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家なき子の特例とは?小規模宅地等の特例の要件・注意点をわかりやすく解説

2026 5/14
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相続-小規模宅地等
2026年5月14日
配偶者や同居親族がいた場合、家なき子特例の適用はない!

用語の確認

  • 被相続人:亡くなった人(財産を残した側)
  • 相続人:財産を受け継ぐ人(配偶者・子など)

相続税の小規模宅地等の特例では、一定の条件を満たすと、被相続人が住んでいた自宅の土地について最大80%の評価減を受けられます。

ただし、誰がその自宅を相続するかによって適用可否が変わるため、特に「家なき子」の判定は間違えやすいポイントです。

この記事の結論

  • 家なき子が使えるのは、被相続人に配偶者がいない、かつ同居相続人がいない場合が基本です。
  • 1次相続では配偶者がいることが多いため、家なき子が使えないケースが多いです。
  • 一方で、2次相続では家なき子の判定が重要になるため、事前の相続設計が大切です。
目次

小規模宅地等の特例が使える前提条件

特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例を適用するためには、まず相続の「前」の時点で、次のどちらかを満たしている必要があります。

  • 被相続人が居住の用に供していた敷地であること
  • 被相続人と生計を一にしていた親族が居住の用に供していた敷地であること

このうち、被相続人が住んでいた自宅の土地については、主に次の人が取得すると、特定居住用宅地等として80%減額の対象になる可能性があります。

  • 配偶者
  • 同居相続人
  • 一定の要件を満たす家なき子

家なき子とは何か

家なき子とは、簡単にいうと、被相続人と同居していなかった相続人でも、一定の条件を満たせば小規模宅地等の特例を使える制度上の取扱いです。

ただし、誰でも使えるわけではありません。制度の趣旨は、本当に住む家に困る親族を保護することにあります。

そのため、被相続人に配偶者や同居相続人がいるなら、まずはその人が居住を継続するのが自然であり、家なき子まで特例を広げる必要はない、という考え方になります。

家なき子が使えない代表例

家なき子は、被相続人に配偶者や同居相続人がいる場合、原則として適用できません。

つまり、配偶者や同居相続人を差し置いてまで、別居している相続人に自宅を相続させて特例を認める制度ではない、ということです。

この点を覚えるだけでも、家なき子の判定ミスはかなり減らせます。

覚え方のコツ

「配偶者あり」または「同居相続人あり」なら、家なき子は基本的に使えないと押さえておきましょう。

よくある具体例で理解する

例えば、父親の自宅に同居していた息子が、転勤で実家を離れて借家住まいになっている間に父親の相続が発生したケースを考えてみます。

この場合、息子は相続開始時点では同居していないため、同居相続人としての適用は受けられません。

さらに、母親(配偶者)が生存しているなら、母親が自宅を相続すれば小規模宅地等の特例の対象になる可能性がありますが、息子は家なき子にも該当しないため、特例を使えないことになります。

一方で、被相続人に配偶者がおらず、同居相続人もいないのであれば、転勤などで一時的に別居している相続人が家なき子として扱われる余地があります。

なお、単身赴任などで形式上は別居でも、生活実態によっては同居関係が問題になることがあるため、個別判断が必要です。国税庁も、勤務・生活状況や家屋の状況などを踏まえて判断する考え方を示しています。(参考:国税庁・質疑応答事例)

結論:家なき子が使えるのはどんなときか

ここまでをまとめると、家なき子が小規模宅地等の特例を使えるのは、被相続人に配偶者がいない、かつ被相続人の自宅に住んでいた相続人がいない場合が基本です。

つまり、1次相続では家なき子が使えないケースが多く、2次相続で重要性が高まると理解しておくと実務に役立ちます。

そのため、2次相続で本来使えるはずの特例を取りこぼさないよう、相続人同士で事前に方針を整理しておくことが重要です。

事例で見る「家なき子」に該当するかどうか

【事例1】
長男は10年間借家住まいです。
父親(被相続人)所有の居宅には父親と母親(配偶者)が住んでいます。
父親に相続が発生しました。

母親(配偶者)がいるため、長男は家なき子に該当しません。

【事例2】
長男は10年間借家住まいです。
父親(被相続人)所有の居宅には父親と長女(相続人)が住んでいます。
父親に相続が発生しました。

同居相続人(長女)がいるため、長男は家なき子に該当しません。

【事例3】
長男は10年間借家住まいです。
父親(被相続人)所有の居宅には父親と長女が住んでいます。
父親に相続が発生しましたが、長女は相続を放棄しました。

長女が相続放棄をしていても、家なき子の判定では「相続放棄がなかったもの」として相続人を判定します。

そのため、この場合も長女は同居相続人として扱われ、長男は家なき子に該当しません。

【事例4】
長男は10年間借家住まいです。
父親(被相続人)所有の居宅には父親と孫(次男の息子)が住んでいます。
父親に相続が発生しました。

孫が父親と同居していても、孫は原則として相続人ではありません(代襲相続など特別な事情がない場合)。

したがって、同居相続人はいないため、長男は家なき子に該当する可能性があります。

家なき子の主な要件まとめ

家なき子として小規模宅地等の特例を使うには、代表的に次の要件を確認する必要があります。

国税庁では、被相続人に配偶者がいないこと、相続開始直前に被相続人の家に住んでいた相続人がいないこと、相続開始前3年以内に一定の持ち家に住んでいないこと、その宅地を申告期限まで保有することなどを示しています。

  • 被相続人に配偶者がいないこと
  • 被相続人の自宅に住んでいた相続人がいないこと
    ※相続放棄があっても、放棄がなかったものとして判定されます
  • 相続開始前3年以内に、取得者本人・配偶者・三親等内親族などが所有する家屋に居住していないこと
  • 相続開始時に住んでいる家を、過去に自分で所有したことがないこと
  • その宅地を相続税の申告期限まで保有していること

(参考:国税庁・タックスアンサーNo.4124)

記事のまとめ

家なき子の判定で最も大切なのは、「配偶者がいるか」「同居相続人がいるか」を最初に確認することです。

この2つのどちらかに当てはまると、家なき子は使えない可能性が高くなります。

また、家なき子に該当しそうでも、3年以内の居住歴や持ち家の有無、申告期限までの保有要件など、細かい条件を満たす必要があります。

最終判断は、相続関係図・居住実態・不動産の名義関係を確認しながら進めることが大切です。

(参考:国税庁・タックスアンサーNo.4124)

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