この記事の対象者 所要時間
  • システムキッチンの交換工事が資本的支出か修繕費か知りたい人
  • システムキッチンの交換工事の勘定科目について知りたい人
  • 既存のキッチンを除却した時に少しでも経費を多く計上したい人
10分




キッチンの取替工事は修繕費又は資本的支出?

不動産賃貸業を営んでいると、賃借人の退去時に畳の交換やクロスの張り替え工事とともにキッチンの取替工事が行われることがあります。

キッチンの取替工事を行う場合、その工事代金は修繕費として経費に計上される部分と資本的支出として資産に計上される部分に分けられます。

つまり、業者からもらう見積書の中の工事明細を確認し、また実際に完成したキッチンを見ながら、修繕費として経費に計上される部分と資本的支出として資産に計上される部分に分解していくことになります。

なお、資本的支出として資産に計上される部分は次のいずれかに該当する部分であり、それ以外は修繕費として経費に計上されます。

  • 当初予測された使用可能期間を延長させる支出
  • 固定資産の取得時の価額を増加させる支出

キッチン取替工事のうち資産に計上される部分は、、建物に該当する部分、器具備品に該当する部分に分けられ、それぞれの耐用年数で減価償却を行い、徐々に資産を取り崩して、経費に計上していくことになります。

システムキッチンとは?

システムキッチンとは、調理台、シンク、コンロ台、レンジ台、収納棚などキッチンでの作業に必要なパーツを組み合わせて、全てが一体不可分とみなせるキッチンのことを言います。

キッチンにはその他にも、シンクやコンロ台などを単体で購入して別々に組み合わせたものから、床に直接流し台やコンロのスペースを設置したものなどがあります。

システムキッチンへの取替工事の資産計上について

システムキッチンへの取替工事は単に既存の台所設備の一部補修や交換ではなく、建物と物理的・機能的に一体で区別できない関係にある台所について全面的に取壊し、システムキッチンを新設するものであり、、建物の一部分の取り壊しと新設が同時に起きたと考えることになります。
そうであるならば、システムキッチンへの取替工事は修繕費としては認められず、システムキッチンを設置したことによって、、建物自体の価値を高め、又は耐久性が増したと認められるため資本的支出に該当し、資産計上されることになります(平成26年4月21日裁決参照)。

システムキッチンの取替工事の勘定科目は?

システムキッチンの取替工事が資産計上されることは分かりましたが、具体的な勘定科目は建物と器具備品のどちらになるのでしょうか?

一概にシステムキッチンという名前で呼ばれていても、流し台やコンロ等のセット販売だけで一体不可分の製品とは判断できないものがあります。一体不可分の製品と判断できないものは個々に建物に該当するか判断し、場合によっては、、器具備品になる可能性もあるでしょう。

しかし、通常のシステムキッチンの定義に戻るとシステムキッチンとは、調理台、シンク、コンロ台、レンジ台、収納棚などキッチンでの作業に必要なパーツを組み合わせ、全てが一体不可分となったキッチンのことを言いますので、、資産計上に関しても一体で判断することになります。
そのうえで、一般的にシステムキッチンは床や壁に固定されるものであり、、建物と物理的機能的に一体不可分な内部造作にあたるため建物に該当することになります。

解体工事したキッチンは経費に計上できます

システムキッチンの取替工事は通常の場合、建物勘定に一括計上されることは分かりました。

そうならば、解体工事した既存のキッチン設備に未償却残高があった場合はどのように処理するのでしょうか?

結論から先に言うと、、固定資産除却損として経費に計上されます。

通常、建物を建てた時は「建物」勘定一本で仕訳をしており、キッチン自体の価格を把握していないはずです。

そこで、建物を建てた当初の見積書を見て、建物全体に対するキッチンの価格を把握して、現状の建物の帳簿価額(取得価額―各年度の減価償却額の合計)を按分して、固定資産除却損を計算することになります。

建物を建てた当初の見積書がない場合は、建物の取得価額と総床面積を基に1平方メートル当たりの建築単価を計算して、これにキッチン部分の床面積を掛けて算定した金額を取り壊した部分に対応する取得価額として、取壊し直前のキッチン部分の未償却残額を計算します。

なお、余談ですが、システムキッチンの取替工事をしたときに、既存のキッチンを撤去した費用が業者からもらう見積書から把握できます。

この撤去費用は既存のキッチンを撤去するための費用であり、システムキッチンを導入するためのものではないので、経費に計上することができます。

少し経費を増やすことができるのに、意外と資産(建物)に計上されてしまっていることが多いので注意しましょう。