不動産の取得・保有・売却の税金
この記事の対象者
  • 個人事業主の不動産賃貸業に関わる税金の種類を知りたい人
  • 会社の不動産賃貸業に関わる税金の種類を知りたい人

不動産賃貸業に関わる税金の種類とは?

職業柄、インターネットで不動産に関わる記事を検索することが多いのですが、意外と不動産賃貸業(不動産投資も含む)に関わる税金の全体像をまとめた記事がなかったので、今回は、不動産賃貸業(不動産投資も含む)に関わる税金のまとめをしていきます。

不動産賃貸用に事務所やアパートやマンションなどの不動産を①取得して、②保有して、③売却するまでにかかる税金の種類を個人事業主・会社別にまとめます。

不動産賃貸業を営むと分かるのですが、税金は、ある日突然、かなりの金額で納税を迫られることがあります

不動産を取得した半年後に、不動産取得税を払うときには、手持ち資金がなくてヒヤッとすることもあると思います。

不動産を取得した後、貸し出すためにリフォームをし、その費用を支払ったら、お金が減ってしまい、そこに、不動産取得税の支払通知が来て、嫌な思いをしたなんて記憶がある人も多いのではないでしょうか?

「不動産を取得した半年後に不動産取得税を請求されても覚えてないよ!」というクレームを市町村や都税事務所などに入れたいところですが、必要な税金の種類さえ知っていれば、そんな事態はそもそも起こらなかったはずです。

そこで、いつどんな税金を支払うのかということを今回はまとめていきます。

いつ税金が発生するか?

不動産賃貸業の場合、以下の場合に税金が発生します。

賃貸用不動産を取得したとき

最初に賃貸用不動産を取得したときに1回だけ発生する税金です。
不動産取得税だけは、3か月~6か月後に納税通知書と納付書が届くので注意が必要です。

賃貸用不動産を保有している間

毎年納税が必要な税金利益があれば納税が必要な税金に分けられます。

賃貸用不動産を売却したとき

売却したときに利益が発生するならば、納付する税金です。

個人事業主の場合の税金の種類

まずは、不動産賃貸業を個人事業主として営む場合の税金の種類を見ていきましょう(不動産賃貸業を会社として営む場合は次の項まで読み飛ばしてください)。

賃貸用不動産を取得したときの税金

印紙税

不動産売買契約書に貼り付け、消印(印紙と契約書にまたがるように印鑑などを押すこと)をすることにより支払われる税金です。

登録免許税

土地・建物の所有権移転登記抵当権設定登記を行う場合に支払われる税金です。

不動産取得税

不動産を取得した時に支払われる税金です。
ただし、納税通知書が送られてくるのが、不動産売買契約締結日の3か月~6か月後と遅いので注意が必要です。

賃貸用不動産を保有している間の税金

毎年納税が必要な税金

固定資産税

毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して、市町村が課税する税金です。
一括納税か年4回の分割納税かを選択できます。

利益があれば納税が必要な税金

所得税・住民税・個人事業税

利益(不動産所得)がある場合に課税される税金です。
所得税の確定申告書の中で、住民税と個人事業税の計算も出来てしまいます
所得税は、累進課税方式を採用しているので、利益が大きくなればなるほど税率も上がっていきます

賃貸用不動産を売却して利益があるときに支払う税金

所得税・住民税

利益(譲渡所得)がある場合に課税される税金です。
保有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得になり、税率が39%(所得税率30%、住民税率9%)になります。
保有期間が5年超の場合は、長期譲渡所得になり、税率が20%(所得税率15%、住民税率5%)になります。

会社の場合の税金の種類

次に会社の場合の税金の種類です。

賃貸用不動産を取得したときの税金

印紙税

不動産売買契約書に貼り付け、消印(印紙と契約書にまたがるように印鑑などを押すこと)をすることにより支払われる税金です。

登録免許税

土地・建物の所有権移転登記抵当権設定登記を行う場合に支払われる税金です。

不動産取得税

不動産を取得した時に支払われる税金です。
ただし、納税通知書が送られてくるのが、不動産売買契約締結日の3か月~6か月後と遅いので注意が必要です。

賃貸用不動産を保有している間の税金

毎年納税が必要な税金

固定資産税

毎年1月1日時点の不動産の所有会社に対して、市町村が課税する税金です。
一括納税か年4回の分割納税かを選択できます。

利益があれば納税が必要な税金

法人税・法人住民税・法人事業税

基本的には、利益(所得金額)がある場合に課税される税金です。
ただし、法人住民税には均等割というものがあり、損失の場合でも最低7万円程度の税金がかかります
法人税等の税率は一定ですが、中小企業の場合、利益を年800万円までに抑えられれば、さらに割安な税率を適用できます

賃貸用不動産を売却して利益があるときに支払う税金

法人税・法人住民税・法人事業税

売却益(所得金額)がある場合に課税される税金です。
賃貸用不動産を保有している間の法人税・法人住民税・法人事業税と同じです。
会社の場合、賃貸用不動産を保有していた間のその年の利益金額と賃貸用不動産を売却した時の利益金額を合算して、法人税・法人住民税・法人事業税の納税額を算定することになります。