この記事の対象者 所要時間
  • 20万円未満の固定資産を利用して利益調整をしたい人
  • 20万円未満の固定資産を利用して節税したい人
  • 一括償却資産の活用方法を知りたい人
7分




一括償却資産とは?

一括償却資産とは20万円未満の資産を購入した場合、3年で均等に減価償却できる資産のことを言います。

通常の減価償却は、耐用年数が決められていて、その耐用年数の期間で一定額を経費に計上していくことが基本でした。

例えば、18万円のパソコンを購入して通常の減価償却で計算する場合、パソコンの耐用年数は4年なので、1年間の減価償却費(経費)は18万円÷4年間=4.5万円です。

それに対して、一括償却資産で計算すると、3年で償却できるので1年間の経費は18万円÷3年間=6万円になります。

上記、例のように、10万円以上20万円未満の資産がある場合には、一括償却資産として資産を早期に経費処理した方が、1年間の経費が多くなり、その分納税額が減少することになり、納税者にとっては有利に働きます。

少額減価償却資産の即時償却の特例という制度もあります

個人事業主でも法人でも青色申告をしていれば、30万円未満の資産を即時償却して経費に計上することができる少額減価償却資産の即時償却の特例という制度があります。

一括償却資産の場合、3年間で均等償却でしたが、少額減価償却資産の場合は即時に経費処理できるので、通常は少額減価償却資産にした方が有利になります。

では、どんな時に一括償却資産に計上するのでしょうか?

30万円未満の資産の取得なら少額減価償却資産にした方が全額経費処理できて有利という結論になりますが、それでも一括償却資産を選択する場合があります。どんな時に一括償却資産を選択するメリットがあるのかを考えてみましょう。

結論から先に言うと、メリットとしては、以下の2つが考えられます。

  • 利益調整をしたい場合
  • 固定資産税を節税したい場合

利益調整をしたい場合

少額減価償却資産に計上すると即時償却になり、取得価額全額が経費に計上されることになります。それに対して、一括償却資産は3年かけて固定資産の取得価額を経費に計上していくことになります。

もし、銀行融資の関係で赤字にしたくない場合は、少額減価償却資産だけでなく、一括償却資産の制度も利用した方が利益の調整もし易いです。

固定資産税を節税したい場合

固定資産税と聞くと土地・建物について課税されるイメージの方も多いでしょう。

ただ、実際には、機械装置や車両運搬具や工具器具備品などの償却資産と呼ばれる資産にも固定資産税が課税されます。

償却資産の固定資産税は課税標準額(≒帳簿価格)で150万円未満の場合は免税になりますが、課税標準額(≒帳簿価格)で150万円以上の場合は課税標準額に対して1.4%の税率で固定資産税を支払わなければなりません。

この課税標準額の対象になる資産の範囲ですが、通常の減価償却資産と少額減価償却資産は含まれますが、一括償却資産は含まれません。

つまり、課税標準額で150万円以上になりそうな場合、少額減価償却資産にするより一括償却資産に計上した方が固定資産税が安くなる可能性があります。

まとめ

通常の場合は少額減価償却資産の即時償却の特例を採用して30万円未満の固定資産に関しては、即時償却した方が有利になりますが、ぎりぎり黒字で赤字を出したくない、余計な固定資産税を払いたくないという場合は一括償却資産の計上も検討した方がよいでしょう。

なお、固定資産税の申告期限は毎年1月31日までなので、その時までにどういう処理をするか決めておくのがベストということになります。