【この記事の対象者】
- 各種税金の仕訳について知りたい人
- 事業税等の損金算入できる税金の種類と仕訳を知りたい人
- 法人税等の損金不算入になる税金の種類と仕訳を知りたい人
損金算入できる税金・損金不算入になる税金の種類
会社は法人税、住民税、事業税等いろいろな税金を支払っています。
税金は、損金(=経費)にならないんじゃないかという先入観がありますが、実は、損金算入できる税金と損金不算入になる税金の2種類が存在します。
【税金の種類と損金計上可否のまとめ】
損金算入できる税金 |
---|
印紙税 事業税 自動車税 固定資産税 不動産取得税 登録免許税 |
損金不算入になる税金 |
---|
法人税 住民税 延滞税 加算税 |
損金算入できる税金の仕訳と勘定科目
印紙税
印紙税は収入印紙を購入した時に租税公課という勘定科目で仕訳をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 15万円 | 現金 | 15万円 |
消費税の処理方法ですが、収入印紙を購入する「場所」で非課税取引か課税取引か変わってしまいます。
- 郵便局や法務局などで購入した場合
-
消費税の非課税取引になりますので、会計ソフト(弥生会計など)で入力する際は、非課税仕入になります。
- 金券ショップ等で購入した場合
-
消費税の課税取引になりますので、会計ソフト(弥生会計など)で入力する際は、課税仕入にしてください。
なお、収入印紙が期末に残った場合は原則貯蔵品という資産の勘定科目に振り替えます。
収入印紙は、残っている収入印紙の金額が少額でない場合を除き、使った分しか租税公課として損金に計上できないからです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 10万円 | 租税公課 | 10万円 |
事業税
事業税は、法人税、住民税及び事業税 ※という勘定科目で仕訳します。
※資本金が1億円以上ある会社だと外形標準課税部分で租税公課という勘定科目も出てきます。
事業税の仕訳は期末日に以下のような仕訳を行います。
ただし、金額については、期末日後の確定申告書を作成している段階で判明するので、期末日に遡って仕訳を入力することになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 10万円 | 未払法人税等 | 10万円 |
中小企業では、税務書類作成の煩雑さを避けるために事業税の仕訳の時期を確定申告書の提出時(=事業税の納税時)にまで遅らせて、翌期に以下のような仕訳を計上するパターンもあります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 10万円 | 現金又は預金 | 10万円 |
上場しているような大企業だと期末日に未払法人税等を計上する前者の仕訳の方が一般的ですが、中小企業では申告書提出日(税金の納付日)に現金又は預金を計上する後者の仕訳もよく目にする仕訳です。
自動車税
自動車税は、経理処理の煩雑さを避けるために、支払日に租税公課又は車両費という勘定科目で処理するのが一般的です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 5万円 | 現金又は預金 | 5万円 |
ただし、賦課決定日(5月1日が多い、納税通知書が発行された日)で損金経理することも可能です。
【賦課決定日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 5万円 | 未払費用 | 5万円 |
【自動車税の支払日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払費用 | 5万円 | 現金又は預金 | 5万円 |
固定資産税
固定資産税は、租税公課という勘定科目で処理します。
自動車税と同じく、経理処理の煩雑さを避けるために、支払日を仕訳日にするのが一番簡単です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 40万円 | 現金又は預金 | 40万円 |
ただし、賦課決定日(4月頃が多い、納税通知書が発行された日)で損金経理することも可能です。
賦課決定日は、固定資産税の賦課決定日(毎年1月1日)ではなく、納税通知書が発行された日なので注意が必要です!
【賦課決定日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 40万円 | 未払費用 | 40万円 |
【固定資産税の支払日の仕訳(分割納付の場合)】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払費用 | 10万円 | 現金又は預金 | 10万円 |
不動産取得税
不動産取得税は、租税公課という勘定科目で処理します。
自動車税と同じく、経理処理の煩雑さを避けるために、支払日を仕訳計上日にするのが一番簡単です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 50万円 | 現金又は預金 | 50万円 |
ただし、賦課決定日(納税通知書が発行された日)で損金経理することも可能です。
【賦課決定日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 50万円 | 未払費用 | 50万円 |
【不動産取得税の支払日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払費用 | 50万円 | 現金又は預金 | 50万円 |
なお、不動産取得税の納税通知書は、購入後数か月から半年後くらいに送られてきます。
自動車税や固定資産税と違い、納税時期は毎年一定ではありません。
登録免許税
登録免許税とは、不動産の所有権を第三者に主張するために、法務局に登記手続きを行う際に支払う税金です。
登録免許税は、取得した固定資産と合わせて固定資産に計上することもできますが、通常は、損金(経費)として処理した方が有利なので、租税公課という勘定科目で処理します。
登録免許税の経理処理の時期ですが、登録免許税の支払日か賦課決定日になります。
【支払日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 50万円 | 現金又は預金 | 50万円 |
【賦課決定日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 50万円 | 未払費用 | 50万円 |
【不動産取得税の支払日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払費用 | 50万円 | 現金又は預金 | 50万円 |
損金(経費)不算入になる税金の勘定科目と仕訳について
法人税・住民税
法人税・住民税は、法人税、住民税及び事業税という勘定科目で処理します。
法人税・住民税の仕訳は、期末日の日付で以下のような仕訳をします。
ただし、期末日では、法人税・住民税の納税額は確定できないので、期末日後に利益が確定し、納税額が確定した段階で遡って仕訳を計上することになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
法人税、住民税及び事業税 | 20万円 | 未払法人税等 | 20万円 |
ただし、税務上はこれでは完了しません。
法人税・住民税は、損金(経費)不算入になる税金なのに、上記の仕訳を行うことで、当期の損金(経費)に含まれてしまっています。
よって、税務申告書(別表4)では法人税・住民税を差し戻す調整(加算)をしなければなりません。
延滞税・加算税
延滞税とは、税金が法定納期限までに納税されなかった場合に、法定納期限の翌日から支払日までに納税者に課される利息のことです。
加算税とは、申告が適正に行われなかった場合に、納税者に課せられる罰金のことで過小申告加算税や無申告加算税などがあります。
延滞税・加算税は、租税公課という勘定科目で処理します。
ただし、金額が少額なら雑損失という勘定勘定でもよいでしょう。
ただし、法人税・住民税と同じく、税務上はこれで完了しません。
延滞税・加算税は、損金(経費)不算入になる税金なのに、租税公課や雑損失で経理処理をしてしまうと、当期の損金(経費)に含まれてしまうので、税務申告書(別表4)では差し戻す調整(加算)をしなければなりません。
コメント