この記事の対象者 所要時間
  • 賃貸人側の仲介手数料の仕訳と税務処理を知りたい人
  • 賃貸人側の広告料(AD)の仕訳と税務処理を知りたい人
  • 賃貸人側のプレゼント費用の仕訳と税務処理を知りたい人
  • 賃貸人が日常的に支払う管理費の仕訳と税務処理を知りたい人
15分




入居者を探すための費用にはどのようなものがあるか

仲介手数料

不動産賃貸業を始めると不動産会社に賃借人の募集を委託することになります。

知り合いから賃借人を探しても良いのですが、限界がありますので、「レインズ」という不動産会社専用の賃貸人と賃借人のマッチングシステムを使用した方が効率的です。

なお、アットホームやスーモなどの登録も不動産会社に頼めば対応してくれますので、一緒に頼んでみましょう。

そして、実際に不動産会社が賃貸人を探してきて、無事、賃借人が入居してくれると成功報酬で仲介手数料を払うことになります。

なお、名目ですが、仲介手数料だと宅地建物取引業法の報酬(賃貸人と賃借人の仲介業者両者で1か月分)に引っ掛かってしまいますので、コンサルティングフィーなど別の名目になっていることも多いです。

賃貸人が支払う仲介手数料は通常は賃料の1か月程度ですが、不動産会社によってばらつきがあります。

ただし、決して値段で決めない方が良いです。賃借人の募集はどうしても不動産会社頼りになります。不動産会社によって、客付け能力は全く違います。また、担当者の能力によっても全く違ってきます。

最近空室リスクが問題になっていますが、よっぽどひどい物件でも値段次第では客付け可能です。私見ですが、空室リスクは、むしろ不動産会社の能力の有無に関わってくると思います。良い不動産会社を見つけたいものです。

広告料

広告料を支払うかどうかは賃貸人の任意になります。

賃借人の募集を不動産会社に依頼すると募集広告を作成してくれます。募集広告の下にAD100やAD50など文字を見たことはないでしょうか?実はあれが、広告料を指しています。

広告料ですが、賃貸人が募集を依頼した不動産会社に払われるわけではありません。賃借人側の不動産会社に支払うことになります。

どういうことかと言うと、賃借人候補者が賃借人側の不動産会社に来店します。その時に賃借人候補者が風呂・トイレ別などの条件を挙げていき、条件に合致した物件を賃借人側の不動産会社が提案していくわけです。最終的に賃借人側の不動産会社が提案した不動産を賃借人予定者が気に入って、賃貸人と賃借人が不動産賃貸借契約した時に賃貸人側から賃借人側の不動産会社に支払われるのがADと呼ばれる広告料です。

プレゼント費用

最近多いのが、空室対策として、入居してくれた人に賃貸人からプレゼントを用意しようというものです。物件から駅までの距離が遠い場合には自転車であったり、学生の一人暮らし用ならば冷蔵庫や洗濯機などの家具家電だったり、様々なプレゼントがあります。

個人的には、中古のプレゼントならありですが、新規でプレゼントを買うぐらいなら家賃や敷金や礼金などの一時金を下げた方が効果は高いと思いますが…

管理費

管理費については日常的に発生するもので、入居者募集時に限らないのですが、ここで一緒にまとめておきましょう。

管理費とは、物件の清掃費用や住民の入退去の立ち合いなどの管理会社に払う費用やエレベーターの保守点検費や消防点検費などの建物の維持のために支払う費用です。

なお、物件の管理会社などに支払う費用ですが、不動産会社によっては一部だけ、単発に委託することもできます。例えば、普段は自主管理だけど、退去の立ち合いやなにか突発的なトラブルが起きたときにすぐに駆け付けられない時などは、単発で不動産会社に業務を委託することもできます。

自主管理に興味がある場合は、近くの不動産会社に単発サービスをやっているか聞いてみてもよいでしょう。

入居者を探すための費用の仕訳と税務上の処理

仲介手数料

賃貸借契約を締結すると不動産会社より、請求書を渡されるでしょう。

消費税の課税取引に該当しますので、会計システム(弥生会計など)では「8%課税取引」を選択してください。

不動産会社が入居者を決めてくれたので、108,000円(税込)をコンサルティングフィーとして支払った。
借方 金額 貸方 金額
支払手数料
108,000円
現金又は預金
108,000円

広告料

賃貸借契約を締結すると不動産会社より、広告料を請求されるでしょう。

実際には、賃貸人側の不動産会社を通して賃借人側の不動産会社に支払われるか、賃貸人が直接賃借人側の不動産会社に支払うことが多いでしょう。

消費税の課税取引に該当しますので、会計システム(弥生会計など)では「8%課税取引」を選択してください。

ただ、居住用の不動産の賃貸の場合、不動産会社側の請求は税抜きの場合もあります。その場合でも、消費税区分は課税取引にしないといけないので注意してください。

不動産会社が入居者を決めてくれたので、54,000円(税込)を広告料として支払った。
借方 金額 貸方 金額
広告宣伝費
54,000円
現金又は預金
54,000円

プレゼント費用

金額的な上限はありません。プレゼントした費用の金額を交際費に計上すれば良いです。個人事業主の方は交際費全額が必要経費になりますが、法人の場合は基本的に800万までしか損金になりません。

ただし、プレゼントの内容がクオカードなどの金券の時は注意が必要です。金券は自分でも使えてしまうので、税務調査を受けると結構シビアに調べられます。

プレゼントとして渡す時には受領書などに入居者からの自署を貰っておくと良いでしょう。

ただ、プレゼントを金券で渡すのは、税務上の管理が非常にめんどくさいので個人的にはお勧めしません。

入居を決めてくれた人に、54,000円(税込)分の自転車を購入しプレゼントした。
借方 金額 貸方 金額
交際費
54,000円
現金又は預金
54,000円

プレゼントを買った時つい消耗品費などで落としてしまいがちですが、入居者にあげるので立派な交際費です。法人の場合は交際費の損金算入に限度があるので間違わないようにしましょう。

管理費

支払報酬として処理しましょう。

物件の定期清掃の費用として管理会社に21,600円(税込み)を支払った。
借方 金額 貸方 金額
支払報酬
21,600円
現金又は預金
21,600円