この記事の対象者 所要時間
  • 法人が青色申告をした時のメリットを知りたい人
  • 青色申告法人だけど特典を享受できていない経営者
10分




法人の青色申告の概要

法人税の確定申告書、中間申告書を青色申告書によって提出すると各種の特典を受けることができます。青色申告書を提出するためには事前に税務署から承認を受けなければなりません。

承認申請書の提出時期

青色申告によって法人税の確定申告、中間申告をする事業年度の前年度の最終日まで青色申告の承認申請書を税務署に提出しなければなりません。

ただし、新しく会社を設立した場合は、設立の日以後3か月を経過した日の前日までに青色申告の承認申請書を税務署に提出することになります。

法人の青色申告のメリット

大きなメリットは以下の2つです。

  • 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除が認められる
  • 30万円未満の固定資産の取得価額を損金(経費)に計上できる

※上記以外に特別償却や特別税額控除の要件は青色申告法人であることが非常に多いです。詳しくはこちらを確認してください。もし、あなたの事業に当てはまる特別償却や特別税額控除があれば、税金が安くなるので税理士さんと相談してください。

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除が認められる

法人の青色申告のメリットの1つ目は欠損金の繰越控除です。

欠損金とは、赤字の金額のことをいいます。欠損金の繰越控除とは、今期発生した赤字を翌期以降発生する黒字と相殺できる制度です。

例題で確認してみましょう。

新事業の準備のため第10期の決算では2,000万円の赤字が計上された。第11期以降の黒字が以下のとき、それぞれの期の法人税の納税額を計算してください。なお法人税率は便宜上25%とします。

  • 第11期 黒字 900万円
  • 第12期 黒字 1,000万円
  • 第13期 黒字 500万円
【解答】
第10期~第12期までの納税額は0円、第13期の納税額は100万円になります。
【解説】

(単位:万円)
第10期 第11期 第12期 第13期
所得金額
△2,000
900
1,000
500
繰越欠損金充当
0
△900
△1,000
△100
税率を掛ける所得
△2,000
0
0
400
納税額
0
0
0
100
(ただし、資本金の額が1億円以下の法人のみ対象)

欠損金の繰越し期間は9年です。ただし、平成29年4月1日以降開始の事業年度において発生した欠損金から繰越し期間は10年に変わります。

注意点として、その欠損金は「いつの」欠損金かということを把握しておきましょう。欠損金が「発生した年度」によって、繰越し期間が、9年と10年で変わってきます。

30万円未満の固定資産の取得価額を損金(経費)に計上できる

取得価額が30万円未満である固定資産を取得して事業用に使った場合には、その取得価額の金額を損金(経費)にすることができます。

資本金が1億円以下で従業員数が1,000人以下の法人であれば、取得価額の合計額で300万円までは損金(経費)に計上することができます。

ただし、法人税の確定申告書に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」(別表十六(七))を添付する必要が出てくるので、忘れずに作成しましょう。購入した固定資産を記載するだけで全く難しくありません。

なお、よく誤解されている方がいますが、新品の固定資産だけでなく、中古の固定資産も対象になりますし、ソフトウエアなどの無形固定資産と呼ばれるものも対象になります。