この記事の対象者 所要時間
  • これから会社を設立しようという人
  • 会社を設立するための基本的な情報を網羅的に知りたい人
  • 会社設立作業を自前で行うか外注するか悩んでいる人
15分




会社設立をする前に法人化の目安金額の復習

個人事業主で利益が500万円程度になったら、又は事業の最初から利益が500万円を超える見込みなら、会社を設立した方が良いということは「法人化した方がお得?個人事業主の法人成りの本当の目安金額!」で解説した通りになります。簡単にいってしまうと会社が負担する納税額が利益が500万円以上だと個人事業主の納税額より安くなるということです。

今回は、実際に会社を設立する場合の具体的な手続きの方法と節約方法を検討していきましょう。

会社設立前に決めておく事項

まずは事前の準備が必要です。事前に決められた以下の内容をもとに、定款を作成し、公証役場で認証を受け、資本金を振り込み、法務局で登記するという流れになります。

項目 内容
会社の種類 株式会社合同会社があります。
合同会社の方が設立時に手間がかからないのと設立費用が15万円程度安くなります
ただ、合同会社は外部的な信用力がどうしても弱くなるので、利益で500万円程度あるのなら、設立費用が経費にできることも含めて株式会社一択になると考えらえれます。
補助金等 会社設立と同時に創業補助金等の国が実施している補助金・助成金を活用するかどうかの検討です。
採択されれば、200万円程度の補助金が貰える可能性はありますが、事前の資料作り、事後の報告作業が非常に煩雑です。採択率の異常な低さからも手間をかけてまで申し込むかの検討が必要です。
設立手続 設立手続きを自分で行うか外注するかです。
以下で流れを記述しますが、非常に煩雑なので、利益が500万円程度あるのなら、外注費も経費にできますので、間違いなく外注することをお勧めします。
外注する場合には、司法書士・行政書士・税理士の誰かに頼むことになります。
報酬としては5万円~10万円のところが多いですが、税理士の場合、設立後の顧問契約等を取りたいため設立費用を0円にしているところもあります。
商号 会社の名前ですが、将来性も考えて決めないとのちに変更する必要が出てくる場合もあります。
本店所在地 会社の本社事務所の住所になります。もちろん自宅でも可能です。
出資者 会社の所有者になります。
可能ならばあなただけにした方が良いです。
共同出資にすると方向性が変わった場合にもめる原因になります。
出資金 消費税等税金との関係から1,000万円未満にしてください。
1円からでも会社設立できますが、信用力に関わってくるので、300万円以上は出資した方が無難です。
設立日 そこまで大きな意味はありません。
住民税の均等割(7万/年)が月次・切捨てで計算されるので、月初に設立するよりは月末に設立した方が5,000円ぐらい納税額が減ります。
決算期 会社の締め日です。3月末決算でない方が税理士報酬を安くできる可能性が高いです。お勧めは設立日から1年後の月末にすることです。
事業目的 やる可能性のあるものを全部考えておきましょう。最小限に抑えておいて後から定款等を変更するのは非常に煩雑です。
なお、会社が上場する段階では、やっていない業務が定款に書いてあると削除を求められます。
役員と役員報酬 通常、あなたが代表取締役でしょう。
節税目的から考えると、奥さんやお子さんを取締役にします。
常勤・非常勤の別も考えることになります。
公告の方法 決算書の用紙の公告方法です。官報か電子(自社のホームページ)か選べます。電子を選んだ方が圧倒的にお得です。

その他、市区町村によって、会社設立の際にいろいろ節約につながる制度を実施していいます。

例えば、板橋区では創業4分野マスターコースを受講すれば、会社設立時の登録免許税(15万円)が半分になります。また、会社設立にあたり、借入をする場合、区から利子補給をしてもらえる制度などもあります。

必ず、会社設立の準備段階で市区町村のホームページを確認してあなたに役立つ情報がないかを確認してください。

会社設立までの具体的方法

手続自体は司法書士や税理士に外注する可能性が高いですが、あなた自身が手続を行うことも十分可能ですし、なにより手続きの流れを知らないと、ボったくられる可能性関与する士業によっては途中までしかやってくれない可能性もあるので、会社設立までの具体的な方法をダイジェストバージョンで見ていきましょう。

