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不動産購入の税金・諸費用ガイド|計算方法と節税対策を不動産業専門税理士が解説

2026 5/23
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不動産の税金
2026年5月28日
不動産購入にかかる諸費用の種類と金額

「不動産を購入したいけど、税金や費用がいくらかかるのかよくわからない…」そんな不安を感じていませんか?

不動産の購入には、物件価格のほかに「諸費用」と呼ばれる追加費用がかかります。

一般的に物件価格の約8〜10%が目安で、5,000万円の物件であれば400〜500万円前後が別途必要です。

事前に把握していないと、資金計画が大きく狂ってしまうことがあります。

この記事では、不動産業専門の税理士が、不動産購入時にかかる税金・諸費用の種類・計算方法・節税対策をできるだけわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 不動産購入時にかかる税金・諸費用の種類と計算方法
  • 5,000万円の物件を例にした具体的な費用シミュレーション
  • 不動産業専門の税理士が解説する会計処理の正しい方法と節税対策3選
目次

不動産購入時にかかる税金・諸費用の種類一覧

不動産を購入するときには、物件本体の価格以外に以下の税金・諸費用が発生します。

まず全体像を把握しましょう。

費用の種類発生のタイミング5,000万円物件の目安
①不動産取得税取得後3〜6か月約105万円
②登録免許税(所有権移転)登記申請時約70万円
②登録免許税(抵当権設定)登記申請時約16万円
③印紙税売買契約書作成時約6万円
④仲介手数料(消費税込)契約・引渡し時約171.6万円
⑤固定資産税・都市計画税の清算金引渡し時約19.9万円
⑥火災保険料・地震保険料保険契約時約20万円(1年分)
合計—408.5万円(物件価格の約8.17%)

【費用シミュレーション】5,000万円の不動産購入でかかるコストの詳細計算

以下の前提条件をもとに、各費用を実際に計算します。

【前提条件】
・不動産の引渡日:×1年9月1日
・不動産本体の取引金額:5,000万円
・銀行借入金額:4,000万円
・建物固定資産税評価額:1,500万円
・土地固定資産税評価額:2,000万円

費用の種類計算式金額
①不動産取得税(1,500万円+2,000万円)×3%105万円
②登録免許税(所有権移転)(1,500万円+2,000万円)×2%70万円
②登録免許税(抵当権設定)4,000万円×0.4%16万円
③印紙税5,000万円超1億円以下の場合6万円
④仲介手数料(5,000万円×3%+6万円)×1.1171.6万円
⑤固都税の清算金(1,500万円+2,000万円)×1.7%×122日÷365日約19.9万円
⑥火災・地震保険料(1年分)20万円
合計約408.5万円

※不動産取得税は、土地の特例(固定資産税評価額×1/2×3%)適用時は75万円に軽減されるため、合計が変わります。
※登録免許税の土地所有権移転は令和11年3月31日まで1.5%の特例あり(本則2%)。

各費用の計算方法と軽減措置【詳細解説】

①不動産取得税:固定資産税評価額×3%が原則(軽減措置あり)

不動産取得税は、土地・建物を取得した際に1回だけ都道府県が課税する地方税です。

税額の計算式は以下のとおりです。

【計算式】 不動産取得税=固定資産税評価額×税率(3%、建物は住宅以外4%)

不動産業者向けの重要ポイント

不動産業者が棚卸資産(販売目的)として土地・建物を取得した場合でも不動産取得税はかかります。ただし、取得後に転売・賃貸した場合でも還付や軽減申請ができるケースがあります。取得後60日以内に都道府県の申告を行ってください(根拠:地方税法第73条の18)。

②登録免許税:所有権移転は2%、抵当権設定は0.4%

不動産の登記を申請する際にかかる国税です。

所有権移転・抵当権設定ともに固定資産税評価額に税率を掛けて計算します。

【計算式】
所有権移転登録免許税=固定資産税評価額×2%(土地は令和11年3月31日まで1.5%の特例)
抵当権設定登録免許税=抵当権設定金額×0.4%

参考:国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

③印紙税:売買契約書と金銭消費貸借契約書に課税

売買契約書や住宅ローンの金銭消費貸借契約書を作成する際に発生します。

契約金額に応じて税額が決まります。

5,000万円超〜1億円以下の売買契約書は6万円です。

④仲介手数料:(取引価格×3%+6万円)×消費税

不動産会社への仲介手数料の上限は宅地建物取引業法(宅建業法第46条)で定められています。

不動産業を営む法人の場合、この仲介手数料は原則として取得価額に含めて資産計上が必要です(後述の「会計処理」を参照)。

【計算式】 仲介手数料(上限)=(取引価格×3%+6万円)×1.1(消費税込)

