この記事の対象者 所要時間
  • 役員に社宅を貸して節税対策を行うことに興味がある人
  • 社宅を貸したときの役員側の税金関係を知りたい人
  • 社宅に関する消費税について知りたい人
10分




概要

会社が役員に社宅を貸し出す場合に、役員から税務上算出される賃貸料相当額を受け取っていれば、役員側では所得税・住民税が課税されることはありません。

税務上算出される賃貸料相当額は基本的に少額になるので、役員は一般的な家賃相場より遥かに低い破格の値段で家を借りることができます。

また、会社が社宅にするために大家さんから法人契約をして借りた社宅の賃料と役員から賃貸料相当額として受け取ったお金の差額は法人税上の経費に計上することができますので、節税効果があります。

消費税に関しては、どちらも住宅家賃に関するものなので非課税になります。

社宅の分類について

社宅は床面積によって、「小規模な住宅」「それ以外の住宅」とに分けられます。「小規模な住宅」とは、以下のいずれかの場合をいいます。

  • 建物の耐用年数が30年以下で、床面積が132㎡以下である住宅
  • 建物の耐用年数が30年超で、床面積が99㎡以下である住宅

ただし、「それ以外の住宅」に該当しても、あまりに豪華で社宅として利用するには一般的な感覚からずれてしまっている物件については、いくら会社側で社宅と判断しても、税務上の恩恵を受けられる社宅には該当しません。

社宅に該当する場合の賃貸料相当額について

役員に貸し出す社宅が「小規模な住宅」である場合

賃貸料相当額の計算式は以下のようになります。固定資産税の課税標準額については、「固定資産評価証明書」を都税事務所や市町村などで入手することができるのでわかります。

本人確認書類と大家との賃貸借契約書をもって都税事務所や市町村に行って必ず「固定資産評価証明書」を入手してください。

賃貸料相当額
(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%+12円×(その建物の総床面積÷3.3)+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

役員に貸与する社宅が「それ以外の住宅」の場合

役員に貸し出す社宅が「それ以外の住宅」の場合は、以下の賃貸料相当額の候補1と賃貸料相当額の候補2を比べて、いずれか多い方の金額が税務上の賃貸料相当額になります。

賃貸料相当額の候補1
{(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×10%+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%}÷12

ただし、木造住宅や軽量鉄骨の住宅の時は12%を乗じます。

賃貸料相当額の候補2
会社が大家に支払う家賃×50%

役員報酬として所得税・住民税が課税されてしまう場合

上記の賃貸料相当額を役員の社宅の家賃としなかった場合、役員に対しては以下の金額が所得税・住民税上の給与として課税されてしまいます。

  • 社宅を役員に無料で貸し出す場合、賃料相当額
  • 賃貸料相当額より低い家賃を役員から受け取っている場合、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額

なお、法人契約ではなく入居者が直接契約している場合は、社宅には当たらないので、法人がお金を出した場合、全額役員報酬として所得税・住民税の課税対象になります。