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会社の決算を黒字化する3つの方法|不動産業専門の税理士が合法的な手順を解説

2026 5/21
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会社の税金
2026年5月25日
利害関係者との関係で会社の決算を黒字化したい場合の方法!

銀行融資の審査を控えている、株主や大家から赤字決算を避けてほしいと言われているなど、利害関係者との関係で「どうしても今期は黒字で終わりたい」とお悩みの会社経営者の方へ。

本記事では、不動産業専門の税理士が、国税庁の通達に基づいた合法的な黒字化の方法を3つ解説します。

不動産業を営む会社のオーナーに特に役立つ内容です。

目次

利害関係者との関係で決算を黒字化しなければならないケース

会社の経営を続けていると、思いがけない事情で支出が膨らみ、このままでは赤字になってしまうことがあります。

特に次のようなケースでは、当期の黒字化が急務になります。

  • 翌期に銀行融資を受ける予定があり、決算書で赤字を出したくない
  • 株主や投資家への説明責任がある
  • 新しいオフィスの賃貸審査や取引先との契約更新で財務健全性を示す必要がある
  • 新規事業開始時など、通常の会計処理では黒字化が難しい事業年度

このような状況では、売上高を短期間で大幅に増やすことには限界があります。

そのため、損金(経費)を合法的に減らして黒字化する方法を検討することが重要です。

会社の決算を黒字化する方法①|固定資産計上で損金を減らす

最も効果的で合法的な方法の一つが、通常は損金(経費)として計上するものを固定資産に振り替えることです。

不動産購入時の税金・報酬を固定資産に計上する

不動産を購入した事業年度であれば、次のコストを固定資産(建物または土地)の取得価額に算入することができます。

  • 登録免許税(建物・土地の所有権移転登記にかかる税金)
  • 不動産取得税(不動産取得後に都道府県から課税される税金)
  • 司法書士報酬(所有権移転登記を依頼した場合の費用)

通常の処理では、これらは租税公課として損金(経費)に一括計上されます。

しかし、法人税法基本通達7-3-3の2では、これらの費用を固定資産の取得価額に含めることを認めています。

📝 国税庁・法人税法基本通達7-3-3の2(参考)
建物等の取得に要した登録免許税等の費用は、固定資産の取得価額に算入することができる(任意)とされています。詳細は国税庁 法人税基本通達をご確認ください。

つまり、任意で固定資産計上を選択できるということです。

固定資産として計上した場合、費用化は減価償却を通じて毎年少しずつ行われるため、計上した事業年度の損金を大幅に減らすことができます。

個人事業主はこの選択ができません。個人事業主の場合、登録免許税等の必要経費計上は強制であり、固定資産への振り替えは認められていません。この選択肢は法人(会社)のみが使えます。

土地に関する登録免許税の取り扱い(注意点)

建物に関する登録免許税等は固定資産計上後に減価償却で費用化できますが、土地に関する登録免許税等は減価償却ができません。

土地は非減価償却資産であるため、売却するまで固定資産に計上されたままになります。

ただし、土地の取得価額が増加するため、将来の売却時に利益が圧縮される効果があります。

会社の決算を黒字化する方法②|費用の計上タイミングを調整する

次に有効な方法は、費用の計上タイミングを見直す「経理基準の変更」です。

合法的に当期の損金を減らし、黒字化を図ることができます。

手法内容注意点
売上計上の前倒し翌期分の役務提供が当期に完了している場合、売上を当期に計上する役務未提供の前倒し計上は不可
費用計上の後ろ倒し翌期以降に繰り越せる費用の計上を翌期にずらす役務提供済みの費用の先送りは不可
固定資産計上への変更修繕費を資本的支出として固定資産計上する修繕費vs資本的支出の区分に注意

会社の決算を黒字化する方法③|領収書を外す(最終手段)

どんなに調整しても赤字が確実な場合の最終手段として、本来損金計上できる領収書をあえて経費から外すという方法があります。

損金が減ることで翌期以降の繰越欠損金が減り、実質的には翌期の増税につながります。

ただし、「今期の黒字化」が最優先であれば、やむを得ない選択肢となります。

必ず現金払いの領収書のみ外してください。クレジットカードや銀行引き落としの領収書を外すと、帳簿上の銀行残高と通帳の残高が一致しなくなります。後から大きなトラブルになりますので、絶対に現金払いの分だけにしてください。

現金の管理をきちんと行っている会社では、領収書を外すことにより、帳簿の現金残高と実際の手持ち現金残高が乖離してしまいますので、必ず、経理担当者と協議した上で処理を実行してください。

具体的な計算例と仕訳|固定資産計上による黒字化

前提条件:不動産(建物固定資産税評価額1,500万円・土地3,000万円)を購入。登録免許税(建物分)50万円、(土地分)100万円、司法書士報酬(建物分)10万円。通常の損金計上では当期利益△30万円(赤字)。

通常処理(損金計上)の仕訳

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
租税公課150万円現金150万円
支払手数料10万円現金10万円

→ 損金160万円計上 → 赤字△30万円のまま

固定資産計上した場合の仕訳(黒字化)

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
建物(登録免許税+司法書士報酬)60万円現金60万円
土地(登録免許税)100万円現金100万円

→ 損金計上ゼロ → 利益130万円(黒字!) 

建物計上分60万円は翌期以降に減価償却を通じて少しずつ費用化されます。

黒字化する際のよくある間違いと税務調査上の注意点

  • 個人事業主と法人を混同しない:固定資産の任意計上(登録免許税等)は法人のみの特権です。
  • 棚卸資産・有価証券の評価操作は認められない:期末評価額を意図的に操作することは税務上否認されます。
  • 翌期以降への影響を必ず確認する:今期の損金削減は翌期以降の税負担増に繋がります。事前にシミュレーションしましょう。

まとめ|不動産業の会社が合法的に黒字化するための3つのポイント

  • 不動産購入時の登録免許税等を固定資産に計上すると、当期の損金を大幅に減らせる(法人のみ・任意選択・根拠:法人税法基本通達7-3-3の2)
  • 費用の計上タイミングの見直しも合法的な黒字化手段として有効
  • 現金払いの領収書を外す方法は最終手段。クレジット・銀行引き落とし分の領収書は絶対に外さない

不動産業を営む会社経営者の方で、決算対策や黒字化についてお悩みの場合は、日本橋小伝馬町にある不動産業専門の川崎公認会計士・税理士事務所にお気軽にご相談ください。

登録免許税を固定資産に計上するのはいつまでにすればよいですか?

当該事業年度の決算日(期末日)までに会計処理を確定させる必要があります。

期末ギリギリでも修正可能ですので、顧問税理士に早めにご相談ください。

固定資産計上した登録免許税は翌期以降どうなりますか?

建物の取得価額に含めた場合、耐用年数に応じた減価償却費として毎年少しずつ損金に算入されます。土地に算入した場合は、売却するまで固定資産のままです。

個人事業主でも同じ方法で黒字化できますか?

登録免許税等の固定資産計上は法人のみ認められています。

個人事業主は必要経費への算入が強制されているため、この手法は使えません。

税務調査で否認されるリスクはありますか?

法人税法基本通達7-3-3の2に明確な根拠がある手法ですので、適切に処理すれば否認されるリスクはありません。

固定資産計上を選択した根拠と計算書類を保管しておきましょう。

領収書を外す方法は脱税にならないのですか?

経費に計上できる領収書をあえて損金不算入にすることは、課税所得を増やして税金を多く納める処理です。

脱税にはなりません。

ただし、翌期以降の繰越欠損金が減る影響がありますので、事前に顧問税理士とご相談ください。

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