この記事の対象者 所要時間
  • どのような投資物件を購入するか迷っている投資家
  • 新築物件と中古物件の耐用年数の違いから節税をしたい人
  • とにかく多くの経費を計上する必要がある人
8分




建物の減価償却とは?

建物は、取得価額を減価償却していく必要があります。減価償却とは、建物の使用に伴って、建物自体の価値が年々下がっていくので、それを反映させるために建物の取得価額を一定の割合で減額して、減額した金額をその年々の経費に計上することです。

一方、土地はどんなに使用しても、土地自体の価値は下がらないので、減価償却をする必要はありません。

購入すべきは建物価額を多く計上できる物件です

もし節税目的も含めて不動産投資を行うならば、建物取得価額は減価償却できるので、建物価額を多く計上できる物件を購入すべきです。

通常、不動産売買契約を結ぶ場合は、土地と建物がセットになると考えられます。その場合、不動産売買価格の総額を土地と建物の取得価額に割り振ることになりますが、1円でも多く建物取得価額に計上した方が減価償却の影響で経費が多く計上できるため有利です。

建物取得価額を多くする方法は、「土地建物の取得価額の按分方法について」で説明していますのでそちらをご覧ください。

ではなぜ中古物件を狙うのでしょうか

建物取得価額が多く計上できる物件を購入しようということはわかりました。

では、なぜ「中古」の物件を狙うのでしょうか?

1つには、中古物件の方が利回りが高くなるので、不動産投資に適しているからです。古くなればなる程、不動産の売買価格は安くなりますが、それに比べて賃貸価格はさほど安くならないので、賃貸料総額÷不動産取得価額で計算される表面利回りは、高くなります。

不動産投資目的であれば、最終的には売却を行うことを前提としており、またあなた自身が住むわけではないので、新築物件ではなく中古物件で不動産投資を行う方が良いでしょう。

ただ、中古不動産を狙う最大のメリットは別のところにあります。
そう、経費を多く計上できるところです!

減価償却は毎年一定額を建物取得価額から経費に振り替えることだとお伝えしましたが、築年数が古ければ古いほど、取得価額から経費に振り替えられる一定額も格段に大きくなります。

よって、経費が大きく計上できるので、中古物件を購入した方が新築物件を購入するより節税目的になります。

では中古物件を購入するとどれくらいの節税効果があるのでしょうか

減価償却を通して1年間に建物取得価額から経費に計上できる金額は、次の計算式により算定することができます。

経費計上額の算定
建物取得価額÷耐用年数

新築の場合の耐用年数と中古の場合の耐用年数は以下の通りになります。

種類 新築 中古
木造
22年
4年
軽量鉄骨
(肉厚4mm以下)
27年
5年
鉄骨
34年
6年
RC
47年
9年

では、実際に経費に計上できる金額を設例方式でみていきましょう。

新築で木造の建物を購入した場合と築25年経過した木造の建物を購入した時の1年間の経費の計上額を比較してください。
ただし、建物の取得価額はどちらも2,200万円とします。

【解答】
新築建物の1年間の経費は100万円、中古建物の1年間の経費は550万円。
よって、中古建物の方が450万円も多く経費に計上できます。

【解説】
新得建物の1年間の経費
建物取得価額÷耐用年数=2,200万円÷22年=100万円

中古建物の1年間の経費
建物取得価額÷耐用年数=2,200万円÷4年=550万円

まとめ

個人事業主でも会社でも、基本的に利益がある限り、経費が多い方が納税額が少なくなり、節税になります。

しかも、減価償却費は購入時に金銭の支払いは終了しているので、年々経費に計上できる金額は金銭の支払いを伴いません。

そうであるならば、長い年月を通して少しずつ減価償却されるよりも短い年数で一気に減価償却された方がお得です。

納税額の減少を通して、手元現金が増えることになるので、借入金を返済したり、新しい物件を購入するのに回せるお金が多くなるためです。

是非、物件を購入する際は、中古物件の耐用年数も考慮にいれて物件選びをしてみてください。