この記事の対象者 所要時間
  • 個人事業主の節税対策を知りたい人
  • 青色申告特別控除の具体的なメリットを知りたい人
  • 青色申告特別控除の具体的な注意点を知りたい人
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青色申告特別控除とは

個人事業主として新たに開業する人が、業務を開始した日から概ね2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記を採用し、きちんと帳簿付けを行えば65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

また、損益計算書や貸借対照表が作成できなくても、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでも10万円の青色申告特別控除を受けられることができます。

つまり、弥生会計などの会計ソフトをきちんと使いこなせるようになれば、最低でも10万円、最大で65万円の特別控除を受けることが可能になります。

実際にどれくらいのインパクトがあるのか?

青色申告特別控除がない白色申告の場合と青色申告で65万円の特別控除ができる場合を比べてみると良いでしょう。

所得税の税率は所得の金額が大きくなるほど高くなっていきます。つまり、所得の金額が大きくなるほど青色申告の節税効果は高くなっていきます。住民税の税率は10%で不変です。

上記のような所得税と住民税の税率を考慮すると、65万円の青色申告特別控除を採用した場合、最小で10万円最大で36万円程度の節税効果が期待できます。

以下は個人事業主で多そうな所得金額に焦点を当てたサンプルです。順番に比べてみてください。

所得金額が300万円の時の青色申告特別控除の節税額を求めてみましょう。

【解答】
130,000円節税になる

【解説】
所得税率10%+住民税率10%=合計税率20%
65万円(青色申告特別控除)×20%=130,000円

所得金額が600万円の時の青色申告特別控除の節税額を求めてみましょう。

【解答】
195,000円節税になる

【解説】
所得税率20%+住民税率10%=合計税率30%
65万円(青色申告特別控除)×30%=195,000円

所得金額が1,000万円の時の青色申告特別控除の節税額を求めてみましょう。

【解答】
279,500円節税になる

【解説】
所得税率33%+住民税率10%=合計税率43%
65万円(青色申告特別控除)×43%=279,500円

所得金額が2,000万円の時の青色申告特別控除の節税額を求めてみましょう。

【解答】
325,000円節税になる

【解説】
所得税率40%+住民税率10%=合計税率50%
65万円(青色申告特別控除)×50%=325,000円

青色申告特別控除のQ&A

ここからは青色申告特別控除の注意事項をQ&A形式でまとめてみます。

青色申告特別控除の対象になる所得はなに?また、控除される所得の順番はどうなるの?

不動産所得事業所得が対象となります。
控除される所得の順番ですが、不動産所得⇒事業所得になります。

例えば、不動産所得+20万、事業所得+100万の場合、不動産所得は65万円の控除を受けようとしても20万円までしか控除できません。
次に事業所得が100万円あるので、青色申告特別控除のあまり45万円を事業所得から控除できることになります。
そうすると、事業所得は100万円―45万円=55万円となります。

青色申告特別控除65万円より、当期の課税所得の方が少なくて控除しきれなかったときは翌年度に余った金額を繰り越せるの?

繰り越せません。

例えば、当期の不動産所得が20万、事業所得が30万しかなかった場合、65万円―20万円―30万円=15万円が控除しきれなったことになります。
その場合でも、翌年度に65万円+15万円=80万円を控除することはできません。

不動産所得が事業的規模でない場合は、事業所得があっても控除できる金額は10万円?

不動産が5棟10室以上にならないと所得税法上、事業的規模とはみなされません。
事業的規模とみなされないと青色申告特別控除の金額は10万に減額されてしまいます。

ただし、ほかに事業所得があれば、65万円の特別控除を受けることができます。
その場合、事業所得が赤字で、不動産所得が黒字で不動産所得だけしか控除を受けられなくても、65万の控除を受けることができます。