この記事の対象者 所要時間
  • 青色事業専従者控除を考えている個人事業主
  • 白色申告から青色申告への変更を考えている個人事業主
10分




青色事業専従者給与と事業専従者控除の概要

生計を一にしている配偶者その他の親族が個人事業主の経営する事業に従事する場合、個人事業主は配偶者その他の親族に給与を支払うことができます。

個人事業主が青色申告者の場合は、実際に支払った給与の額を必要経費とすることができます。これを青色事業専従者給与といいます。

個人事業主が白色申告者の場合は、配偶者で86万円、それ以外の親族には50万円を限度として給与を支払うことができます。これを事業専従者控除といいます。なお、事業専従者控除の場合、所得金額次第で上限がもう少し低くなることがあります。

青色事業専従者給与の要件

家族を青色事業専従者とするためには、以下の要件が存在します。なお、以下の要件に該当した場合は、その日から2か月以内に「青色事業専従者給与に関する届出書」を作成して、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

  • 青色申告者と生計を一にしている親族であること
  • 当年度の12月31日で年齢が15歳以上であること
  • 当年度期間中で6か月超、個人事業主の仕事に専ら従事していること

青色申告者と生計を一にしている親族であること

生計を一にするとは、必ずしも同居を要件としません。仕事や学校又は療養の都合で別居している場合でも、盆暮れには集まる場合や、常に生活費や学費や療養費が送金されている場合には、生計を一にしていると認められます。親族が同じ家で寝起きしている場合は、明らかに互いの生活が独立していると言えない限りは生計を一にするものとされます。

親族の範囲は6親等以内の血族、3親等以内の姻族のことを指します。親族であれば大体誰にでも給与を支払えると覚えておけば十分でしょう。

当年度の12月31日で年齢が15歳以上であること

15未満は該当しません。義務教育があるうちは専従することは絶対できないからです。

当年度期間中で6か月超、個人事業主の仕事に専ら従事していること

配偶者が他で働いていてパート的に個人事業主の仕事に従事していたり、子供が高校生や大学生でアルバイト的に個人事業主の仕事に従事している場合は昼間の仕事や学校がメインになるので、専従者にはなりません。その場合は、配偶者や子供に給与を払うことはできません。

青色事業専従者給与と事業専従者控除ではどちらがお得か?

所得金額は1,200万円、青色申告の場合の青色事業専従者給与は400万、白色申告の場合の事業専従者控除は上限の86万円として表にまとめてみました。

(単位:万円)
青色の場合
(400万円控除)
白色の場合
(86万円控除)
給与なし
所得金額
1,200
1,200
1,200
給与支払後所得金額
800
1,114
1,200
①個人事業主の税金
(所得税・住民税)
264
479
516
②親族の税金
(所得税・住民税)
120
0
0
家族全体の税金(①+②)
384
479
516

青色申告で青色事業専従者給与を使用する方が、給与を出さないときより132万円、白色申告で事業専従者控除のときより95万円税金が安くなっています。

社会保険料の影響などは考慮していませんが、明らかに青色事業専従者給与の節税額がグンを抜いていることが分かるでしょう。

青色申告でも、仮に親族に税金がかからないように給与を支払うのならば、給与所得控除65万円と基礎控除33万円(住民税の基礎控除)の合計98万円以内にすることになります。

つまり、月額8万円程度ならば、親族側では所得税も住民税もかからなくなります。確定申告などの手続きが煩雑になり過ぎるのを嫌うのであれば、月額8万円程度の金額の方が良いでしょう。