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相続税の課税対象になる財産とは?範囲・計算式を税理士監修レベルで解説

2026 5/17
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相続-基本
2026年5月18日
相続税の課税対象の範囲について!どの資産が課税対象になるの?

「家族が亡くなったけど、相続税っていくらかかるんだろう?」
「そもそも、うちは相続税を払う必要があるの?」

相続税の納税義務があるかどうかを判断するためには、まず相続税の課税対象となる財産をすべて把握することが出発点になります。

本記事では、国税庁の最新情報(令和7年4月1日現在)をもとに、相続税の課税対象となる財産の範囲と課税金額の計算式を、図表を交えてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 相続税の課税対象となる財産の全体像
  • 課税対象金額を求める計算式と各項目の中身
  • 2024年改正で延長された「生前贈与加算7年ルール」の注意点
目次

相続税の課税対象とは?基本ルールを押さえよう

相続税は、亡くなった人(被相続人)から相続・遺贈・死因贈与によって取得したすべての財産の「合計額」を課税対象としています。

その合計額が基礎控除額を上回るかどうかで、納税義務の有無が決まります。

基礎控除額の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数基礎控除額納税義務
1人3,600万円これを超えると課税
2人4,200万円これを超えると課税
3人4,800万円これを超えると課税
4人5,400万円これを超えると課税

「遺贈」と「死因贈与」の違い

相続税の課税対象を理解するうえで、混同しやすい「遺贈」と「死因贈与」の違いを整理しておきましょう。

種類内容必要な人数
遺贈遺言により遺言者の財産を無償で譲ること遺言者1人で成立
死因贈与「贈与者が死亡したら財産を渡す」という契約を結ぶこと贈与者と受贈者の2人が必要

つまり、遺贈は一方的な意思表示で成立しますが、死因贈与は双方の合意(契約)がなければ成立しないという点が大きな違いです。

相続税の課税対象金額を求める計算式

相続税の課税対象金額は、以下の計算式で求めます。

課税対象金額の計算式

① 相続財産の価額(遺贈・死因贈与を含む)
+ ② みなし相続財産の価額
+ ③ 相続時精算課税制度適用財産の価額
+ ④ 相続開始前7年以内の贈与財産の価額
- ⑤ 非課税財産の価額
- ⑥ 債務控除の額

以下、それぞれの項目を順に解説していきます。

① 相続財産の価額(遺贈・死因贈与を含む)

相続財産だけでなく、遺贈や死因贈与によって取得した財産も課税対象に含まれます。

ここでいう「財産」とは、金銭で見積もることができる経済的価値のあるものすべてを指します(国税庁タックスアンサーNo.4105)。

区分具体例課税対象
不動産土地、家屋、借地権○
金融資産現金、預貯金、有価証券○
動産自動車、宝石、貴金属○
権利貸付金、特許権、著作権、信託受益権○
従たる権利抵当権など(単独で経済的価値なし)×

② みなし相続財産(生命保険金・死亡退職金など)

被相続人が生前に保有していた財産ではないものの、被相続人の死亡をきっかけに相続人等が受け取る財産を「みなし相続財産」といいます。

代表的なものは、生命保険金と死亡退職金です。これらは法律上の相続財産ではありませんが、経済的実質が相続財産と同じであるため、相続税の課税対象に含まれます。

生命保険金・死亡退職金には、それぞれ「500万円 × 法定相続人の数」までの非課税枠が設けられています(後述)。

③ 相続時精算課税制度適用財産の価額

相続時精算課税制度とは、累計2,500万円までは贈与税を納めずに贈与を受けられ、贈与者が亡くなったときにその贈与財産の「贈与時の価額」を相続税の課税対象に含める制度です。

ざっくり言えば「相続のときまで贈与税の支払いを先送りできる制度」で、最終的には相続税として精算されます。

④ 相続開始前7年以内の贈与財産の価額【2024年改正】

相続・遺贈・死因贈与によって財産を取得した人が、相続開始前7年以内に被相続人から贈与を受けていた場合、その贈与財産の価額が相続税の課税対象に加算されます。これを「生前贈与加算」といいます。

2024年改正のポイント

令和5年度税制改正により、2024年1月1日以後の贈与については、加算対象期間が従来の「3年以内」から「7年以内」に延長されました。
※ なお、延長された4年間(4〜7年前)に受けた贈与については、総額100万円までは加算対象外となります(国税庁No.4161)。

注意点1:加算される価額は「贈与時の価額」

加算される金額は、相続発生時の時価ではなく「贈与時の価額」です。

例えば有価証券を贈与時300万円で受け取り、相続時の時価が100万円に下がっていたとしても、加算されるのは300万円になります。

注意点2:相続等で財産を取得していない人は加算なし

7年以内に贈与を受けていても、その人が被相続人から相続・遺贈・死因贈与によって財産を取得していない場合、贈与財産の加算はありません。

ただし、生命保険金や死亡退職金などの「みなし相続財産」を取得した場合は、相続等で財産を取得した人と同じ扱いとなり、贈与財産が加算されるので注意しましょう。

⑤ 非課税財産の価額

相続・遺贈・死因贈与によって取得した財産でも、社会政策的見地や遺族の生活保障の観点から、相続税の課税対象から除外される財産があります(国税庁タックスアンサーNo.4108)。

非課税財産内容
祭祀財産墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚など(投資・商品目的を除く)
生命保険金の一部500万円 × 法定相続人の数
死亡退職金の一部500万円 × 法定相続人の数
公益事業用財産宗教・慈善・学術など公益目的事業に使われるもの
心身障害者共済給付金地方公共団体の条例に基づくもの
国等への寄附財産相続税の申告期限までに国・地方公共団体・認定NPO法人等に寄附したもの

⑥ 債務控除の額

被相続人に借入金などの債務がある場合、その金額は財産から差し引くことができます。また、葬式費用なども差し引くことが認められています(国税庁タックスアンサーNo.4126・No.4129)。

区分控除できるもの控除できないもの
債務借入金、未払医療費、未払の公租公課(所得税・固定資産税など)墓地購入の未払金、保証債務(原則)
葬式費用通夜・本葬の費用、お布施、火葬・埋葬費用香典返し、初七日・法要費用、墓石・仏壇の購入費

まとめ:計算は「相続人ごと」に行うのがポイント

相続税の課税対象金額は、本記事で紹介した計算式を覚えておけば算出することができます。

ただし、最大の注意点として、上記の計算式は「各相続人ごと」に計算し、最後に合算する必要があります。

たとえば、葬式費用は通常は債務控除として差し引けますが、相続放棄をした相続人については差し引くことができません。このように、相続人ごとに事情が異なるため、個別に計算したうえで合算するという認識を持っておきましょう。

この記事のまとめ

  • 相続税は相続・遺贈・死因贈与で取得した全財産の合計額が課税対象
  • 課税対象金額 = 相続財産 + みなし相続財産 + 相続時精算課税適用財産 + 7年以内の贈与財産 - 非課税財産 - 債務控除
  • 2024年改正で生前贈与加算が3年→7年に延長
  • 計算は相続人ごとに行い、最後に合算するのが原則

※本記事は国税庁の公開情報(令和7年4月1日現在法令等)をもとに作成しています。実際の申告にあたっては、税理士など専門家にご相談ください。

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