固定資産税・都市計画税の計算方法を理解するためには、「評価額」と「課税標準額」の2つを正しく区別することが重要になります。
また、土地の「評価額」と「課税標準額」が大きく異なる原因である、小規模住宅用地・一般住宅用地について知ることも必要になります。
今回は、固定資産税・都市計画税の計算方法と小規模住宅用地・一般住宅用地の関係について説明します。
固定資産税とは?
固定資産税とは、所有する土地・建物に対して課せられる税金です。
土地には、田、畑、宅地、雑種地、山林、原野などが含まれますが、借地権については、別に土地の所有者がいるため、借地権者が固定資産税を支払う必要はありません。
建物には、住家、店舗、工場、倉庫などがあります。
固定資産税の計算方法について
固定資産税の計算方法は、土地・建物共通です。
まず、①評価額から②課税標準額を計算し、②課税標準額から③納税額を計算することになります。
①評価額→②課税標準額→③納税額
評価額について
土地・建物共に3年に一度、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、1月1日時点の評価額で評価替えが行われ、文書関係は、4月1日より切り替わります。
直近では、2021年、2024年に評価替えが行われているので、次回は、2027年1月1日時点の評価額で評価替えが行われることになります。
なお、「固定資産評価基準」は膨大な量の資料になりますので、土地・建物の評価額の計算方法の要約だけをここでまとめておきます。
【土地の固定資産税評価額の算定方法】
- 不動産鑑定価格や地価公示価格に基づき、地域と地目ごとに1㎡あたりの価格を算定します。
- 1㎡あたりの価格に各土地の地積を乗じて評価額を算定します。
ただし、宅地については、土地の形状に応じて評価額の補正を行います。
【建物の固定資産税評価額の算定方法】
- 評価替え時点で、同一家屋を新築する場合に必要とされる建築費を算定します(再建築価格といいます)。
- 再建築価格から、新築時からの年数の経過による減価を考慮し、評価額を算定します。
ただし、算定額が前年度の評価額を超える場合は、前年度の評価額を維持します。
課税標準額について
課税標準額は、固定資産税を計算するための元になる金額です。
評価額を元に決定されますが、土地・建物で計算方法が大きく異なります。
土地の課税標準額について
土地の課税標準額は、①宅地、②宅地に準じる雑種地、③その他の土地でそれぞれ以下のようになります。
ただし、算定された土地の課税標準額が、前年度の実際の課税標準額を大きく上回る場合は、負担調整措置(毎年徐々に課税標準額を増額していく措置)が取られます。
土地の種類 | 課税標準額 |
---|---|
宅地 | さらに以下の3種類で課税標準額は分かれます。 小規模住宅用地→評価額の6分の1 一般住宅用地→評価額の3分の1 非住宅用地→評価額の7割 |
宅地に準ずる雑種地 | 評価額の7割 |
その他の土地 | 評価額と同額 |
建物の課税標準額について
建物の課税標準額は、評価額と同額になります。
納税額について
固定資産税の納税額は、土地・建物共通で以下の計算式により算定できます。
固定資産税の納税額=課税標準額×税率(1.4%)
都市計画税とは?
都市計画税とは、下水道・道路・公園などの都市計画事業や土地区画整理事業に充当されることを目的とした税金で、固定資産税とセットで課税されます。
ただし、都市計画税は、市街化調整区域など、大きな街になるのを避けたい区域では、税金を徴収する意味がないため課税されません。
都市計画税の計算方法は、固定資産税の計算方法とほぼ同じになりますが、以下の点だけ固定資産税の計算方法と異なります。
- 小規模住宅用地と一般住宅用地の課税標準額
- 納税額を計算するための税率
小規模住宅用地と一般住宅用地の課税標準額は、固定資産税と都市計画税で異なります。
宅地の種類 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 評価額の6分の1 | 評価額の3分の1 |
一般住宅用地 | 評価額の3分の1 | 評価額の3分の2 |
また、納税額を計算するための税率も固定資産税と都市計画税で異なります。
都市計画税の納税額=課税標準額×税率(0.3%)
小規模住宅用地・一般住宅用地について
土地の課税標準額のところで、小規模住宅用地・一般住宅用地を紹介しましたが、ここではもう少し詳しく説明します。
まず、住宅用地とは、人が住むための土地のことをいいます。
よって、建物所有者本人が住む住宅用の土地だけでなく、住宅用の賃貸アパート・マンションの土地も住宅用地に該当します。
住宅用地か? | 主な土地の種類 |
---|---|
住宅用地 | 賃貸用の住宅用の土地 建物所有者本人が住む住宅用の土地 |
住宅用地以外 | 店舗・事務所・倉庫の土地 住宅建築中の土地 |
住宅用地に該当する場合、評価額から算出する課税標準額を大幅に引き下げる、「住宅用地の固定資産税・都市計画税の課税標準の軽減措置の特例」を利用できます。
この軽減措置の特例は、面積区分(200㎡)により、対象を小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて考えます。
前述の土地の課税標準額のところで課税標準額が評価額の6分の1や3分の1と大きく減少することを説明しましたが、これは、住宅用地の固定資産税・都市計画税の課税標準の軽減措置の特例の影響です。
なお、小規模住宅用地と一般住宅用地で質問が多い事項を以下にまとめましたので、参考にしてください。
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