- 会社(中小企業)が支払う税金の種類と納税方法を知りたい人
- 会社(中小企業)の経理に配属された人
- 経営者で会社(中小企業)の主な税金の概要をおさえたい人
会社(中小企業)の税金にはどんなものがある?
会社(中小企業)が納付しなければならない税金には大きく分けて4つあります。
上記のうち、消費税だけは概念が全く別の税金になりますので、「消費税の仕組みを容易に理解しよう!併せて計算・納税方法も確認しよう!」で別に説明します。
よって、今回は法人税等・法人住民税・法人事業税について見ていきましょう。
申告期限・納税期限
事業年度終了の日の翌日から2か月以内に確定申告をすることにより法人税等・法人住民税・法人事業税の納税額は確定します。
例えば、3月末決算の場合は5月31日までに確定申告を行わなければなりません。
なお、納税も当然に事業年度終了の日の翌日から2か月以内に行わなければなりません。
税務署や都税事務所など、場所によっては、申告場所と納税場所の階数が違うため、申告だけして納税するのを忘れてきたという冗談のような話も実務上たまにあるので、注意してください。
法人税等の計算方法・計算例・納税方法
法人税等とは、法人税と地方法人税のことを指します。
「地方」法人税は、「地方」とついていますが、税務署に納める国税ですので、注意してください。
法人税の計算方法
法人を設立して業務を行った場合、稼いだ収入と稼ぐために使った経費があり、その差し引きが法人の利益になります。
法人の利益に法人税の税率を掛け合わせると法人税額が算出されます。
なお、法人税の税率(中小企業の場合)は以下の通りです。
法人の利益
|
法人税の税率
|
---|---|
年800万円以下 |
15%
|
年800万円超 |
23.2%
|
地方法人税の計算方法
法人税の納税義務のある会社(中小企業)は、地方法人税も納税しなければなりません。
地方法人税額は、法人税「額」に地方法人税の税率を掛け合わせて算出されます。
法人税等の計算例
- 会社で稼いだ収入が1,200万円、稼ぐために使った経費が600万円のとき、法人税額・地方法人税額を計算しましょう。
- 【解答】
法人税額は90万円、地方法人税額は9.27万円となる。【解説】
法人の利益=法人が稼いだ収入―法人が稼ぐために使った経費
=1,200万円―600万円=600万円法人税額=法人の利益×法人税の税率
=600万円×15%=90万円地方法人税額=法人税「額」×地方法人税の税率
=90万円×10.3%=9.27万円
法人税等の納税方法
法人税・地方法人税の納付書は決算期後(1か月後位)に税務署から申告書類と一緒に郵送されます。
その納付書に申告書を作成した時に判明した税額を記入して、窓口、金融機関、郵便局などで支払います。
納税期限は申告書の提出期限と同じで、会社(中小企業)の事業年度の終了の日から2か月以内となります。
例えば、3月31日決算の場合は、5月31日までとなります。
法人住民税の計算方法・計算例・納税方法
法人住民税の計算方法
法人住民税は、法人都道府県民税と法人市町村民税の2つに分けることができます。
そして、法人都道府県民税と法人市町村民税でそれぞれ法人税割と均等割を支払うことになります。
法人税割 | 法人税に応じて一定税額が課税される。 |
---|---|
均等割 | 法人が経済活動をしているだけで一定額が課税される。 利益が出ている出ていないは関係ない。 |
法人税割で使用する税率と均等割額は都道府県・市町村でそれぞれ開示されていますので、ホームページで確認すればすぐわかります。
なお、東京23区の場合の法人税割で使用する税率・均等割額は以下の通りです。
種類
|
道府県民税部分
|
市町村民税相当分
|
合計
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---|---|---|---|
法人税割 |
1.0%
|
6.0%
|
7.0%
|
均等割 |
20,000円
|
50,000円
|
70,000円
|
法人住民税の計算例
- 法人税額を100万円納付した場合の法人住民税の金額を計算しましょう。
- 【解答】法人住民税額の金額は14万円である。
【解説】
法人税割=法人税額×税率
=100万円×7%=7万円均等割=7万円(地域により異なる。今回は東京の場合の7万円)法人住民税=法人税割+均等割
=7万円+7万円=14万円
法人住民税の納税方法
法人住民税の納付書は都道府県と市町村役場より郵送されてきます。
その納付書に申告書を作成した時に判明した税額を記入して、窓口、金融機関、郵便局などで支払います。
納税期限は申告書の提出期限と同じで、会社(法人)の事業年度の終了の日から2か月以内となります。
例えば、3月31日決算の場合は、5月31日までとなります。
法人事業税の計算方法・計算例・納税方法
法人事業税は、法人が行う事業に対して課される税金です。
法人事業税は法人事業税(地方税)と特別法人事業税(国税)に分離できます。
なお、特別法人事業税は、国税ですが、法人事業税と併せて申告納付しますので、提出場所は税務署ではありませんので注意してください。
法人事業税の計算方法
法人事業税の税率と特別法人事業税の税率は以下の通りです。
利益金額
|
法人事業税の税率
|
特別法人事業税の税率
|
---|---|---|
年400万円以下 |
3.5%
|
37%
|
年400万円超800万円以下 |
5.3%
|
37%
|
年800万円超 |
7.0%
|
37%
|
※ 資本金1億円以下、年収入2億円以下の場合
法人事業税の計算例
- 会社で稼いだ収入が2,000万円、稼ぐために使った経費が1,700万円のとき、法人事業税額・特別法人事業税額を計算しましょう。
- 【解答】法人事業税額は10.5万円、特別法人事業税額は3.88万円である。
【解説】
法人事業税=(稼いだ収入―稼ぐために使った費用)×法人事業税の税率
=(2,000万円―1,700万円)×3.5%=10.5万円特別法人事業税額=法人事業税額×特別法人事業税の税率
=10.5万円×37%=3.88万円
法人事業税の納税方法
法人事業税と特別法人事業税の納付書は都道府県民税の納付書とまとまって、都道府県より郵送されてきます。
その納付書に申告書を作成した時に判明した税額を記入して、窓口、金融機関、郵便局などで支払います。
納税期限は申告書の提出期限と同じで、会社(法人)の事業年度の終了の日から2か月以内となります。
例えば3月31日決算の場合は、5月31日までとなります。