この記事の対象者 所要時間
  • 会社で行った社員旅行が本当に経費に該当するか知りたい人
  • 個人事業主の社員旅行の経費計上の可否について知りたい人
10分




その社員旅行は本当に福利厚生費?

従業員の日頃の労をねぎらう目的で社員旅行に行くことは、個人事業主でも法人でもよくあることです。

ただ、社員旅行であっても税務上の基準を満たしていないと経費に計上することはできません。

そこで今回は税務上の基準を詳しく解説していきましょう。

社員旅行を福利厚生費として経費計上するための要件は3つだけです

社員旅行を福利厚生費として経費計上するための要件はそんなに複雑ではありません。次の3つを満たせばよいことになります。

  1. 旅行の期間が4泊5日以内であること
  2. 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
  3. 一人当たりの旅費が10万円前後であること

旅行の期間が4泊5日以内であること

国内の場合ならば、4泊5日以内です。勿論、海外旅行も認められていて、海外旅行ならば外国での滞在期間が4泊以内になります。HISやJTBなどの旅行会社で組まれている通常のツアーなどの場合、宿泊日数なども領収書に出ていてなお良いでしょう。

旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること

あなたが従業員を雇っていて、従業員の50%以上が参加した場合に要件を満たすことになります。証拠を残すためにも、旅行先で必ず1枚は集合写真をとることをお勧めします。

ある程度従業員のいる会社では、工場や支店ごとに旅行にいくことも考えられます。この場合は、工場や支店の人数の50%以上が参加することが必要です。逆に、従業員が1人の場合は、この従業員が旅行に行かなければ要件を満たすことはできません。

なお、1人会社の場合や個人事業主で従業員がいない場合はまず福利厚生費として経費に計上すること自体が不可能です。福利厚生費は「従業員」の労をねぎらうためなので、経営者のみの場合は当然に認めれらません。従業員が家族の場合も福利厚生費は認められません。それは単なる家族旅行として税務署に否認されます。

一人当たりの旅費が10万円前後であること

10万円前後と書いてあるところがミソで、実は税務上詳しい金額基準は定めれていません。ただ、税務署の否認事例を見るとあまりに高額な旅費は否認される傾向にあり、だいたい10万円~15万円が妥当なラインだと推測できます。

事例で福利厚生費としての経費計上の可否を確認してみよう

旅行期間が3泊4日の国内旅行で、従業員の全員が参加している社員旅行です。旅費は8万円の場合は福利厚生費として経費計上できますか?
旅行期間は4泊5日以内で従業員の100%が参加しています。また、旅費も10万円以内なので全額福利厚生費として認めれます。
旅行期間が5泊6日の国内旅行で、従業員の全員が参加している社員旅行です。旅費は12万円の場合は福利厚生費として経費計上できますか?
旅行期間が5泊6日以上のものは、一般的な旅行期間としては長いと考えられ福利厚生費として経費計上することはできません。
旅行期間が4泊5日の国内旅行で、役員のみが参加している社員旅行です。旅費は10万円の場合は福利厚生費として経費計上できますか?
役員のみ参加の旅行は福利厚生費として経費計上できません。福利厚生費は「従業員」の労をねぎらうための費用だからです。
旅行期間が4泊5日の国内旅行で、従業員の全員(ただし、全員社長の家族)が参加している社員旅行です。旅費は10万円の場合は福利厚生費として経費計上できますか?
実質的に私的な旅行(家族旅行)と考えられるので、福利厚生費として経費に計上することはできません。

旅行に参加しなかった人にお金を渡す場合の注意点

福利厚生費として経費計上できるすべての要件を満たしていても、自己都合で旅行に参加できなかった人にその分のお金を支給することはやめてください。

お金を支給してしまうと旅行の参加者も含めた「全員に」不参加者分に渡したお金と同じだけの給与を支給したものとみなされてしまいます。

従業員側で給料と同等と認定されてしまうと、ただで旅行できたはずが、実費を払って旅行に行ったことと同じになってしまい非常にかわいそうです。