- 個人事業主の住民税の計算方法について知りたい人
- 個人事業主の住民税の支払い方法を知りたい人
- 副業をしているサラリーマンの住民税の注意事項を知りたい人
おさる先生!
こないだ開業セミナーに行ったら、個人事業主でも住民税がかかるという話を聞いたんだけど…
個人事業主の住民税の話だね。
うん。
どんな税金なの?
簡単に言うと、1月1日から12月31日までの1年間で稼いだ利益に10%の税率を掛けて、翌年の6月から4回に分割して支払う税金だね。
うん。それで?
個人事業主の人はその年の1月1日~12月31日までの業績を翌年の3月15日までに所得税の確定申告しなければならないけど、所得税の確定申告の提出書類で住民税も一緒に計算されているんだ。
だから、翌年の5月頃に届く住民税の納税通知書の通りにお金を支払っておけば大丈夫だよ。
なるほどね。
ところで、くま君はサラリーマンだったよね。
今から開業しようとしている事業って、副業になるの?
そうだよ。
それなら、所得税の確定申告の時には注意が必要だね。
利益が出ているのなら、住民税の徴収方法を普通徴収にしておいてね。
わかったよ。
おさる先生、ありがとう!
住民税とは
個人事業主が事業を行った場合、所得税の他に、住民税も支払わなければなりません。
住民税とは、都道府県民税と市町村民税の2つの税金の総称です。
所得税の確定申告は、1月1日~12月31日までの事業年度の業績を翌年3月15日までに申告しますが、所得税の確定申告の中で住民税の計算も行われており、支払い方法のみを所得税の確定申告の中で個人事業主が決めます。
あとは、市町村から納付書が届くか給与所得がある方(サラリーマン)は給与から天引きされるので、指示に従えば納税できることになります。
住民税には所得割と均等割がある
個人事業主の住民税には所得割と均等割というものがあります。
つまり、住民税=所得割+均等割となります。
所得割 | 前年度の所得金額に応じて課税される |
---|---|
均等割 | 所得金額に関係なく一定額が課税される |
所得割について
所得割=前年度の課税所得×税率で計算されます。
ほぼ所得税の計算方法と同じですが、以下の2点で異なりますので注意してください。
基礎控除額
所得税の基礎控除額(税率を掛ける前の前年度の課税所得から自動的に減額できる金額)は38万円でしたが、住民税の基礎控除額は33万円です。
よって、所得税に比べてほんの少しだけ課税所得が大きくなります。
税率
所得税の場合は課税所得の金額によって税率が変動する累進課税でしたが、住民税の税率は一定で10%です。
税区分
|
市町村民税
特別区民税 ※ |
道府県民税
都民税 ※ |
合計
|
---|---|---|---|
税率 |
6%
|
4%
|
10%
|
※ 東京都の場合のみ呼ばれ方が違いますが、内容は変わらないです。
均等割について
多少の例外はありますが、基本的に全国一律の金額です。
税区分
|
市町村民税
特別区民税 ※ |
道府県民税
都民税 ※ |
合計
|
---|---|---|---|
税額 |
3,500円
|
1,500円
|
5,000円
|
※ 東京都の場合のみ呼ばれ方が違いますが、内容は変わらないです。
住民税を計算してみよう
- 給与所得が400万円、不動産所得が200万円、事業所得が300万円の場合の住民税の金額はいくらになりますか?
-
- 【所得金額の計算】
給与所得+不動産所得+事業所得=400万円+200万円+300万円=900万円 - 【基礎控除を引く】
所得金額―基礎控除=900万円―33万円=867万円 - 【税率をかけて所得割を計算し、均等割を加える】
867万×10%+5,000円=872,000円
- 【所得金額の計算】
住民税の支払い方法
3月15日までに提出する所得税の確定申告書で住民税の計算も行われてしまいます。
よって、所得税の確定申告書の中で住民税の支払い方法についても聞いてきます。
以下の2通りの支払い方法があるので、好きな方を選べばいいわけです。
ただし、特別徴収についてはサラリーマンしか選べないので、副業でなければ普通徴収の一択です。
市町村が5月に納付書を送付してくるので、納税者自身が金融機関や郵便局やコンビニで納税額を支払います。
支払い方法としては、6月、8月、11月、翌年1月と4分割にして払う方法と一括で支払う方法があります。
口座振替依頼書を市町村に提出すれば口座振替も可能です。
給与所得がある場合、会社が毎月の給料から住民税を天引きして、住民税を納めてくれる方式です。
12等分した金額を毎月給料から天引きされます。
ただし、サラリーマンが副業で事業や不動産賃貸業を営んでいて、会社にばれたくない場合、普通徴収を選択してください。