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不動産賃貸業を営む会社の消費税の考え方について

2025 8/10
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小規模不動産会社のマニュアル
2025年7月22日2025年8月10日
不動産賃貸業を営む会社の消費税の考え方について

公認会計士・税理士事務所を10年経営して、また、自分が実際に不動産業務に関わってきた知識や経験を活かして、「不動産業を営む小規模会社の経理・税務マニュアル」をまとめてみたいと思いました。

今回は、その第13回目で、不動産賃貸業を営む会社の消費税の考え方についてまとめます。

目次

消費税の課税事業者について

資本金1,000万円以下の小規模会社で消費税が課税される要件は、「基準期間」における「課税」売上高が1,000万円超の場合です。

「基準期間」とは、前々年度のことをいいます。

例えば、3月末決算の会社で、当年度の期間が2025年4月1日~2026年3月31日ならば、2023年4月1日~2024年3月31日の期間の課税売上高が1,000万円超かどうかで消費税の課税・免税が判断されることになります。

ただし、上記の例で、2024年4月1日~2024年9月30日までの半年間で①課税売上高が1,000万円超ある、かつ、②支払った給与が1,000万円超の場合は、2023年4月1日~2024年3月31日の期間の課税売上高が1,000万円以下でも、2025年4月1日~2026年3月31日の期間は消費税課税事業者になるので注意が必要です(消費税の「特定期間」の規定に抵触するため)。

なお、「課税」売上高とは、消費税が課税される売上高のことです。

不動産賃貸業を営む会社では、事業用の不動産の貸付け(駐車場・事務所・倉庫等)にかかる家賃は課税売上高に該当しますが、居住用の不動産の貸付け(住居)にかかる家賃は課税売上高に該当しません。

よって、不動産賃貸業を営む会社の場合、事業用の不動産の貸付け(駐車場・事務所・倉庫等)にかかる家賃が1年間にいくらあるかで、消費税課税事業者になるかどうかが決まります。

まずは、ご自身の会社が消費税課税事業者に該当するのかどうかを確認しましょう。

消費税免税事業者でも、税務署に「消費税課税事業者届出書」という書類を提出することにより課税事業者になることはできます。
インボイス制度の導入もあり、免税事業者が課税事業者になる事例も増えています。
ただし、不動産を所有している場合の消費税の制度は大変複雑になりますので、出来れば消費税課税事業者にならない方が良い場合が多いです(課税事業者になって多額の還付を受けられるならば話は別ですが…)。

不動産賃貸業を営む会社の消費税で問題になる論点

不動産賃貸業を営む会社では、どうしても外せない消費税の論点が3つあります。

非常に難しい論点ですが、経営者や経理担当者ならば是非把握しておいて欲しい論点になります。

建物の購入時に消費税の還付が受けられる可能性があること

まず、1つ目の論点は、建物の購入時に消費税の還付が受けられる可能性があることです。

賃貸用不動産を購入するときに、「建物」の価額には消費税が含まれています。

つまり、買主側は自動的に消費税を払ったことになっています。

消費税は一年間に「受け取った消費税」と「払った消費税」の差額を清算することにより納税額が決定します。

不動産購入時は、「払った消費税」が多くなるので、消費税の還付を受けられる可能性が高くなります。

ただし、居住用の建物の購入に関しては、賃借人から受け取る家賃が非課税のため、購入時に支払った消費税も非課税になりますので、還付自体は起こりにくくなります。

事業用の建物を購入した場合に消費税の還付が起こる可能性が高くなることを覚えておいてください。

課税売上割合が著しく変動した場合は、消費税が増えたり、減ったりする可能性がある

2つ目の論点は、課税売上割合が著しく変動した場合は、消費税が増えたり、減ったりする可能性があることです。

課税売上割合とは、賃借人が居住用に利用している物件の売上高と事業用に利用している物件の売上高の合計のうち、事業用に利用している物件の売上高がどれくらいあるかという割合のことです。

事業用の建物を買えば、課税売上割合は上がりますし、住居用の建物を買えば、課税売上割合は下がります。

建物を購入した時から3年間の課税売上割合が著しく変動すると、消費税の調整を行わなければならなくなります。

課税売上割合が上昇すれば、消費税額が減少する方向に調整をし、課税売上割合が下降すれば、消費税額が増加する方向に調整することになります。

居住用建物に対する控除対象外消費税額について

3つ目の論点は、居住用建物に対する控除対象外消費税額等についてです。

消費税の納税額は、売上時に預かった消費税額から仕入時に支払った消費税額を差し引いて計算されます。

ただし、仕入時に支払った消費税のうち一部は売上時に預かった消費税額から控除できない場合があります。

例えば、居住用の建物の修繕費について、修繕するために業者に支払った費用は消費税の課税対象で、支払った消費税額に該当します。

しかし、居住用の建物に対する家賃は、国の特別な政策のもと消費税非課税とされています(つまり、預かった消費税は0円)。

よって、預かった消費税が0円のところから支払った消費税を控除することは出来ません。

控除対象外消費税額等とは、このような控除することが出来ない支払った消費税額のことをいいます。

消費税の経理方法に「税抜経理方式」を採用している場合、法人税法上、控除対象外消費税額等は、長期前払費用として5年間に分けて経費計上することになります。

会社の経理処理の方式には、「税込経理方式」と「税抜経理方式」の2つがあります。
税込と税抜は消費税の金額が含まれるかどうかということです。
つまり、「税込経理方式」では、消費税込みの金額で仕訳がなされるのに対して、「税抜経理方式」の場合では、消費税抜きの金額で仕訳がなされます。
中小企業の場合は、基本的に「税込経理方式」になっていますが、稀に「税抜経理方式」になっている会社もあります。
法人税申告書の後ろに添付している注記表より貴社の経理方式を調べることが出来ますので確認してみましょう。

控除対象外消費税額は、非常に難しい論点になりますので、詳しい説明は以下の記事に集約させて頂きます。

ご興味があれば、是非ご覧下さい。

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