この記事の対象者
  1. 賃貸人側の仲介手数料の仕訳と税務処理を知りたい人
  2. 賃貸人側の広告料(AD)の仕訳と税務処理を知りたい人
  3. 賃貸人側のプレゼント費用の仕訳と税務処理を知りたい人
  4. 賃貸人が日常的に支払う管理費の仕訳と税務処理を知りたい人




入居者を探すための費用にはどのようなものがあるか

仲介手数料

不動産賃貸業を始めると不動産会社に賃借人の募集を委託することになります。

知り合いから賃借人を探しても良いのですが、限界がありますので、レインズという不動産会社専用の賃貸人と賃借人のマッチングシステムを使用した方が効率的です。

なお、アットホームやyahoo不動産などの登録も不動産会社に頼めば対応してくれますので、一緒に頼んでみましょう。

そして、実際に不動産会社が賃貸人を探してきて、無事、賃借人が入居してくれると成功報酬として仲介手数料を払うことになります。

なお、仲介手数料だと宅地建物取引業法の報酬規定(賃貸人と賃借人の仲介業者両者で1か月分)に引っ掛かってしまう恐れがあるので、コンサルティングフィーなど別の名目になっていることもあります

賃貸人が支払う仲介手数料は通常は賃料の1か月程度ですが、不動産会社によってばらつきがあります。

賃借人の募集はどうしても不動産会社頼りになり、不動産会社の能力や担当者の能力によって、客付け能力は全く違うので、決して値段で委託先である不動産会社を決めない方が良いでしょう

最近空室リスクが問題になっていますが、よっぽどひどい物件でも値段次第では客付け可能です。

私見ですが、空室リスクは、むしろ不動産会社や担当者の能力の有無に関わってくるのだと思います。

賃貸人としては、多少の値段の差であれば、品質の良い不動産会社を見つけたいものです。

広告料

広告料を支払うかどうかは賃貸人の任意になります。

賃借人の募集を不動産会社に依頼すると募集広告を作成してくれます。

募集広告の右下にAD100やAD50などの文字を見たことはないでしょうか?

実はあれが、広告料を指しています(AD100ならば賃料1か月分、AD50ならば賃料の半月分の広告料になります)。

広告料ですが、賃貸人が募集を依頼した不動産会社に払われるわけではありません

賃借人側の不動産会社に支払うことになります。

どういうことかと言うと、まずは、賃借人予定者が賃借人側の不動産会社に来店します(必ずしも賃貸人が仲介を依頼している不動産会社とは限りません)。

その時に賃借人予定者が風呂・トイレ別などの条件を挙げていき、条件に合致した物件を賃借人側の不動産会社が提案していきます。

最終的に賃借人側の不動産会社が提案した不動産を賃借人予定者が気に入って、賃貸人と賃借人予定者が不動産賃貸借契約した時に賃貸人側から賃借人側の不動産会社に支払われるのがADと呼ばれる広告料です

プレゼント費用

最近多いのが、空室対策として、入居してくれた人に賃貸人からプレゼントを用意しようというものです。

物件から駅までの距離が遠い場合には自転車であったり、学生の一人暮らし用ならば冷蔵庫や洗濯機などの家具家電だったり、様々なプレゼントがあります。

管理費

管理費は入居者募集時に発生する費用ではないですが、ここで一緒にまとめた方が分かり易いので少し説明します。

管理費とは、①物件の清掃費用や住民の入退去の立ち合いなどの時に管理会社に払う費用や②エレベーターの保守点検や消防点検などの物件の維持管理のために支払う費用です。

なお、物件の清掃費用や住民の入退去の立ち合いなどの時に管理会社に払う費用ですが、不動産会社によっては単発で委託を受けてくれることもあります

例えば、普段は自主管理だけど、退去の立ち合いやなにか突発的なトラブルが起きたときにすぐに駆け付けられない時などは、単発で不動産会社に業務を委託することもできます。

自主管理に興味がある場合は、近くの不動産会社に単発の管理サービスをやっているか聞いてみてもよいでしょう。

入居者を探すための費用の仕訳と税務上の処理

仲介手数料

賃貸人として賃貸借契約を締結すると委託先の不動産会社より、請求書を渡されるでしょう。

その際に支払報酬の勘定科目で仕訳を行うことになります。

支払報酬の消費税区分は課税仕入れに該当しますので、会計ソフト(弥生会計やFreeeなど)では10%課税取引を選択してください。

不動産会社が入居者を決めてくれたので、11万円(税込)をコンサルティングフィーとして支払った。
借方
金額
貸方
金額
支払報酬
11万円
現金又は預金
11万円

広告料

賃貸借契約を締結すると不動産会社より、広告料を請求されるでしょう。

実際には、①賃貸人側の不動産会社を通して賃借人側の不動産会社に広告料が支払われるか、②賃貸人が直接賃借人側の不動産会社に広告料を支払うことが多いでしょう。

広告料は広告宣伝費という勘定科目で仕訳されます。

広告宣伝費の消費税区分は課税仕入れに該当しますので、会計ソフト(弥生会計やFreeeなど)では10%課税取引を選択してください。

募集チラシにADの記載があり、そのチラシを見て不動産会社が入居者を決めてくれたので、22万円(税込)を広告料として支払った。
借方
金額
貸方
金額
広告宣伝費
22万円
現金又は預金
22万円

プレゼント費用

プレゼント費用に金額的な上限はありません。

プレゼントした費用の金額を交際費として仕訳すれば良いです。

個人事業主ならば、交際費は全額必要経費になりますが、会社の場合は基本的に800万までしか交際費は損金(経費)になりません

ただし、プレゼントの内容がクオカードなどの金券の時は注意が必要です。

金券は自分でも使えてしまうので、税務調査を受けると厳密に調べられます。

プレゼントとして渡す時には受領書などに入居者からの自署を貰っておくと良いでしょう。

ただし、入居者に対するプレゼントを金券で渡すのは、税務上の管理が非常に面倒くさいので個人的にはお勧めしません。

入居者に、55,000円(税込)分の自転車を購入しプレゼントした。
借方
金額
貸方
金額
交際費
55,000円
現金又は預金
55,000円

プレゼントを買った時に消耗品費などで仕訳してしまいがちですが、入居者にあげるので立派な交際費になりますので注意してください。

管理費

管理費は支払報酬として仕訳しましょう。

支払報酬の消費税区分は課税仕入れに該当しますので、会計ソフト(弥生会計やFreeeなど)では10%課税取引を選択してください。

物件の定期清掃費用として管理会社に22,000円(税込み)を支払った。
借方
金額
貸方
金額
支払報酬
22,000円
現金又は預金
22,000円