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小規模宅地等の特例の適用最大面積について!

2025 7/07
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相続-小規模宅地等
2021年7月2日2025年7月7日
小規模宅地等の特例の適用最大面積について!
目次

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、被相続人(亡くなった人)が①居住していた土地、②事業を営んでいた土地、③貸し付けていた土地を相続したときに最大80%の土地評価額を減額できる特例です。

区分ごとの適用最大面積について

小規模宅地等の特例の対象となる土地(以下、宅地等といいます)は4区分に分けられます。

そして、それぞれの区分には適用最大面積が設定されています。

区分限度面積減額割合
特定居住用宅地等330㎡80%
特定事業用宅地等400㎡80%
特定同族会社事業用宅地等400㎡80%
貸付事業用宅地等200㎡50%

同一区分に適用対象となる宅地等を2つ以上所有している場合、合算した面積で考えることになります。

なお、特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等の両方の宅地等を所有する場合も合算して400㎡までが限度面積になります。

少し分かりにくいので事例で考えてみましょう。

【事例1】
父親が死亡し、特定居住用宅地等に該当する宅地が2つあります。
A宅地は母親が生活している自宅の敷地(300㎡)です。
B宅地は大学生である長男が一人暮らしをしているマンションの敷地(50㎡)です。
小規模宅地等の特例を適用できる面積はどのようになるでしょうか?

複数の宅地等が特定居住用宅地等のみである時は、合計面積で330㎡までが小規模宅地等の特例の対象になります。

事例ではA宅地とB宅地の合計面積は300㎡+50㎡=350㎡になり、330㎡を超えてしまいます。

この場合は、相続税の申告書で、①小規模宅地等の特例の適用を受ける宅地等を選択し、②面積を記載した明細書と選択したことについてのすべての相続人の同意書の添付をすれば、330㎡の範囲内で自由に分割面積を設定できます。

例えば、自宅が地方にあり、マンションが都心にある場合はA宅地280㎡、B宅地50㎡としても良いですし、逆に自宅が都心で、マンションが地方であれば、A宅地だけで330㎡という分割もできます。

つまり、納税者の有利なように面積按分を行って良いことになります。

また、特定事業用宅地等のみを複数所有する場合や貸付事業用宅地等のみを複数所有する場合も特定居住用宅地等を複数所有する場合と同じ考え方になります。

別区分の宅地等を所有する場合

特定居住用宅地等と特定事業用宅地等(特定同族会社事業用宅地等も含む)の両方に該当する宅地等を所有する場合は、併用が可能になります。

例えば、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等に該当する宅地等を所有する場合には、最大で730㎡(330㎡+400㎡)まで小規模宅地等の特例を適用出来る可能性があります。

次に、別区分の宅地等を所有する場合で、その中に貸付事業用宅地等が含まれる場合、以下の調整計算が必要になります。

(特定居住用宅地等の面積×200÷330+特定事業用宅地等の面積×200÷400)+貸付事業用宅地等の面積≦200㎡

上記の計算式は特定居住用宅地等の面積と特定事業用宅地等の面積を貸付事業用宅地等の面積に変換してやり、貸付事業用宅地等の上限面積200㎡と比べて空きがあれば、その限度で貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例(50%減額)を認めようという計算式です。

貸付事業用宅地等は50%減額と特定居住用宅地等や特定事業用宅地等に比べて減額率が30%少なくなっています。

そこで、先に特定居住用宅地等や特定事業用宅地等の小規模宅地等の特例(80%減額)を適用して、残りに対して貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例(50%減額)を適用しようという計算式になります。

貸付事業用宅地等が劣後するとは限らない事例がある!