⑤固定資産税・都市計画税の清算金:引渡日以降の日割り分を負担

固定資産税・都市計画税は毎年1月1日現在の所有者に1年分が課税されます。

売買では、引渡日を基準に日割り計算した金額を売主・買主で清算するのが慣例です。

この清算金は不動産の取得価額に含めます(法人税基本通達7-3-5)。

⑥火災保険料・地震保険料:最長5年の前払い契約が有利な場合も

火災保険料は最長5年間の前払いが可能です。

保険料が上昇傾向にある時期は、5年一括払いにより保険料を抑えられるケースがあります。

ただし、法人の場合は、長期前払費用として資産計上し、期間按分して費用処理することが必要です。

不動産取得コストの会計・税務処理(不動産業専門の税理士が解説)

不動産業を営む法人・個人事業主が不動産を取得した場合、各費用を「取得価額に含めるもの」と「費用(損金・必要経費)にできるもの」に正しく区分することが重要です。

費用の種類取得価額に算入費用処理(損金・必要経費)根拠
不動産取得税△(選択可)○(原則)法基通7-3-3の2
登録免許税(所有権移転)△(選択可)○(原則)法基通7-3-3の2
仲介手数料○(必須)×法基通7-3-3
固都税の清算金○(必須)×法基通7-3-5
火災保険料(1年超の前払)×○(期間按分)法基通9-7-17

不動産取得税・登録免許税は「費用処理」が原則ですが、取得価額に含める選択も認められています。減価償却資産の場合、取得価額に含めた方が減価償却費として長期的に費用化できます。土地の場合は非償却資産なので費用処理の方が有利です。

不動産購入時の節税対策3選

実務でよく活用される節税対策を3つ紹介します。

節税①:不動産取得税の軽減措置を必ず申請する
不動産取得税は自動的に軽減されるわけではなく、申告・申請が必要な場合があります。住宅用の軽減措置(固定資産税評価額×1/2×3%)や宅地の特例は、取得後60日以内に都道府県の税事務所へ申告することで適用されます。申告漏れがないよう注意しましょう。

節税②:登録免許税の特例措置(令和11年3月31日まで)を活用する
土地の所有権移転登録免許税は本則2%ですが、令和11年3月31日までは1.5%の軽減特例が適用されます。5,000万円の物件で評価額が2,000万円の土地なら、本則40万円が30万円と10万円の節税になります。

節税③:消費税の仕入税額控除(課税事業者向け)
不動産業を営む課税事業者が事業用不動産を購入する場合、建物部分の取得にかかる消費税は仕入税額控除の対象になります(土地は非課税)。インボイス制度対応の観点からも、売主が適格請求書(インボイス)を発行できるか事前に確認してください。根拠:消費税法第2条・第30条。

よくある間違いと税務調査で指摘される注意点

税務処理の誤りに要注意

  • ①仲介手数料を費用処理してしまう:取得価額への算入が必須です(法基通7-3-3)。
  • ②固定資産税清算金を費用処理してしまう:買主負担分も取得価額に含めます(法基通7-3-5)。
  • ③土地・建物の按分が不適切:固定資産税評価額の比率で按分するのが原則です。
  • ④不動産取得税の申告忘れ:軽減措置は自動適用されません。取得後60日以内に都道府県の税事務所へ申告してください。

まとめ:不動産購入時に覚えておくべき3つのポイント

この記事のまとめ

  • 諸費用は物件価格の約8〜10%(5,000万円なら400〜500万円)—取得前に資金計画に含めておきましょう。
  • 仲介手数料・固定資産税清算金は取得価額に必須算入。不動産取得税・登録免許税は費用処理か取得価額算入かを選択できます。
  • 軽減措置・特例は申告が必要。不動産取得税の軽減申請と登録免許税の土地特例(令和11年3月31日まで)を忘れずに活用してください。
不動産取得税の軽減措置はいつまでに申請すればいいですか?

不動産取得税の軽減申請は、原則として不動産を取得してから60日以内に都道府県の税事務所へ申告します(地方税法第73条の18)。

ただし、都道府県によっては申告期限が異なる場合があります。

取得後すぐに管轄の税事務所へ確認することをお勧めします。

仲介手数料は経費(損金)にできますか?

不動産業を営む法人・個人事業主が賃貸や売却を目的として取得する不動産に支払った仲介手数料は、取得価額に算入する必要があります(法人税基本通達7-3-3)。

費用として一括処理することはできません。

ただし、棚卸資産(販売目的)の場合は商品の原価として処理します。

土地の登録免許税の軽減特例はいつまで有効ですか?

土地の所有権移転登録免許税の軽減特例(税率1.5%)は、令和11年3月31日までの間に登記を受ける場合に適用されます(租税特別措置法第72条)。

本則の税率は2%ですので、この特例が終了する前に不動産取得を予定している場合は期限に注意してください。

不動産の税金
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