- まずは、勘定科目を決定する上でのポイントを知ろう!
- その上で、仕訳をしながらそれぞれの勘定科目の意味と実務上の注意ポイントを把握していこう!
必要経費の勘定科目決定のポイント
必要経費の勘定科目を決定するためのポイントは次の3つになります。
すべては税務調査の準備段階で異常値が計上されているとみなされないための対策です。
ちょっとした注意事項ですが、少し気をつけるだけで、見た目が格段に良くなります。
税務署からのお尋ねや税務調査が来ると、きちんと確定申告をしていても心理的にかなりの圧迫感があります。
その確率を減らすためにも、できる限りで良いので、以下の3つを意識して勘定科目を決定しましょう。
なお、「できる限り」と書いたのは、以下の3つがきちんと整備されていなくても、必要経費の計上自体が間違っていなければ納税額は変わらないからです。
業務の兼ね合いを考えながら、できる限りきちんとすれば良いという意味です。
- 毎年発生する領収書は毎年同じ勘定科目に計上されるようにする
- 可能な限り多くの勘定科目を使用する
- 雑費の金額はなるべく少額にする
毎年発生する領収書は毎年同じ勘定科目に計上されるようにする
勘定科目の決定に際して、2つ以上の勘定科目で迷ってしまうこともあります。
例えば、接待交際費と会議費ですが、領収書を見る限り判断が分かれることがあるでしょう。
居酒屋などはお酒が伴うので接待交際費で間違いありませんが、喫茶店や定食屋の費用は会議費でも接待交際費でもどちらでも判断ができる場合があります。
この場合は、必要経費に計上されている限り、どちらの勘定科目でも問題ありません。
個人事業主の交際費は法人と違い上限なく必要経費にできるので納税額が変わる心配がないためです。
ただし、毎年発生する必要経費で勘定科目の判断が分かれるものは、一定のルールで毎年同じ勘定科目に計上されるようにしてください。
勘定科目の異常値を見つける時に3年分程度の勘定科目の金額を並べて見る手法があります。
毎年同じような必要経費が発生しているのに、毎年違う勘定科目で処理していた場合、場合によっては、勘定科目間で大幅な変動があり、怪しく見えてしまうこともあります。
可能な限り多くの勘定科目を使用する
例えば、接待交際費に100万円計上されているのと、接待交際費と会議費に70万円と30万円ずつ計上されているのなら、後者の方が良いでしょう。
類似の業種と比較してあまりに大きな金額が1つの勘定科目に計上されているとそれは異常値だとみなされかねません。
適切に勘定科目が切り分けられるならきちんと切り分けて、可能な限り多くの勘定科目を使用した方が見た目上良くなるでしょう。
ただし、勘定科目が多くなりすぎると記帳の手間が増えてしまいますので、時間との兼ね合いで出来る限りの対策で良いと考えられます。
雑費の金額はなるべく少額にする
雑費は、他の必要経費に分類できないものを収納した雑多な勘定なので、税務署などの第三者には、なにが計上されているか分からないブラックボックスになります。
ブラックボックスだけど、経費に認められるのは、雑費計上されている金額が少額だからです。
たまに、雑費勘定に100万や200万円も計上している人がいますが、もしあなたが税務官で大金が支出された理由が分からなかったらどう思うでしょうか?
個人事業主の事業の規模にもよりますが、可能な限り雑費勘定の金額は少額にすることをお勧めします。
必要経費の勘定科目一覧表
個人事業主が使用する勘定科目の具体例と実務上のポイントを以下にまとめますので、実際の仕訳を行う際の参考にしてみてください。
科目
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具体例
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ポイント
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租税公課 |
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荷造運賃 |
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水道光熱費 |
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旅費交通費 |
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通信費 |
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広告宣伝費 |
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接待交際費 |
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会議費 |
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損害保険料 |
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修繕費 |
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福利厚生費 |
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給料賃金 |
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利子割引料 |
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地代家賃 |
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外注工賃 |
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支払手数料 |
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減価償却費 |
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消耗品費 |
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雑費 |
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専従者給与 |
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