特定居住用宅地等や特定事業用宅地等の他に、貸付事業用宅地等に該当する宅地等が存在する場合、調整計算が必要になり、貸付事業用宅地等の選択面積は特定居住用宅地等や特定事業用宅地等の選択面積に劣後するのが通常でした。

しかし、貸付事業用宅地等の相続税評価額が高く、特定居住用宅地等に比べて30%減額割合が少なくても、貸付事業用宅地等の選択面積を多くした方が良い場合があります。

都心部に貸付事業用宅地等を所有しているような場合は、小規模宅地等の特例を選択する順番が変わる可能性を考慮して、以下の検討を行う必要があります。

【小規模宅地等の選択順番を決める方法】

①貸付事業用宅地等を劣後させた場合の減額後の宅地等の合計評価金額
②貸付事業用宅地等も併用した場合の減額後の宅地等の合計評価金額
Ⅰ.特定居住用宅地等の1㎡当たりの単価×80%×330㎡÷200㎡
Ⅱ.特定事業用宅地等の1㎡当たりの単価×80%×400㎡÷200㎡
Ⅲ.貸付事業用宅地等の1㎡当たりの単価×50%
Ⅳ.Ⅰ~Ⅲの計算金額が高い順に優先適用
③①と②のどちらの合計評価金額が小さいかで判断

かなり難しくなってきましたので、事例で確認してみましょう。

【事例2】
父親は、A宅地、B宅地、C宅地を所有していますが、先日亡くなりました。
A宅地:特定居住用宅地等に該当(路線価評価額2,970万円 99㎡)
B宅地:特定事業用宅地等に該当(路線価評価額3,000万円 60㎡)
C宅地:貸付事業用宅地等に該当(路線価評価額22,500万円 150㎡)
宅地等の合計評価額はいくらになるでしょうか?

【貸付事業用宅地等を劣後させた場合の減額後の宅地等の合計評価金額】
(1)貸付事業用宅地等の面積の上限の確認
(99㎡×200÷330+60㎡×200÷400)+貸付事業用宅地等の面積≦200㎡
よって、貸付事業用宅地等の上限は200㎡-60㎡-30㎡=110㎡

(2)宅地等の減額後の合計評価額
 Ⅰ.居住用:2,970万円-2,970万円×80%=594万円
 Ⅱ.事業用:3,000万円-3,000万円×80%=600万円
 Ⅲ.貸付事業用:22,500万円-22,500万円×110㎡÷150㎡×50%=14,250万円
 Ⅳ.合計:594万円+600万円+14,250万円=15,444万円

【貸付事業用宅地等も併用した場合の減額後の合計評価金額】
(1)特定居住用宅地等の1㎡当たりの単価×80%×330㎡÷200㎡
 2,970万円÷99㎡×80%×330㎡÷200㎡=39.6万円

(2)特定事業用宅地等の1㎡当たりの単価×80%×400㎡÷200㎡
 3,000万円÷60㎡×80%×400㎡÷200㎡=80万円

(3)貸付事業用宅地等の1㎡当たりの単価×50%
 15,000万円÷100㎡×50%=75万円

(4)計算金額が高い順なので、特定事業用宅地等>貸付事業用宅地等>特定居住用宅地等の順に小規模宅地等の特例を適用することになります。
よって、特定居住用宅地等の上限は、(特定居住用宅地等×200÷330+60㎡×200÷400)+150㎡≦200㎡で計算されるので、(200㎡-150㎡-30㎡)×330÷200=33㎡になります。

(5)宅地等の減額後の合計評価額
  Ⅰ.居住用:2,970万円-2,970万円×33㎡÷99㎡×80%=2,178万円
  Ⅱ.事業用:3,000万円-3,000万円×80%=600万円
  Ⅲ.貸付事業用:22,500万円-22,500万円×50%=11,250万円
  Ⅳ.合計:2,178万円+600万円+11,250万円=14,028万円

【判定】
【貸付事業用宅地等を劣後させた場合の減額後の宅地等の合計評価金額】と【貸付事業用宅地等も併用した場合の減額後の合計評価金額】を比較して、【貸付事業用宅地等も併用した場合の減額後の合計評価金額】の方が宅地等の合計評価額が低くなるので14,028万円が宅地等の合計評価額になります。

相続-小規模宅地等
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