この記事の対象者 所要時間
  • 各種税金の仕訳について知りたい人
  • 事業税等損金計上できる税金の種類と仕訳を知りたい人
  • 法人税等損金計上できない税金の種類と仕訳を知りたい人
10分




損金(経費)にできる税金・損金(経費)にできない税金

法人(会社)は法人税、住民税、事業税等いろいろな税金を支払っています。税金は一見すると損金にはならないんじゃないかという先入観がありますが、実は損金になる税金と損金にならない税金の2種類が存在します。詳しくは以下の図をご覧ください。

損金になる税金 損金にならない税金
  • 印紙税
  • 事業税
  • 自動車税
  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 法人税
  • 住民税
  • 延滞税
  • 加算税

損金(経費)に計上できる税金の勘定科目と仕訳について

印紙税

印紙税は収入印紙を購入した時に「租税公課」という勘定科目で仕訳をします。

借方 金額 貸方 金額
租税公課
150,000円
現金又は預金
150,000円

消費税の処理方法ですが、収入印紙を購入する「場所」で非課税取引か課税取引か変わってしまいます。具体的には、

  • 収入印紙を郵便局や法務局などで購入した場合
    ⇒消費税の非課税取引になりますので、会計ソフト(弥生会計など)で入力する際は、非課税仕入になります。
  • 収入印紙を金券ショップ等で購入した場合
    ⇒消費税の課税取引になりますので、会計ソフト(弥生会計など)で入力する際は、課税仕入にしてください。

なお、収入印紙が期末に残った場合は「貯蔵品」という資産勘定に振り替えます。収入印紙は使った分しか租税公課として損金に計上できないからです。

借方 金額 貸方 金額
貯蔵品
10,000円
租税公課
10,000円

事業税

事業税は「法人税、住民税及び事業税 という勘定科目で処理します。

資本金が1億円以上あると外形標準課税部分で「租税公課」という勘定科目も出てくるのですが、このブログの対象としているところは、中小の法人なのでここでは議論しません。

事業税の仕訳は決算整理で以下のような仕訳をします。

借方 金額 貸方 金額
法人税、住民税及び事業税
100,000円
未払法人税等
100,000円

ただし、税務上はこれでは完了しません。事業税の納税額が確定するのは、税金計算をした翌期です。期末日時点の決算整理仕訳に上記仕訳を計上していますが、債務が確定するのが翌期なので、当期の損金(経費)には計上できません。とは言っても、決算整理で仕訳をしてしまっているので、税務申告書の中で損金(経費)計上を取り消す処理がなされます。

事業税の仕訳は原則通りにやると非常に複雑です。よって、煩雑さを避けるために仕訳の時期を決算期から事業税の支払時期にまで遅らせて、翌期に以下のような仕訳を計上しているパターンもあります。

借方 金額 貸方 金額
法人税、住民税及び事業税
100,000円
現金又は預金
100,000円

この仕訳ならば、損金(経費)の算入時期を考えないで良いので税務申告書をこねくり回さずに済みます(ただし、教科書的な仕訳ではありません)。

自動車税

租税公課又は車両費という勘定科目で処理します。

固定資産税

租税公課という勘定科目で処理します。支払った日に仕訳をするのが一番簡便です。

不動産取得税

租税公課という勘定科目で処理します。支払った日に仕訳をするのが一番簡便です。なお、不動産取得税の納税通知書は購入後数か月から半年後くらいに送られてきます

登録免許税

租税公課という勘定科目で処理します。

損金(経費)に計上できない税金の勘定科目と仕訳について

法人税・住民税

法人税・住民税は「法人税、住民税及び事業税」という勘定科目で処理します。法人税・住民税の仕訳は原則、決算整理で以下のような仕訳をします。

借方 金額 貸方 金額
法人税、住民税及び事業税
200,000円
未払法人税等
200,000円

ただし、税務上はこれでは完了しません。法人税・住民税は損金(経費)に算入できない税金なのに、仕訳を行うことで、当期の損金(経費)に含まれてしまっています。よって、税務申告書では法人税・住民税及び事業税を差し戻す処理をしなければなりません。

延滞税・加算税

租税公課という科目で処理するのがよいでしょう。なお、金額次第では雑損失勘定でもよいでしょう。

ただし、法人税・住民税と同じく、税務上はこれで完了しません。延滞税・加算税も損金(経費)に算入できない税金なのに、租税公課に計上してしまうと当期の損金(経費)に含まれてしまうので、税務申告書では差し戻す処理をします。