この記事の対象者 所要時間
  • 法人の交際費のポイントを知りたい人
  • 個人事業主の交際費のポイントを知りたい人
10分




個人事業主と法人では交際費の範囲は異なる

個人事業主と法人では交際費に計上できる上限額が異なってきます。通常の税法は法人の方が経費に計上できるものが多いイメージですが、交際費については逆で個人事業主の方が理論上は多くの金額を交際費に計上できます。

ただし、事業収益と交際費のバランスがあまりに悪くなりすぎるので、法人の場合の上限額である、800万円超の交際費を経費に計上している個人事業主なんてあまりいないでしょう。

個人OR法人 交際費の範囲
個人事業主 全額経費に計上できる
法人 800万円までは全額経費に計上できる。

事業年度終了日時点で資本金が1億円以下の場合

ちなみに法人の場合は、以下の要件を満たした場合、交際費としてではなく会議費等の上限なく経費に計上できる勘定科目で処理することもできます。

  • 飲食等の年月日
  • 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  • 飲食等に参加した者の数
  • その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地
  • 一人当たり5,000円以下の飲食代

ただし、2つ目と3つ目の要件が非常に面倒くさいので、全額交際費として計上しておいて、800万円を超えそうになったら、得意先や人数を思い出して会議費などに振り替えた方が得策でしょう。

800万円すべて使用する事態なんて滅多にないと思います。交際費の上限額を超えない限り、交際費勘定でも会議費勘定でも経費に変わりません。

領収書に「飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係」、「飲食等に参加した者の数」を毎回書くのは時間の無駄です。その暇があるなら、少しでも営業した方が、将来の売上も上がり、みんな満足な結果になるでしょう。

税務調査などで交際費計上を否認されないための要点

そもそも交際費とはなにかを考えよう

個人事業主ならば上限がなく交際費として認められ、法人なら800万円まで交際費が認められるとお話しましたが、そもそも飲み屋等の領収書があっても交際費として経費に計上できない場合もあります。「交際費に計上できるかどうか?」忘れ去られがちですが、これが一番重要な論点ですので今一度確認してみましょう。

交際費とは、得意先など事業遂行上必要な人達をおもてなしするための費用になります。関係が良好な方が仕事がしやすいので、絶対必要な費用です。

おもてなしの費用なので、居酒屋で飲んでも、カラオケに行っても、旅行に行っても事業遂行上必要な人達とならば交際費に計上できます。逆に一人や友達と飲みに行ったり、家族でご飯を食べに行ったりしたときはたとえ領収書があっても交際費にはなりません。事業遂行上必要な人達ではないですからね。

そのうえでどう証跡を残すか考えよう

領収書には形や大きさの区別はあっても、それをもらった人がどんな目的で領収書をもらったかは分かりません。税務調査が入った場合の調査官だって、透視能力がない限り、その領収書が交際費に該当するかどうかなんてわかりません。

でも、交際費の計上は非常にデリケートな問題(私用部分を経費に計上しやすいから)なので、税務調査が入れば、調査官はちゃんと領収書をチェックしてあなたにいろいろ聞いてくるでしょう。そこで、きちんとした回答ができるかどうかで交際費が経費のままなのか否認されてしまうのか運命が決まってきます。

しかし、残念ながら、人間の記憶は曖昧で1年以上の前のことを聞かれて覚えているわけはありません。そこで、必ず領収書に1つのことだけをメモしておきましょう。たった、1つです。

「誰と飲み食いしたか」

これだけです。勿論ですが、違う人の名前を書くのは絶対やめましょう。

他の事項は領収書がすべて証明してくれます。ただ、事業遂行上必要な人達と飲み食いしたかだけは、領収書は教えてくれません。この情報だけはきちんと領収書にあなた(もしくは従業員の営業の人)がきちんと記載しておきましょう。

稀に「得意先に問い合わせで確認しても良いですか?」と聞かれるかもしれませんが、「どうぞ」と答えてください。仮にこの質問を得意先がされたとしても、どんな回答が返ってくるかはご想像の通りです。