  1. 定款の作成

    まずは定款を作成しましょう。
    この段階で、後々必要になる法人実印、代表取締役印、銀行印の発注も行いましょう。

  2. 公証人の定款内容の確認と認証

    公証人があなた又は代理人が作成した定款の内容を確認して修正箇所を提示してくれます。修正箇所を直すと公証役場で認証してくれます。
    なお、税理士などに外注する場合は電子定款の手続をとる場合があります。その場合は印紙税40,000円分だけ会社設立に支払う手数料は安くなりますが、あなたに恩恵があるか外注先に恩恵があるかは契約内容次第になります。

  3. 資本金の払い込み(会社側から見たら入金)

    既存の通帳を使用することも可能ですが、お金は必ず振り込みしないといけません。
    よく資本金の残高が通帳にあるからそれでいいよねと聞かれますが、認められません。必ず振り込んでください。

  4. 登記書類の作成と収集

    株式会社設立登記申請書等を作成したり、設立時役員の就任承諾書を収集したりします。
    実印、会社実印が必要になりますので、早めの準備をしてください。

  5. 設立登記の申請

    法務局で登記を行います。法務局で申請をした日が会社の設立日になります。

会社設立後の手続

登記まで終われば、会社設立は完了ですが、税務署・都道府県及び市区町村・年金事務所等に必要書類を提出しなければなりません。

外部委託した場合、登記までの手続で終わってしまう場合もありますので、設立登記したら終わりだとは思わないでください。必ず、関係各所に提出書類を提出して、会社設立の手続きは終わるんだということを心得ておいてください。

書類はインターネットからほぼダウンロードできますので、Yahoo検索で以下の用語をコピーして検索をかけてください。

税務署に提出する資料

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書

法人設立届出書

法人の開業を税務署に知らせる書類です。設立後2か月以内に提出する必要があります。

青色申告の承認申請書

個人事業主の場合はできれば提出しようという建て付けでしたが、法人の場合は絶対に提出してください。赤字の場合の繰越し控除や税額控除の要件にもなっているので、青色申告にしないとほぼ間違いなく損をします。

提出期限は設立してから3か月以内です。

給与支払事務所等の開設届出書

給与を支払う場合には提出が必要になります。

提出期限は給与を支給する事務所を開設してから1か月以内です。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書

給与の支給人員が常時10人未満の場合に提出すれば、源泉の支払い義務が半年に一度になるため、該当するようならば必ず提出してください。

都道府県及び市町村に提出する資料

法人の場合は法人住民税・法人事業税を自ら申告しなければいけない関係で都道府県及び市町村にも法人設立の届出書を提出しなければなりません。

地域によって提出書類の名称が多少異なるので、分からなければ都道府県や市町村に電話をかけて聞くとよいでしょう。

例:東京都⇒法人設立届出書

年金事務所に提出する資料

添付書面が求められるものが多いのできちんと説明書を読んだ方がよいでしょう。添付書面を付けて事務センターに郵送すれば受け付けてくれます。

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届

労働基準監督署に提出する資料

1人会社の場合は作成せずに済みます。また、外注で済むのなら以下の書類を作らずに済みます。

e-Govで手続きをすることもできますが、使い勝手が悪すぎるので、労働基準監督署で用紙を貰って、記入した方がよいでしょう。

  • 労働保険 保険関係成立届
  • 労働保険 概算保険料申告書

ハローワーク(公共職業安定書)に提出する資料

労働基準監督署に提出する資料と同じで1人会社の場合は作成せずに済みます。また、外注で済むのなら以下の書類を作らずに済みます。

  • 雇用保険 適用事業所設置届
  • 雇用保険 被保険者資格取得届

雇用保険 適用事業所設置届

10日以内に提出する必要があります。添付書類が多くなります。煩雑なので、覚悟をもって取り組みましょう。

雇用保険 被保険者資格取得届

資格取得の事実があった日の翌月10日までに提出が必要です。