この記事の対象者 所要時間
  • 前年度の所得税の納税額が15万円を超える人
  • 予定納税に興味がある人
  • 少しでも節税を考えたい個人事業主
10分




予定納税とは?

個人事業主が所得税を15万円以上納税すると次の年から予定納税をしなければなりません。予定納税とは、その年に支払う所得税の金額の決定前に、前年度の所得税の金額をもとに計算された納税予定額を「前払い」する制度のことをいいます。

例えば、平成30年3月15日までに支払えばよい所得税を、平成29年7月と11月に平成29年3月15日に支払った所得税を参考に「前払い」しなければなりません。

予定納税が必要と判断されれば、税務署から6月15日までに「予定納税額のご案内」が届きますので、個人事業主の側で税務署に連絡をいれる必要はありません。

いくら予定納税するの?

本年度の所得税額がまだ決まっていないのに、「いくら予定納税するか決められるの?」とよく聞かれます。

当然決められません…

よって、前年度に支払った所得税の納税額をもとに概算で計算された金額を支払います。

「突然の災害やリーマンショックのような景気の急な変化がない限り、所得の金額は毎年そんなに変わらないよね!」という税務署の判断です。

いつ支払うの?

7月と11月の末までに前年度の所得税額の3分の1ずつを「前払い」で支払うことになります。

例えば、平成29年3月15日に確定申告で150万円の所得税を納税したとします。この場合、平成29年7月31日と平成29年11月30日までに平成30年3月15日の所得税額の前払いとして50万円ずつ予定納税することになります。

還付金が発生すると本当にお得です

予定納税は概算で支払うため実際の納税額と当然誤差が生じます。

予定納税額が本来の納税額より少なければ、確定申告の時に調整されます。

予定納税額が本来の納税額より大きければ、還付金が発生します。

しかも、この還付金には利息がつきます(還付加算金といいます)。

還付加算金の利率は以下のいずれか低い方が採用されますが、いずれにしても銀行などに預けている普通預金の金利より非常に高い利率なので大変お得です。

  1. 7.3%
  2. 特例基準割合+1%(大体3%弱

ただし、還付加算金は雑所得になりますので、確定申告しなければなりませんので注意しましょう。

逆に、予定納税を遅延すれば延滞税がとられ非常にもったいないです

所得税の予定納税は義務です。

「予定納税額のご案内」の通知が来たのに、支払いを忘れていた場合は延滞税が発生してしまいます。延滞税の利率も最初の2か月間は還付加算金と同じ利率で3%弱ですが、2か月以上放置すると利率が9%強まで上がります。

事業が苦しくて、どうしても予定納税ができない場合、6月30日までに「減額承認申請書」を必ず提出してください。そうすれば、予定納税を納めなくてもよくなります。

なお、「手持ち現金を全部使ってしまったため、予定納税を払えないよ!」という理由では減額承認はされないので、必ず納税資金を残しておいてください。

予定納税の支払い方法

予定納税の支払い方法には次の3つがあります。

  1. 直接納税する
  2. 振替納税する
  3. 電子納税する

直接納税する

金融機関や税務署に現金で納税する方法です。

コンビニ支払いも上限額がありますが非常に便利です。

振替納税する

指定した金融機関の預金口座から予定納税額を振替で納付する方法です。預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書を提出する必要がありますが、払い忘れもなく一番便利でお勧めです。

電子納税する

自宅から予定納税の納付手続きができる方法です。最近は電子申告・電子納税を推奨されています。業界的には電子申告・電子納税の流れですが、税理士さんからの縛りがないのならば、個人事業主的には申告書は郵送で、支払いは振替納税でする方が現状は手続き的にもセキュリティー的にもベターでしょう。大企業ではない限り、自分のパソコンのセキュリティーが一番信用できないでしょう。

納税準備預金口座を作れればさらに節税できる

現状では振替納税が一番安全で便利だという話をしました。

さらに、少しでも節税したければ、納税準備預金口座を銀行で開設するのが良いでしょう。

納税準備預金口座は納税のためだけに使用される口座で、税金の支払いのための金額をプールし易く、なにより納税預金口座の受取利息には源泉所得税(20%強)が課税されないというメリットがあります。

また、銀行によっては金利を優遇してくれるところもあります。

予定納税を忘れないためにも、また納税の手間を減らし、さらにちょっとした節税にもなるため口座開設を一度検討してみるのもいいかもしれません。