載します。従業員や役員に給与を払っていた場合は「給与支払事務所等の廃止届出書」もあわせて提出します。

STEP
都道府県税事務所に届け出る

「異動届出書」を提出します。東京23区内の会社は、所管の都税事務所への届出で都の分・特別区の分の両方の手続きが完了します。

STEP
市区町村役場に届け出る

東京23区外など市町村に事務所がある会社は、市役所・町村役場にも届出をします。様式の名前は自治体によって異なるため、窓口で確認しましょう。

提出の際に「これで均等割は課税されなくなる認識でよいか」を窓口で確認しておくと、後から納付書が届くトラブルを防げます。

届出で会社の維持コストは大きく下がります。とはいえ、そもそも休眠と廃業のどちらが自社に合うかも、ここで一度比較しておきましょう。

休眠・解散・放置はどれを選ぶ?【比較】

事業を再開する可能性が少しでもあるなら休眠、完全にやめる決断ができているなら解散・清算が向いています。何もしない「放置」だけは避けるべき選択肢です。

選択肢概要メリットデメリット
休眠(休業届)会社を残したまま事業を停止する費用がほぼゼロ/再開しやすい/許認可を維持できる申告義務や登記の管理は続く
解散・清算法的な手続きで会社を消滅させる税金や登記の管理から完全に解放される登記の登録免許税(合計4万1,000円)や官報の解散公告費(約4万円)などの実費と手間がかかる
放置(何もしない)届出も登記もせず放っておくなし均等割が課され続ける/みなし解散のリスク

休眠を選んだ場合に毎年いくらかかるのか、具体的な数字で確認します。

休眠中の税金はいくら?均等割の計算例

東京23区内の小さな会社なら、均等割は年7万円。届出をせずに5年放置すると合計35万円です。

例として、資本金300万円・東京23区内・従業者なしの会社で計算してみます。

区分5年間の均等割
休業の届出をせず放置した場合7万円×5年=35万円
休業の届出が認められた場合0円

なお、期の途中で休業した場合の均等割りは、事務所があった期間に応じた月割り計算になる自治体が一般的です(暦に従って計算し、1か月未満の端数は切り捨てなど)。

詳細は自治体にご確認ください。

会社名義の不動産があると、固定資産税は休眠中でも毎年かかります。固定資産税には休業による免除の仕組みがないため、不動産を保有する会社(不動産管理会社など)は、物件をどうするかも含めた検討が必要です。

税金は抑えられても、申告の義務まで消えるわけではありません。

次は、もっとも誤解の多い「休眠中の申告」についてです。

休眠中も確定申告は必要|申告をやめる3つのリスク

会社が休眠しても、法人税や法人住民税・法人事業税の確定申告の義務はなくなりません。

「休眠中は申告しなくていい」と聞いたことがあるかもしれません。

たしかに実務では、休業届を出して完全に眠っている会社が申告をしていないケースも見られます。

しかし、法人税法第74条は「内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告書を提出しなければならない」と定めており、記載すべき事項には赤字(欠損金額)の場合も含まれています。

所得がゼロでも、申告義務そのものが法律上なくなるわけではありません。

法人住民税や法人事業税(地方税)にも、地方税法にもとづく申告義務があります。

休業の届出をして均等割が課されない扱いになった場合に住民税の申告をどうするかは、自治体の取り扱いに従ってください。

「どうせ売上ゼロだから」と申告をやめてしまうと、次の3つのリスクがあります。

  • 青色申告が取り消される:2事業年度連続で期限内に申告書を提出しないと、青色申告の承認が取り消されます(国税庁の事務運営指針)。
  • 赤字の繰越(欠損金の繰越控除)が使えなくなる:欠損金の繰越控除(=過去の赤字を最長10年間繰り越して、将来の黒字と相殺し税金を減らせる仕組み)は、連続して確定申告書を提出していることが条件です。
  • 再開時の信用に響く:融資や新規取引の際に決算書・申告書の提出を求められ、空白期間があると説明に苦労します。

休眠中も「売上ゼロの申告」を毎年続けるのが安全です。

国税庁のタックスアンサーNo.5762でも、欠損金の繰越控除は連続して確定申告書を提出している法人が要件とされています。

申告とあわせて、登記まわりにも見落としがちな期限があります。

12年放置で「みなし解散」|登記の注意点

最後の登記から12年が経過した株式会社は、解散したものとみなされる制度があります(みなし解散)。

法務省は毎年、長期間登記のない会社の整理作業を行っています。

対象になると法務大臣の官報公告と登記所からの通知が行われ、2か月以内に役員変更などの登記申請か「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしないと、みなし解散の登記がされます(会社法第472条)。

  • 取締役の任期は最長10年。休眠中でも任期が来たら役員変更(重任)の登記が必要です。
  • 本来の時期に登記を怠ると、100万円以下の過料の対象になります。
  • みなし解散の登記後でも、3年以内なら株主総会の特別決議で会社を継続できます。

最後に、この記事の要点を整理します。

まとめ|均等割は「休業の届出」、会社は「申告の継続」で守る

  • 休眠会社にも均等割は原則かかる(東京23区の小規模法人で年7万円)
  • 免除の鍵は事業活動・お金の動きが一切ないこと。税務署・都道府県税事務所・市区町村の3か所へ休業を届け出る
  • 免除の最終判断は自治体ごとに異なるため、必ず事前に窓口へ確認する
  • 休眠中も申告は継続し、青色申告と欠損金の繰越を守る
  • 12年放置でみなし解散。役員変更登記も忘れない

休眠会社の均等割の免除は、届出のタイミングや自治体ごとの取り扱いで結果が変わります。

不動産を保有する会社は固定資産税や再開時の税務の論点も絡むため、判断に迷ったら不動産業を専門とする税理士にご相談ください。

よくある質問

休眠会社が無申告のままだとどうなりますか?

2事業年度連続で期限内に申告しないと青色申告が取り消され、欠損金の繰越控除も使えなくなります。

また、均等割が免除されていない状態で申告・納付を放置すると、延滞金がかかります。

売上ゼロでも申告を続けるのが安全です。

東京都では均等割の免除はどう手続きしますか?

所管の都税事務所に「異動届出書」で休業の旨を届け出ます。

東京23区内の会社は都税事務所への届出で手続きが完結します。

免除されるかどうかの判断は都税事務所が行うため、事前に窓口へ確認してください。

期の途中で休業したら均等割は月割りになりますか?

事務所等があった期間に応じた月割り計算となる自治体が一般的です。

計算方法や端数処理は自治体ごとに異なるため、所管の窓口にご確認ください。

事業を再開するときはどんな手続きが必要ですか?

税務署・都道府県税事務所・市区町村役場に、再開の異動届出書を提出します。

青色申告が取り消されていた場合は、適用したい事業年度の要件に合わせて「青色申告の承認申請書」も忘れずに提出しましょう。

出典・参考

  • 東京都主税局「法人事業税・法人都民税」
  • 法務省「休眠会社等の整理作業(みなし解散)について」
  • 国税庁タックスアンサーNo.5762「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」
  • 国税庁「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」
  • 法人税法第74条(e-Gov法令検索)
会社の税金
リライト済み2026-06 会社の税金
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