この記事の対象者 所要時間
  • 所得税の確定申告を間違ったしまった場合の処理と影響額を知りたい人
  • 申告期限までに申告書の作成が終わらない場合の最善策を知りたい人
10分




申告書は提出して終わりではない

個人事業主の場合は2月16日~3月15日までの間に所得税の確定申告をしなければなりません。

この確定申告が無事に終わり、「ようやく面倒くさい申告業務が終わったよ…」と思っていても、残念ながら終わっていないこともあります。

確定申告書は税務署に提出すれば、基本的にどんなものでも受け取ってくれます。

申告書の形式のチェックぐらいはその場で行ってくれますが、確定申告の内容については税務署の受付では全く確認されていません。

そして…

確定申告とは1年間の個人事業主の業績を「確定させる業務」ですので、ちょっと間違ったからすぐ修正ということは非常に難しいものです。

勿論、修正申告という制度があり、決算を間違ってしまったから申告書を直したいということ自体は可能です。

どんなに注意していても、間違い自体は発生してしまいますし、当然税務署もそんなことにいちいち目くじらを立てたりしません。間違ったら直せば良いだけです。

ただし、間違ったために、申告期限「後」に修正をする場合は、申告期限までに正しい申告書を出した人との関係でペナルティーを受けることになります。

今回は申告を間違った時のペナルティーについて見ていきましょう。

実際の納税額>本来の納税額

実際の納税額が本来の納税額より多かった場合はそれほど大きな問題はありません。

確定申告の内容に間違いがあり、実際の納税額が本来の納税額より多かった場合は、更生の請求という手続きができ、納税し過ぎた分の税金を税務署から返してもらえます。更生の請求ができる期間は、法定申告期限から5年以内です。

なお、仮に申告期限から5年後に税金を多く支払っていることに気づいて、個人事業主が更生の請求をして、税務署から払い過ぎた税金分を返してもらえたとしても、返してもらえるのは「払い過ぎた部分の金額だけ」です。個人事業主が税金を納め過ぎただけなので、税務署から利息をつけてもらえません。

結果として、払い過ぎた税金部分は、更生の請求をして税務署から返してもらうまでの間、事業資金として使用できないので、実際の金銭のマイナスはありませんが、多少の不利益を被る結果にはなるでしょう。

実際の納税額<本来の納税額

申告漏れが発生している状態で非常にまずいです。気づいたら一刻も早く修正申告をする必要があります。

ペナルティーとしては過少申告加算税を受ける可能性があります。過少申告加算税は基本的に増加した税金分の10%相当額です。

ただし、原則として、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

また、税務署の調査の事前通知を受けてしまった後、調査を受ける前に修正申告をした場合の過少申告加算税は5%になります。

ちなみに、意図的に帳簿書類の隠匿、虚偽記載等を行い納税額を減らしている場合、重加算税という税金を取られてしまうことになります。重加算税の税額は35%です。

さらに、申告漏れが発生しているときは、法定納期限の翌日(3月16日)から修正申告分の納付日までの間の延滞税を支払うことになります。

延滞税の税率は、法定納期限の翌日(3月16日)から修正申告書を提出した日の翌日以降2か月経過する日までは約3%、それ以降は約9%で計算されます。延滞税率は年度により変動するので、「国税庁のホームページ」でご確認ください。

もし法定期限(3月15日)までに確定申告が間に合わない場合

あまり考えたくありませんが、残念ながら法定期限(3月15日)までに確定申告が間に合わない場合もあるかもしれません。

その場合の最善の策は、本来の納税見込額より税務署に支払う金額が多くなる申告書を概算でもいいので作成し、それにあった金額を納付し、後日確定版の申告書ができた時点で更生の請求をかけることでしょう。

より良い方法を順番にあげていくと、

更生の請求(本来の納税額より実際の納税額の方が多い状態)>修正申告(実際の納税額より本来の納税額の方が多い状態)>無申告(申告書を提出しない)

です。

特に確定申告の法定期限(3月15日)までに申告書を提出しない無申告の場合は、青色申告の取消しという経営を行っていくうえで非常にクリティカルな処罰を受ける可能性があります。

どうしても、3月15日までに申告書が作成できなくても、できる限りの努力をすることが、経営上のリスクを減らすことになるでしょう。